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ヨコワとスギ~若年層を浪費する日本

スーパーマーケットの鮮魚売り場に並ぶ刺身の舟。たまに見かけるのがヨコワだ。

ヨコワとは、クロマグロの幼魚のこと。これは関西の言い方で、関東ではメジというらしい。明確な定義はないが、重さ30キロ未満、3歳魚までのマグロの別名だ。マグロも出世魚であったか。30キロ未満というが、実際に出回っているのは見たところ数キロだろう。そんなに大きくない。ただ30キロ未満のマグロは未成熟な個体だから幼魚であり、卵も生んでいないはず。

味は、マグロ(成魚)と比べて脂が少なめで、さっぱりしている。それを好む人もいるが、値段はぐっとお安い。マグロとは肉質が違うことに加え、漁場が近くてわりと獲りやすいうえに、一度に獲る量が多いので水揚げ量としてはだぶつきやすい。それに扱いは雑になって質が下がるから……という。悪循環だ。

以前はそんな幼魚を獲ることはなかった。ヨコワ、メジが一般消費者の手元に届くようになったのは、わりと近年のことだ。


なぜなら大型の成魚が減って獲れなくなってきたから幼魚まで獲るようになったのだから。しかし幼魚を獲れば獲るほど、成魚になる魚は減ってしまう。だから止める、のではなく、さらに幼魚を獲る……。

それは最近ではサンマでもやってくる。脂がのって大きく育ったサンマが秋に獲れなくなってきたら、なんと漁期を決めずに周年獲っていいよ、と水産庁が言い出したのだ。結果として小さな脂も少ないサンマを春先から獲っている。秋のサンマはいよいよ獲れなくなるだろう。

ちなみに太平洋クロマグロの場合、1980年代に60年代に比べて1/10近くにまで資源量が減ってしまった。その後も低位安定というかじりじり減っているのだろう。国際機関でも資源量が問題になり、2014年からは30キロ以下の小型魚(ヨコワ)の捕獲制限を始めている。日本は本気で守っているのか知らんけど。

……というような記事を読んだ。なるほど、漁業と林業は相似形だな、と思えた。

日本の林業も、同じことをやっているのだ。樹齢数百年、成熟するのに少なくても150年はかかるとされるスギを、50年60年で大量伐採しているのだから。だが、それでは大径木材は得られない。また材質も落ちる木材を出回らせる。ただ量だけを出すから市場でだぶついて価格は下落……。そこで利益を確保するためにより大量に伐る、という悪循環。

森林資源はたっぷりあると言いつつも、実は大径木・長大材はすっかり減ってしまった。材質のよい木材も減少している。大トロ材質のスギは少なくなった。

日本人は、未成熟な資源を無駄に消費するのが好きらしい。そういや国民だって、若年層を痛めつけているな……。

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