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富裕層がエルメスのバッグを買う真の目的

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親子2代で使えるのならもはや“資産”

ブランディングの成功だけでなく、私がすごいと思うのが、バーキンはデザインが発売当初からあまり変わっていないということです。流行の浮き沈みの激しいこの業界において、同じデザインで30年以上たっても世界的に供給不足の状態にある商品は稀です。

ですから、デザインが安定していて、希少価値があり、根強い需要も世界的にあり、結果として価格が上がり続けているバーキンは、消耗品になりがちなバッグでありながらも資産として認識してもよいのではと思うのです。

バーキンを親子二代で使える資産として考えてみては、どうでしょうか。バーキンの価格が現在200万円程度だとします。今200万円を子どものために貯金しておいても、為替変動やバーキン自体の値上がりで、20年後にバーキンを買おうにも200万円では買えない可能性もあります。それならば、今、購入して、大事に使ったバーキンを20年後に子どもに譲った方が賢いのではないでしょうか。

単純計算で20年後には2800万円に?

バッグハンターの調査による発売からの14.2%という年率価格上昇率が、向こう20年間続くとしたら、20年後の新品のバーキンの価格は2800万円です。にわかには信じられない価格ですが、同じように数千万円になったスイス製の時計も存在しますし、あり得ない話でもないかもしれません。

バーキンは、無駄遣いではなく「資産形成している」という確かな実感を持てる上に、「バーキンを持っている」という優越感に浸ることもできます。さらには流行にとらわれないファッションも身につけられるとは、なんてマルチなバッグなのでしょう。

今後も価格上昇が続くとしたら、ますます手に入りにくいバッグになるので、買うなら今かもしれません。200万円のバーキンを持つことで、流行を意識する必要もありませんし、他のバッグを買いたい気持ちもどこかに消えてしまうでしょうから、今後のショッピングへの時間もお金も節約できるという二次効果もありそうです。

もちろんエルメスはバーキンを特別な顧客にしか販売をしないそうですので誰もが買えるわけではありませんが(だからこそ希少価値があるのですが)、自分が持ちたいと思っているバッグで買えるチャンスもあるなら、資産形成も兼ねて検討しない手はないのではと思います。

分割購入は資産価値があるモノだけにする

電化製品でも自動車でも不動産でも、ローンで支払うオプションがあるとして、ローンを使ってよいのは資産価値のあるモノだけです。ローンは支払いを分割することで、初期の費用負担を軽減して買いたいモノを購入することが可能ですが、ローン利用に際しては手数料を支払うことになりますので、実質の支払い金額はローンを使わずに現金で買う場合より多くなります。

では、利息や手数料を払ってもローンを使うメリットはなんでしょうか。それは、現在の生活の経済負担を軽減することができるからです。

例えば、手元の資金を全部かき集めて自宅を現金で購入すると、手持ち資金がなくなり、その後、急に教育費や医療費などが必要になった際に、支払えないかもしれません。そういった場合に備えて、ローンを使うことで、無理のない範囲で頭金を支払い、残りをローンにすることができ、その後の急な支払いの心配が軽減されます。

消耗品にローンを組んではいけない

垣屋美智子『使えば増える! お金の法則―ワクワクしながら資産づくり―』(時事通信社)

資産価値のあるモノにローンを使った場合、金利や手数料は“安心のための保険”ともいえます。資産の代表格の不動産を自宅としてローンで購入した場合、万が一失職などでローン返済ができなくなった場合は、自宅を売却すれば、売却金でローンを返済することが可能です。つまり、資産だからローン購入をして利子を払っても問題ないわけです。

一方で、「消耗品」にローンを使った場合は、どうでしょうか。例えば、PCを購入するのに10年ローンを組んだとします。そのPCが3年で使えなくなっても(=資産価値がゼロになっても)、残り7年間、ローンを支払い続ける必要があります。ですから、価値がゼロになってしまう消耗品に、ローンを組むのはやめた方がよいのです。

特に、社会人になってひとり暮らしを始める人は、テレビや洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなど、消耗品である電化製品をローンを使って、一気に購入することはオススメしません。優先順位をつけて、お給料を使って少しずつ購入していくべきです。

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垣屋 美智子(かきや・みちこ)
HAM 代表
日本生まれ香港育ち。香港で高校を卒業したのち、単身渡米、カリフォルニア大学バークレー校卒業。株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)で役員秘書としてキャリアをスタート。2006年から2016年まで外資系証券会社、外資系運用会社にて株式アナリストとして、テクノロジー企業の業界調査や業績分析に従事。その後、株式会社HAMを創業、代表取締役に就任。経営者や中小企業向けにアセットアドバイザリーを行う。

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(HAM 代表 垣屋 美智子 写真=AFP/時事通信フォト)

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