- 2019年07月19日 09:15
至高の「メモ帳」をスマホだけで作る方法 音声入力でなんでも放り込んでおく
1/2スマートフォンの「メモ帳」を活用できているだろうか。「超整理」シリーズなどで知られる野口悠紀雄氏は、「音声入力とグーグルドキュメントを組み合わせることで、無限といっていい量の情報を扱えるようになる」と説く。そのやり方とは――。
※本稿は、野口悠紀雄『「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■グーグルドキュメントをメモ帳とする利点
近年、AIの技術を個人も使えるようになってきました。AIによる音声入力機能や画像認識機能などをスマートフォンで利用できるようになったのです。ITの活用によって生産性が向上したように、AIをうまく利用すれば、仕事も生活も大きく変わることでしょう。ただし、新しい技術を使いこなすためには、これまで習慣的に行ってきたPC(パソコン)やスマートフォンの使い方を大きく変える必要があります。
私は、2015年頃から、原稿やメモを書く際に、音声認識を用いてグーグルドキュメントに入力する方式を採用していました。グーグルドキュメントとは、グーグルが無料で提供する文書などの編集ソフトです。書きかけの原稿は自動的にクラウドに上げられるので、どの端末からアクセスしてもその原稿を閲覧・編集することができて、大変便利です。
ところが、文書が増えてくると、これらをどのように管理したらよいかが、重大な問題になってきます。ファイルの名前は必要なファイルを見いだすための重要なキーですが、ファイル数が多くなると、これだけでは目的のファイルを引き出すことができなくなります。
■「ファイルがいくら増えても気にしない」方針転換
グーグルドキュメントに書いていたのは、主として、作成途中の原稿やメモでした。そこで、ファイル名で引き出しやすくするために、完成原稿にまで至ったものや使用済みファイルは、できるだけこまめに削除していました。しかし、数が増えてくると、削除作業が追いつかなくなってきます。グーグルドキュメントでは、削除は面倒な作業なのです。
そこで、「捨てる努力をやめて、検索で目的のファイルを引き出す」「ファイルの数はいくら多くなっても気にしない」という方針に転換したのです。すると、用途が一挙に広がりました。それによって誕生したのが、「超」メモ帳です。
スマートフォンにデフォルトで入っているメモ帳のアプリではなく、グーグルドキュメントをメモ帳とすることの明らかな利点は、データがクラウドにあるため、どの端末からもアクセスできることです。スマートフォンのメモ帳にも「共有」という機能がありますが、共有するには操作が必要です。大した手間ではありませんが、操作が必要なことは間違いありません。それに対して、「超」メモ帳の場合には、まったく何の操作もせずに共有ができるので、便利なのです。
■紙名、日付、見出しだけを音声入力で残しておく
「超」メモ帳のさまざまな利用法を紹介しましょう。
(1)アイディアメモ

私は、これまでも、グーグルドキュメントを、原稿やメールの下書き以外に、脈絡もなく浮かんでくるさまざまなアイディアを記録するためにも使ってきました。また、生活上の雑事を記録するメモ帳としても使っていました。「検索で見いだす」という方針転換をすることで、こうした類いの利用が大変便利になりました。
思いついたことを何でも書き留めます。いくらでも書くことができ、しかも、必要になったときに、それらをただちに、確実に引き出せます。
さらに、つぎのような用途に拡張するようになりました。従来は、「書きかけ原稿」という「材料」や「仕掛品(しかかりひん)」の一時的な置き場としての性格が強かったのですが、新しい利用法では、文書や資料のアーカイブとしての性格が強くなりました。
(2)新聞記事の見出しの記録
保存したいと思う新聞記事について、「紙名と日付、そして見出しだけを音声入力で残しておく」という方法が考えられます。この作業は、新聞を読みながら、片手間でできます。そして、新聞紙自体は捨ててしまいます。記事自体は、ウェブを検索すれば入手できるからです。私は、新聞記事の見出しを、アイディア製造リスト、問題発掘リストとして使っています。
(3)TODOリストや携帯品メモ
TODOリストもスマートフォンにデフォルトのものが付属していますが、先にメモ帳について述べたのと同じ理由(クラウドに保存されるので、どの端末からも見られる)から、グーグルドキュメントに作っておくほうが便利です。
また、書籍などの買い物リストや、日常的な外出時や旅行の際に携帯すべきもののリストも、作っておくとよいでしょう。さらに、記録のアーカイブ(パスワード、ID、重要書類の番号、体重や血圧などの記録)とすることもできます。
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