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京アニ放火犯の素性と戦後「凶悪放火魔事件」の60年史

爆発火災があったアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオ(写真/時事通信フォト)


 まさに、戦後最悪の放火事件だ。7月18日に起きたアニメ制作会社「京都アニメーション」の放火火災では、34人の死亡が確認された。現場で警察に身柄を確保された青葉真司容疑者(41)の素顔とは──。過去の“放火魔”たちと何が同じで、何が違うのか。

【一覧表】戦後に起きた悲惨な放火事件

 事件当日の夜、青葉容疑者の自宅とみられるさいたま市内のアパートには、数十人の報道陣が集まっていた。青葉容疑者が住んでいたとされる部屋の隣人男性が証言する。

「事件4日前の日曜の昼頃でした。隣の部屋の男がうちのドアをドンドンと叩くんです。上の階からの騒音をうちからだと勘違いして文句を言ってきた。しばらくして引き上げていったが、腹が立ったので彼の部屋の呼び鈴を鳴らし、『音は上の階からだ』と言い返したところ、部屋から出てきて私の胸ぐらを掴み、『うるせぇ! こっちは余裕ねぇんだ。殺すぞ!』と凄んできた。姿を見るのは初めてでしたが、大柄で身長180cmくらい。ニキビと無精ひげが印象に残りました」

 現場でも、青葉容疑者は「死ね!」と叫びながらビルに入り、ガソリンとみられる液体をまいた後、火を放ったとされている。一体、何が男を凶行に走らせたのか。

 戦後の主な放火事件などを別表にまとめたが、2桁にのぼる犠牲者が出たものはほとんどない。

 死者16人を出した2008年の「大阪・難波個室ビデオ店放火事件」では、当時46歳の男が逮捕された。

「リストラされ、多額の借金を背負っていた男は『生きていくのが嫌になり、火をつけた』と供述していたが、公判では容疑を否認しました」(大手紙社会部記者)

 2014年に最高裁で死刑が確定したが、再審請求が現在も最高裁で審理中だ。動機などがはっきりしない事件も少なくない。

「火災保険金目的とされる1957年の『昭和郷アパート放火事件』(死者8人)、家庭環境が原因だったとされる当時16歳の少年による2006年の『奈良自宅放火母子3人殺害事件』などは、動機や原因がまだ分かっているほうで、2001年の『歌舞伎町ビル火災』(44人死亡)、2015年の『川崎市簡易宿泊所火災』(11人死亡)のように、放火の疑いが強くても犯人の検挙にすら至っていない事件もある」(同前)

 京都の現場で「パクりやがって」などと叫んだ青葉容疑者は、搬送先の病院から大阪府内の別の病院に運ばれ、重篤な状態が続いている。今後、事件の全容はどう解明されるのか。

※週刊ポスト2019年8月2日号

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