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それでも私は、「いま」を越えて海王星に辿り着きたい

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宇宙 (福音館の科学シリーズ)
作者: 加古里子
出版社/メーカー: 福音館書店
発売日: 1978/11/15
メディア: 大型本
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 私は、就学年齢が終わってからの人生は惑星探査機の旅のようなものだと思っている。
 
 惑星探査機がロケットの力を借り、大地を蹴って旅立つ時、その行先はどことも知れない。地球を巡る軌道に乗って人工衛星になるのかもしれないし、水星や太陽、木星や土星を目指して飛んでいくのかもしれない。なんにしても、打ち上げられたばかりの行方は傍目にはわからない。
 
 だけどロケット打ち上げの時点でどこに向かって飛んでいくのかはある程度決まっているし、いったん目標に向かって飛び始めると、簡単には目標を変えられない。たとえば、火星を周回する軌道に入った惑星探査機が、そこから急に他の惑星を目指そうとしても簡単ではない。
 
 人生だってそうだ。教師という目標、獣医という目標、Bさんの配偶者という目標を選んだ後、おいそれと他の目標を選ぼうとしても簡単にはかなわないことが多い。あらかじめ次々に転職することを前提としている人なら、仕事という面では融通性が利くかもしれないけれども、それだって加齢というファクターによって次第に選択の余地は狭くなっていく。
 
 そう、人生は惑星探査機、それも太陽系の外に向かって飛んでいく惑星探査機に似ている。加齢によって後戻りが利かなくなる、という意味において。

もう少しだけ飛んでみたい。そして「海王星」に辿り着きたい

kaigo.homes.co.jp

 こんな事を書きたくなったのは、上記リンク先「人生のピークを過ぎ、ぼくは「未来のためだけに生きる」のをやめる」を読んだからだ。
 
 リンク先のいぬじんさんは、人生のピークを過ぎた今、輝かしい未来のために現在を犠牲にするような生き方はやめよう、と述べている。
 
 これは、40代も半ばを迎えている私にとって実感の沸く文章だった。もう、それなり自分の伸びしろも見えていて残り時間も計算できてしまう四十代になって、未来のために現在を見失うような生き方はできない。仕事にしろ、子育てにしろ、現在をこそ踏みしめて生きなければならないし、そう生きることに価値がある、と感じている自分がいる。
 
 これが20代~30代の前半だったら、もっと輝かしい未来へ・もっとお金や社会的地位が得られそうな人生へと夢見て、そのために努力する意識が勝ったように思うけれども。
 
 ともあれ私にとって伸び盛りの季節は(たぶん)終わった。宇宙探査機のボイジャー2号に喩えるなら、私はもう、土星や天王星を通過したぐらいの年齢に辿り着いてしまったと思っている。私はインターネットの遊び人精神科医として、自分がやりたかったことを、やるべき年齢の時にやったと思っている。

逆に言うと、そこまでやって到達したここらへんが私の器量の輪郭なのだろう。私自身にとっての土星探査や天王星探査に比喩されるミッションをこなしてなお、私はもっと強い光を放つインターネットの偉人たちを越えることはできなかった。もちろんやれるだけのことはやったし、やったという手応えもあるのだけれど。

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