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インバウンド客に日本人の“恥”は通じない 起業家・ハヤカワ五味が生理用品を変えたい理由 - 「文春オンライン」編集部

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 大学在学中に、胸が小さい人向けのランジェリーブランド「feast」などを手がけた起業家のハヤカワ五味さん(23)が、生理用品の選択肢を広げるセレクトショップなどを作るプロジェクト、「illuminate」を立ち上げた。

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 立ち上げのきっかけは、既存の生理用品のパッケージへの違和感。生理用品、ひいては生理そのものを“タブー”にしない文化を作りたいと考えたハヤカワさんは、当初は生理用品の開発を考えていたが、直面したのは数々の壁だった。

「illuminate」立ち上げまでの道のりを詳しく聞いた。


 

◆ ◆ ◆

――生理用品事業に携わりたい、と考えたきっかけを教えてください。

ハヤカワ五味(以下、ハヤカワ) 大学を卒業するタイミングで、「同級生が生理用品を卒業制作で作ったんだけれども、商品化したいらしい」と、共通の友人に聞きました。その同級生が、今「illuminate」にデザイナーとして参画しているMinaなんです。

 具体的に話を聞いたら、トランスジェンダーの人なども含む、生理のある人全員が、性自認(*)に縛られずに買いやすい商品を作りたいんだ、と。すごく商品化する価値があると思ったし、当時は正直、「生理用品くらいだったら作れるのでは」という気持ちもあって、じゃあ作ろう、と動き出しました。2018年5月頃の話です。

*……自分の性別をどのように認識しているか

生理用品を作る機械が、1台10億円

――実際には、いろいろな壁があったそうですね。

ハヤカワ そうなんです。最初は、とにかく生理用品を作っている工場を当たってみたのですが、本当にどこも取り合ってくれない。「他の企業さんより高い製作費を払うので」と交渉してみても、「それでも無理」の一点張りだったので、結構厳しいな、と。

 既存の工場で作ってもらえないのなら……と工場を作ることも検討しましたが、生理用品を作る機械が1台10億円。

――そんなに高いのですか。

ハヤカワ はい。70年代から80年代まで、生理用品の企業が国内に30社ほどあった時期があって、当時はもう少し安く作れたらしいんです。でも、今は親会社が同じところを1社と数えると、2、3社しかないんですよ。

 生理がある人の人口も減ってきていて、そもそも需要が減っている。だから、オーダーメイドのような形で機械を作ると、10億はかかるそうなんです。

 そこから、海外製品の輸入や、既存製品のバラ売りも検討したのですが、薬事法の壁にぶつかりました。

――他国よりも、日本のほうが規制は厳しいのでしょうか。

ハヤカワ 薬事法に限らず、規制全般が厳しいです。それに、規制が作られるのが他国よりも早かったので、古くからの規制が残っていたりもする。

 たとえば、日本独自の規制に、生理用ナプキンの肌に触れる面は白くなければいけないというのがあります。だから、日本の市場には一度漂白しているものしか出回っていません。

 輸入するにも、生理用品導入の検査が厳しくて、認可に時間がかかります。バラ売りも、密閉されている商品の外の袋を破ると薬事法に触れてしまうので、断念しました。

――それだけ試行錯誤をしても、八方塞がりだったのですね。

ハヤカワ 正直頭を抱えましたが、そこで、自分たちだけでやるのではなく、周りの人たちを巻き込みながらやろう、と方向転換しました。

 大きな成果があったのは、生理がある人向けに取ったアンケートです。1日で回答が6500件集まって、現時点では7000件分のデータがあります。

7000件のアンケート回答で気づいたこと

――アンケートからは、どのようなことが見えてきたのですか。

ハヤカワ 一番分かって良かったことは、寄せられてくる悩みに、既存商品で解決できるものが多かった、ということ。

 たとえば「ショーツタイプのものが欲しい」という声がありましたが、実はすでにあるんですよ。「流せる商品がいい」という意見もあったのですが、今はなくても、実は過去にあった。

――どちらも知らなかったです。

ハヤカワ 「むれる」という悩みも、ナプキンにこだわらなければ、実はむれない商品がたくさんある……そういった感じで、既存商品でも十分ニーズに応えられる、課題解決できることがわかったんです。

 当初は自社製品を開発することにこだわっていたのですが、アンケートの結果を見て、もしかして既存商品を適切に比較して、買える場を作るほうが重要なのかな、と。日本の生理用品って、もともと品質は素晴らしいので。そこから、セレクトショップを作る、という方向に舵を切りました。

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