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韓国からの半導体素材流出、背後に北朝鮮だけでなく中国も

 日本政府が、フッ化水素など韓国向け半導体素材の輸出管理を厳格化すると発表して2週間以上たった。当初、徴用工問題への報復とされたが、日本側は一貫して「徴用工問題への対抗措置ではなく、安全保障上の問題だ」と主張している。

 安全保障の問題とは、北朝鮮への横流し疑惑だ。

 自民党の萩生田光一幹事長代行は、7月4日放送の『プライムニュース』(BSフジ)で、「(化学物質の)行き先がわからないような事案が見つかっている」と発言。

 7月7日には、安倍首相も『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)で、「韓国は北朝鮮に対する制裁をよく守っている、貿易管理を確実にしていると主張しているが、まともに守っていないと思うのが当然だ」と、暗に北朝鮮への横流しを匂わせた。

 フッ化水素は、核兵器やサリンの製造にも使われる。フッ化ポリイミドはレーダーなどに、レジストは軍用機搭載の半導体などに、いずれも転用可能だ。

 韓国の通商担当者は、7月10日、過去4年間(2015年1月から2019年3月まで)で156件の不正輸出があったと公表した。フッ化水素がUAE(アラブ首長国連邦)などに不正輸出されていたが、きちんと摘発されていると話し、「戦略物資が北朝鮮を含む国連決議による制裁国に流出した事例はない」と話した。

 しかし、リストの中には、輸出先としてイランやシリアなど、北朝鮮の友好国が入っている。行政処分した142件のうち、68件は生物・化学兵器関連だったこともわかっている。

 韓国の文在寅大統領は、7月15日、「韓国は輸出規制や制裁規則を忠実に守っており、国連の対北朝鮮制裁に違反しているとの指摘はわが国への『重大な挑戦』である」と訴えた。日韓の主張は平行線のままだ。

 はたして、日本の戦略物資は北朝鮮に流れたのか。現段階でそれを確認するすべはないが、半導体産業に詳しい産業タイムズの泉谷渉氏は、北朝鮮だけでなく、中国へも素材が流出していた可能性を指摘する。

 その根拠は、韓国メーカーがここ最近、次々に中国に建設している半導体工場だ。

 たとえば、サムスンは、陝西省・西安に総投資額1兆5000億円以上をかけて半導体工場を新設した。現在、2期工事がほぼ終了しており、来年から量産開始の予定だ。また、SKハイニックスも、江蘇省・無錫で生産ラインの拡張工事を行っている。

 だが、中国でフッ化水素などが作れない以上、それがどこから持ち込まれたのか疑問は残る。

「現在アメリカは中国に半導体装置や材料の輸出規制をしています。そのため、半導体の材料は、おそらく韓国→北朝鮮→中国と流れているんでしょう。

 韓国では日本から輸入された半導体材料の3~4割が行方不明だという話もあります。これは、北朝鮮が半導体材料を韓国から密輸して軍事転用しつつ、中国に流していたと考えるのが妥当でしょう」

 可能性としては、日本→韓国→中国ルートと、日本→韓国→北朝鮮→中国ルートが想定できるわけだ。

「業界では、アメリカの司法省が、この件について文書で証拠を掴んでいると言われています」(泉谷氏)

 7月16日、韓国大統領府の高官は、徴用工訴訟をめぐる仲裁手続きを受け入れない方針を明らかにした。日本製鉄、不二越に続き三菱重工の資産売却手続きにも入っており、日本政府はなんらかの対応に迫られる。

 徴用工問題への報復措置も含め、日韓関係の停滞はまだまだ続きそうだ。

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