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【トイザラス】、ビジネスモデル2.0で復活!体験型はマイナスイメージでも継続可能か?



■企業清算で昨年、全店を閉鎖したトイザラスが復活する。トイザラスの商標権を保有するツルーキッズ(TRU Kids)は18日、IoTのショールームを展開するベータ(B8ta)と提携してトイザラスを2店舗オープンすることを発表した。

トイザラス2.0とも言われる新生トイザラスは、ベータと同様にクラウドファンディングなどで開発された商品を子供がデモンストレーションできる体験型店舗となる。

トイザラスの出店先はテキサス州ヒューストン近郊にあるギャラリアSCとニュージャージー州パラマス地区にあるウエストフィールド・ガーデン・ステート・プラザSC。広さは6,500平方フィート(180坪)程度となる見込みで以前の店舗の3分の1以下となる。オープン時期はクリスマス商戦に合わせて11月頃となる。

再生するトイザラスは以前のロゴを使用しマスコットでキリンの「ジェフリー」等、なじみのキャラクターがそろう一方、ベータの社名は明かさないという。

 小売業界の改革を目標に掲げるベータでは、IoT製品をお店の棚に並べる棚貸し代「スロッティング・フィー(Slotting Fee)」で利益を得るビジネスモデルをとっている。

食品メーカーがお店の棚に商品を置かせてもらうためにお金を払うスロッティング・フィーはスーパーマーケットでよく行われている商慣習。IoTメーカーはベータに展示スペースを借りる形で出品することになる。

賃貸料はその広さにもよるが1ヶ月2,000ドル~というわかりやすい価格設定となっているのも特徴だ。その代り売上の100%はメーカーが得ることができる。

また、ベータの店内にあるカメラから割り出した顧客行動等、販売データも共有できる仕組だ。

ベータは現在、ニューヨーク・ハドソンヤードSCやサンタモニカ・プレイスSCなどのショッピングセンターにメイシーズ旗艦店のヘラルドスクエア内など17ヶ所に出店。

2016年10月にはホームセンターのロウズと提携し、ロウズの70ヶ所の店内に「スマートスポット・パワード・バイ・ベータ(SmartSpot powered by B8ta)」として、ストア・ウィズイン・ストア(store-within-a-store:店舗内店)形式での展開も行っている。

ベータによると、これまで展示したIoT製品の約400ブランド中、すでに18%が破産等でなくなっている。

 なおベータ化した新生トイザラスは2020年末までにその他10店舗を新設する計画がある。年内に開業する2店舗よりも広い1万平方フィート(約280坪)程度という。

 トイザラスは2017年、ウォルマートやアマゾンなどの競合からの攻勢により破綻し、昨年中にアメリカ国内の全735店を閉鎖した。

トップ画像:閉店セールも終わり、光が消えたトイザラス。新しいトイザラスは小型で体験型となる。
 
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ベータ(B8ta)のビジネスモデルはスタンフォード大学の社会学者のエベレット・ロジャース氏が提唱したイノベーション理論を基にしています。イノベーター理論は新しい発想や技術を元に登場した製品やサービスなどの市場普及に関する理論です。

新しい製品・サービスが市場に受け入れられる時の客層の流れを示したものと言えます。例えばアイフォンやアイパッドなどが世に出た当初、スマホにすぐに飛びついた人からずっとガラケーを使い続けていた人、最近になってアイパッドをやっと購入する人がいます。新製品に対する態度は人それぞれであり、その違いを明らかにしたのがイノベーター理論です。

イノベーター理論には5つのタイプがあり、新しいものを積極的に試そうとするイノベーター(全体の2.5%)、イノベーターの次にトレンドに敏感なアーリーアダプター(13.5%)、アーリーアダプターを確認して購入するような比較的慎重な人たちとなるアーリーマジョリティ(34%)がいます。

⇒さらに石橋をたたいてもすぐには渡らないような比較的懐疑的なレイトマジョリティ(34%)、周囲が使っても気にも留めない保守的なラガード(16%)がいます。ベータではIoTメーカーに場所貸しをすることでイノベーターとアーリーアダプターに新製品のアクセスを良くすることでビジネスを成り立たせているのです。

ただしベータで展示されているほとんどの製品はアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にある「溝」を意味する「キャズム」を超えられず、市場から消えていきます。トイザラス2.0ではベータのビジネスモデルをオモチャに応用するのです。体験型店舗は素晴らしいアイディアのように思えますが、問題は子供を相手に遊ばせながら試用させるということ。

プレイスペースで遊び放題で散らかすだけでなく高価なオモチャを壊すこともためらわない相手です。せっせと片づけて掃除したり(清潔さ)、新たにデモンストレーション用のサンプルを用意したりでコストがかかるように思うのですが...

⇒しかも最近のオモチャには卵から孵化する「うまれて!ウーモ」や水で洗ってぬいぐるみになる「フー・アー・ユー」があり、一度きりしか遊べないモノもあります。体験型店舗にサンプルを置くのに不利なオモチャも結構あるように思います。一番の問題はトイザラスのイメージ。子供を持つ親なら、トイザラスがウォルマートやアマゾンなどの競合店に敗れて破たんに追い込まれ、さらには全店スクラップにしたことを知っています。

閉店セール時に慌ててギフトカードを使って買い物したり、一部には使おうと思っていたトイザラスのギフトカードが無価値になっていたという人もいるでしょう。頓挫したトイザラスには「危うさ」という負のイメージがついています。イメージの問題では、少しでも身体に悪いと「思われる」ものを子供には与えないし、食べさせないという若い親はかなりいます。特に若い女性は、このイメージに弱い。イメージで売れるからファッションが売れるのです。小さな子をもつ若い母親はトイザラスにはなかなか足がむかないのでは思います。

 マイナスのイメージをもつトイザラスが新たなビジネスモデルの採用で、子を持つ親にどれだけ支持されるのかは興味深く見ていきたいですね。

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