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ドル6─12%過大評価、貿易摩擦に危機感=IMF年次報告


[ワシントン 17日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は17日、年次の「対外部門の安定性に関する報告書」を公表した。ドルについては短期のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づき6─12%過大評価されているとの見解を示した。一方、ユーロや円、人民元は基礎的条件に沿った水準だとした。

トランプ米大統領は、ドル高が米輸出の弊害になっていると主張。欧州連合(EU)や中国の政策について、通貨安を誘導していると非難している。

報告書は、経常黒字がユーロ圏のほかシンガポールなど他の先進国に引き続き集中しており、その一方で米国や英国、新興国では経常赤字が続いていると指摘した。

純債権ポジションは、世界の国内総生産(GDP)の約20%に増加し、過去最高水準に上昇。1990年代初頭から約4倍増となった。純債務ポジションは横ばいだという。

各国による最近の貿易政策については、世界の貿易フロー圧迫、信頼感の低下、投資減退を招いていると分析。これまでのところ、対外不均衡の反転に影響していないとした。

報復関税の応酬ではなく、黒字国と赤字国ともに改めて貿易自由化に取り組み、ルールに基づいた多国間貿易システムを強化すべきだと訴えた。

その上で、「貿易摩擦の激化や無秩序な英EU離脱、それに伴うさらなる世界経済への余波やリスク回避が、外需と海外からの資金に大きく依存する他国経済に影響を与える恐れがある」と指摘した。

また、米英などの赤字国は成長に配慮したやり方で歳出を抑制すべきだとし、ドイツやオランダ、韓国など大幅な黒字国は公共インフラ投資を増やし、過剰な貯蓄を抑えるべきだと促した。

ユーロについては、ユーロ圏全体としては適切に評価されているとする一方、ドイツにとってはその基礎的条件を踏まえると実質有効為替レートが8─18%過小評価されているとした。

人民元はおおむね基礎的条件に沿っているが、中国政府の政策見通しが不透明なため、評価に大きな幅が出るとした。

IMFのゴピナート主任エコノミストは記者団に対し「すべての国が貿易をゆがめる政策を回避することが必要。関税の引き上げは消費者負担を増やし、世界貿易や投資、経済成長を圧迫するほか、サプライチェーン(供給網)の障害にもなる」と述べた。

同氏は米中の報復関税合戦が2020年の世界経済成長を0.5%下押しするとの見通しを改めて表明。世界貿易の伸びが鈍化する中で、貿易摩擦は製造業ばかりでなく世界の貿易システム全体に悪影響を及ぼしているとの見方を示した。

また米政府が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]を輸出管理規則に基づく禁輸措置対象に指定したことを例に挙げ、こうしたハイテク企業を絡む紛争は世界的な供給網を破壊したり、投資や生産性への懸念を助長しかねないとした。

*内容を追加しました。

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