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2019年参議院通常選挙を迎えて【15】(「安倍改憲に反対する立憲野党への投票」の二重の意義)

(1)安倍「4項目」改憲(明文改憲)は、実は、「7項目」改憲です
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51914052.html)。
すなわち、
①単に自衛隊を明記するだけではなく、他国を衛る権利であり法的または政治的義務でもある集団的自衛権の行使を無制限に「合憲」にするものです。

②民意を歪曲する憲法違反の衆議院小選挙区選挙・参議院選挙区選挙を憲法が前提にしているかのように思わせて両選挙を「合憲」にし、選挙区間における投票価値の平等を実現せず不平等であっても「合憲」にするものです。

③都道府県を廃止して都道府県から自治権を剥奪し、実質的な住民自治を否定する道州制への移行を「合憲」にするものです。

④教育無償化を口実に、公立学校の教育への国家(政権)介入を「合憲」にするものです。

⑤違憲ではない私学助成を「合憲」にするとの口実で、私立学校の教育への国家(政権)介入も「合憲」にするものです。

⑥自然災害のときだけではなく戦争のときにも内閣に立法権を付与し、三権分立制を骨抜きにするものです。

⑦自然災害のときだけではなく戦争のときにも衆参の国政選挙を先送りすることを「合憲」にし、運用次第で名実ともに独裁国家にするものです。

これが安倍改憲の内実です
(詳細については、上脇博之『安倍「4項目」改憲の建前と本音』
日本機関紙出版センター・2018年、を参照)。

(2)今回の参議院選挙では、その選挙結果次第では、すなわち、参議院の改憲勢力が「3分の2」を下回れば、明文改憲が事実上不可能になります。
参議院の改憲勢力が「3分の2」を維持すれば、明文改憲の可能性が残ります。

したがって、立憲野党のいずれかの支持者で、上記の安倍改憲そのものに反対する有権者は、”今回の参議院選挙でも”、当然のように、改憲政党である自民党・公明党・日本維新の会ら以外の立憲野党及び(または)その候補者に投票することでしょう。

(3)また、改憲政党である自民党・公明党・日本維新の会等の支持者全員が安倍改憲に賛成しているわけではないことは、
マスコミの世論調査で明らかになっています。
自民党・公明党・日本維新の会等の支持者の中にも安倍改憲に反対する有権者は相当数いるからです。

したがって、自民党・公明党・日本維新の会等の支持者であっても安倍改憲に反対する有権者は”少なくとも今回の参議院通常選挙だけ”は、立憲野党及び(または)その候補者に投票する必要があるのです。

というのは、今回の参議院通常選挙で改憲勢力が「3分の2」以上を確保すると、今の衆議院は改憲勢力が「3分の2」以上を確保しているので、改憲勢力は21日選挙後、憲法改正の原案を国会に提出し、衆参いずれも「3分の2」以上の多数で改憲案を発議し、憲法改憲の国民投票を実現しようとするからです。

安倍自民党総裁(首相)は、すでに「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と公言してきましたから、21日の選挙で改憲勢力が「3文の2」以上を確保すれば、速やかに明文改憲へと走り出す可能性が極めて高いからです。

国民投票には発議から最低2カ月を要し、国民投票が「賛成」多数で成立しても施行まで一定の期間(例えば3カ月または6カ月)が必要なので、2020年中に改憲施行となると、今年(2019年)中に改憲の原案を国会に提出したいと考えるからです。

安倍自民党らは決して明文改憲を先送りすることはないと受けとめるべきです。

(4)国民の多数は安倍改憲に反対する意見が多いから改憲の国民投票になっても安倍改憲は阻止できる、と思う者があるかもしれませんが、しかし、国民投票になると、現状では、自民党をはじめ改憲政党・議員は巨額の使途不明金を投入できてしまいますし、内閣官房長官も官房報償費という使途不明金を投入できてしまいます。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51924116.html

買収に使われるなどして改憲が「過半数」の賛成で成立する恐れがあります。
少なくとも使途不明金が買収に使われないという歯止めは現時点ではないのです。
CM規制が実現して公平さが確保できたとしても、その歯止めがないと公正さは確保できません。

また、公職選挙法の買収と違い、国民投票における買収は犯罪としては限定されすぎているからです。
さらに、買収を理由にして国民投票の結論をひっくり返す裁判を提起することは、提訴期限が「30日以内」と短いので、事実上不可能です。
(詳細については、前掲の、上脇博之『安倍「4項目」改憲の建前と本音』を参照)

(5)したがって、自民党・公明党・日本維新の会等の支持者であっても、安倍改憲に反対する有権者は”少なくとも今回の参議院通常選挙”では立憲野党及び(または)その候補者に投票する必要があるのです。

(6)さらに、自民党・公明党・日本維新の会らの支持者で、安倍改憲に賛成する有権者であっても、今は、医療・年金・介護など社会保障、景気・経済政策、子育て・少子化対策などを優先すべきだと考える有権者も、今回の参議院通常選挙では立憲野党及び(または)その候補者に投票するしかありません。

前述したように、改憲勢力は「3分の2」以上を確保すると選挙後、明文改憲に走り出し、国会の論戦は改憲論議一色になり、社会保障、景気・経済政策、子育て・少子化対策などの議論は与党は後者の議論を回避したがるので低調になりかねないからです。

(7)言い換えれば、参議院で改憲勢力が「3分の2」を下回れば、国会は、医療・年金・介護など社会保障、景気・経済政策、子育て・少子化対策など国民にとって不可欠で喫緊の重要課題のための政策論議ができるようになるのです。

社会保障、景気・経済政策、子育て・少子化対策などを国会できちんと議論してほしいのであれば、有権者は改憲勢力に「3分の2」以上を獲得させない投票をするしかないのです。

さあ、選挙後の国会は、国民の生活を守るための議論のできる国会にしましょう。
それを可能にする投票をしましょう。

(つづく)

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