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YOSHIKI、エリザベス女王にスカーフが直撃!英メディアはどう報じたか

2019年6月23日、イギリス訪問中だったロックバンドXJapanのYOSHIKIのスカーフがエリザベス女王の肩にかかる事件が発生し、日英のメディアが報じて話題となった。

発生場所は英南部サリー州ウィンザー・グレート・パークにある、ガーズ・ポロ・クラブ。馬好きのエリザベス女王は、ポロの試合「ロイヤル・ウィンザー・カップ」を観戦するために貴賓席の最前列に座っていた。女王の右後ろにいたのが、YOSHIKIだ。黒のスーツに身を包み、首には同じく黒色で細長いストール状のスカーフを巻いていた。

女王が立ち上がって前進すると、風の動きでYOSHIKIのスカーフの裾が女王の右の襟もとにかかってしまった!あっと驚くYOSHIKI。そばにいた女優ジリアン・アンダーソンも、思わずあんぐりと口を開けた。

「まずい!」と思ったらしいYOSHIKIがスカーフに手をかけるとすぐに女王の襟元から元の位置に戻った。女王は何事もなかったかのように階段を下りて行った。

動画によると、軽量のスカーフが襟元に落ちた格好となったので、女王は何かが起きたことさえ認識していなかった節もある。黒い色が一瞬目に入り、消えた…感じだろうか。

日本ならヘイト攻撃に?英国ではほほえましいエピソードに

それにしても、イギリスの元首エリザベス女王の衣服に自分の衣服の一部が「飛んで」しまうほど、外国人ゲストのYOSHIKIが物理的に近い位置に座っていたこと自体に、多くの人は驚いたのではないだろうか。

日本では、著名なロックスターとはいえ、YOSHIKIが天皇陛下や皇后のこれほど近くに座り、スポーツ観戦をすることを想像するのは難しい。しかも、身に着けていたスカーフが陛下や皇后の衣服にひっかかったら・・・・。日本中は大騒ぎとなり、YOSHIKIへのヘイト攻撃がすごいかもしれない。

しかし、スカーフ事件が発生したのはイギリスだ。王室が風刺の対象になるのが日常茶飯事の国である。女王自身も、これぐらいのことで動じた様子はない。日英間の問題にはならなかったのである。

今回の事件をデイリー・メール、インディペンデント、ロンドン・イブニング・スタンダードなどが続々と伝えたが、「スカーフが女王の体に落ちた」ことよりもむしろ、YOSHIKIやアンダーソンの慌てぶり、驚きぶりが面白がられ、ほほえましいエピソードとして報じられていた。

ディナーで“左隣”に座ったら?王室のルールあれこれ

数多くの公式行事をこなすエリザベス女王には、外国からのゲストをもてなす・接見する機会が多々ある。

イギリス人および外国人ゲストと一緒に室内にいたり、戸外に出ていたりする場合も多いのだが、女王と会う一般市民はいくつかの決まりを守る必要がある。

まず、挨拶をする際には女性は片方の足を後ろにやってしゃがみ込むように会釈し、男性は頭を下げる。呼びかける時は「女王陛下(HerMajesty)と言い、2回目からは「マーム(Ma’am)」(「マダム」の意味)になる。

自分の方から話しかけてはならず、女王が手を出したら握手するが、自分の方から手を差し出してはいけない。

また、女王の体に障るのはご法度だ。

英王室は約1000年の歴史があり、中世の時代から国王・女王は神によって統治権を持つと考えられてきた。17世紀の国王と議会の闘争を経て、議会制民主主義・立憲君主制が確立していくのだが、それでも、「神として接することが求められる」伝統が若干残っている(王室の歴史家である、ロイヤル・ホロウェ大学のケート・ウィリアムズ博士)。

もしディナーで隣に座ったら、どちら側に自分が座っているかも重要だ。ディナーの最初のコースの時に、女王はまず右側に座っている人に話しかけ、次のコースで左側に座っている人に話しかける。これを無視して左側に座っているのに、自分から話しかけてはいけない。

室内から先に退出するのは、いつも女王だ。彼女が退出する前に自分が退出はできない。

また、女王に自分の後ろ姿を向けてはいけない。失礼に当たるからだ。

ミシェル・オバマ前米大統領夫人も過去にルール破り

女王の体に触るのはご法度だが、タブーを冒してしまった著名人・政治家が何人かいる。

1992年、当時のオーストラリア首相ポール・キーティングはエリザベス女王の背中に手を置き、英新聞界は「オズのトカゲ(LizardofOz)」というニックネームをつけた。児童文学作品でのちにミュージカルや映画になった「オズの魔法使い」のもじりだが、「オズ(Oz)」には「オーストラリア、オーストラリアの」という意味がある。

2000年には、当時オーストラリア首相だったジョン・ハワードが女王に腕を回してしまい、09年にはオバマ米大統領(当時)の妻として訪英したミシェル・オバマ夫人が女王と話をする中で、背中に手を回してしまった。

自然な手の動きに女王自身は驚いた様子はなく、自分自身、ミシェル夫人の腰を片手で抱くようにした。この時、夫人は王室のルールを破ったことに気づいていなかった。

今年4月、自伝「ビカミング」の販売のためロンドンにやってきたミシェル夫人は、この時のことを報道陣に質問された。もしまた女王に会う機会があったら、同じことをするだろうか、と。

あの後、国際舞台での経験を積んだミシェル夫人は、公式な場でどのように手を動かすべきかを学んだという。しかし、「あの時は、あれでよかったと思う。あれが人間らしいふるまいだったから」。

2017年、ルール破りをしたのはカナダのデービッド・ジョンストン前総督だった。

ロンドンのイベントに女王とともに出席したジョンストンは、イベント終了後、会場の建物から女王と一緒に外に出た。階段にはカーペットが敷かれており、「滑りやすそうだったから」、ジョンストンは階段を降りようとする女王の左の肘にそっと手を添えた。

儀礼を冒していることは承知していたが、「転ばないように」という気づかいをしたのだった。

ルール破りをして女王の体に触れても、破った人々に何らかのお咎めがあったわけではないようだ。

現在93歳のエリザベス女王。移動の際にはけがをしないようにと、今後何らかの支援をしようと手を伸ばす人がこれからも出てきそうだ。

YOSHIKIの場合、女王の体に触ったわけではなく、スカーフが女王の襟付近にかかっただけだった。彼とその側にいた女優の驚く様子が面白かったので、英メディアは報道した。

思わず微笑むような話として伝えられ、変なニックネームで呼ばれるようなこともなく、本当に良かったと思う。

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