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国民の6割は政党や国会などを信頼していないと回答 日本の政党に課題解決は期待できないとの回答が半数を超える―言論NPOは参議院投開票前に日本の民主主義に関する世論調査結果を公表

言論NPOが、7月21日の参議院選の投開票を前に行った日本の民主主義に関する世論調査では、政党や国会など、選挙によって自らの代表を有権者が選ぶ代表制民主主義の仕組み自体を「信頼している人」は3割に満たず、政治が国民から信頼を失い始めていることが、浮き彫りになっている。

また、日本の将来を悲観視している日本国民は半数近くになっており、日本の政党に直面する課題の解決を期待できないと考えている人は55.2%と半数を超えている。

こうした政治不信の傾向は20代、30代の若い現役世代に特に目立っている。

この世論調査は言論NPOが今年5月から6月にかけて全国の18歳以上を対象に訪問留置回収法で行ったもので、有効な標本は1000人である。

この調査は、言論NPOが、現状の民主主義の傾向を把握するために世界のシンクタンクとも連携して行ったもので、今年で3回目となる。世界の多くの国で民主主義が試練に直面する中で、それに対する国民の意識を把握する、ことに目的がある。

今回の調査では、この日本でも代表制民主主義の様々な仕組みが市民の信頼を失い始め、政治不信の傾向が強まっている、ことが明らかになっている。

日本の民主主義の仕組みに対する信頼

まず、日本社会を構成する仕組みの中で「政党」や「国会」、さらには「政府」や、「メディア」の信頼がかなり低下している。

例えば、「政党」や、選挙で選ばれた政治家が議論し、意思決定を行う現状の「国会」を「信頼できる」と回答したのはそれぞれ22.4%、29.4%と2割台程度しかなく、逆に「信頼できない」は67.6%、60.4%と6割を超えている。

「メディア」や「政府」を信頼している人も少なく、「信頼できる」と回答したのはそれぞれ32.3%、36.4%と3割台程度で、これに対して、「信頼できない」は56.6%、54%とそれぞれ半数を超えている。

こうした傾向を年代別で見ると、政治参加に伴う機能を信頼していないのは、20代に顕著であり、20代で「政党」を信頼できると回答したのは10.9%、国会は13.4%、政府は21%と2割程度以下しかない。

これに対して、国民の信頼を集めているのは「天皇・皇室」が87.1%と圧倒的であり、続いて「自衛隊」、「警察」が77%、71.6%で続いている。


こうした調査結果と関連して、選挙で選ばれた政治家が国会で議論を行い、国会で選ばれた内閣が行政を統括する、現状の日本の代表制民主主義自体を、「信頼している」人も32.5%と3割程度である。これに対して、「信頼していない」は24.4%、「どちらともいえない」が24.6%であり、合わせると半数が、懐疑的な見方を持っている。



民主主義に対する日本人の意識

日本国民の7割は、民主主義の持つ人権や自由という基本的な価値を重視し民主主義は「必ず守るもの」であり、民主主義を機能させるためには「不断の改善や見直しが必要」だと、考えている。

ところが、現在の日本が「民主主義の国か」では、「そうは思えない」「どちらとも言えない」が合わせて4割存在し、さらに現在の日本の民主主義が「機能していない」と考える人も2割いる。こうした傾向は20,30代に目立つ。

この民主主義が機能していない、という層では、最近の安倍政権に起こった事案を背景に「政治に忖度する行政の在り方」を理由にする人が69.7%で圧倒的に多く、「選挙の低投票率」の38.9%と「野党の脆弱化」の32.3%がそれに続いている。


こうした日本の民主主義に懐疑的な傾向は、これもまた20代と30代に目立っている。20代で、日本が「民主主義の国だと思う」と回答したのは38.7%、30代は39.9%と4割を切っており、「民主主義とは思わない」、あるいは「どちらともいえない」という人が、「民主主義だと思う」という層を上回っている。


現状の日本の民主主義を「機能している」と判断している人は55.5%と半数を上回っているが、「機能していない」も19.8%と2割近く、存在する。20代では、機能していると見ている人は42%、30代は47.3%と、半数をそれぞれ下回っている。



日本人の現在の日本の政治に対する信頼

日本の国民は、現状の自分自身の生活に57%と、6割近くが満足しているが、「現状の日本の政治」には、65.4%と7割近くが、日本の現状の政治に満足してない、と回答しており、正反対の傾向を示している。日本の政治に満足していないのは年代別では30代(69.6%)と50代(69.2%)にその傾向が強い。



日本国民の42.7%と半数近くは日本の将来に対して「悲観的」であると回答しており、楽観的であるという人の30.9%を大きく上回っている。その理由では、「急速に進む高齢化と人口減少に有効な対策が見えない」が79.2%と突出しており、「社会保障や年金が安心ではなく、自分の人生の将来が不安」の52.5%が続いている。


【日本の将来に悲観的な理由(2019年)】


日本が直面するこうした課題の解決を政党に「期待できない」とする国民は55.2%と半数を大きく超えており、「期待できる」の22%を大きく上回っている。

特に20代、30代に、政党に課題解決を期待できないという回答が多い。それぞれ「期待できる」はわずか13.4%と15.6%に過ぎず、これに対して、「期待できない」は54.6%、62.2%と4倍程度になっている。

この「期待できない」という理由で最も多かったのは、「政治家や政党は、選挙に勝つことだけが自己目的化し、課題解決に真剣に取り組んでいない」が、60.5%と最も多く、「政党や政治家に日本の課題を解決する能力を感じない」が42.6%で続いている。

政府や官僚に政治を忖度する傾向があり、不明朗な政策運営が見られるは、23.6%である。




世界では人々の不安や不満を利用して支持を広げるポピュリズムが台頭しているが、日本ではポピュリズムが、「既に広がっている」と見る人はわずかに4.8%に過ぎない。

49.9%という半数は「分からない」と回答、残りの半数近くはそうした傾向はまだ日本には見られない、か、一部には見られるが全体的な傾向ではない」と判断している。

ただ、既に広がっているか、一部に広がっているか、と回答した人にその原因を尋ねたが、3割を大きく超えたのは、将来への不安の41.8%、格差の拡大の39.2%、現在の生活不安の33.5%、である。


AIやデジタル技術の発達が、民主主義の未来に与える影響については、日本ではまだ3割近くが、「分からない」と判断がつきかねているが、AIやデジタル技術の発達で、「民主主義の機能が制限される」「民主主義が否定される」という負の影響を心配する見方も3割を超えている。

【AIやデジタル技術の発達は民主主義の未来をどう変えるか】


安倍政権と参議院選挙に対する意識

この世論調査を行った5月から6月で安倍政権を支持する人は39.1%で、支持しない人は33.4%である。評価を決めきれていない人は21.6%である。

日本の一部のメディアは、若者世代に安倍政権への支持が広がっている、と報道しているが、その傾向は、私たちの世論調査では確認できない。

むしろ20代未満や20代は、年代別では最も支持率が低い状況であり、前問までの結果を合わせて判断すると、この層には政治不信が大きく、あるいは政治への理解が十分に進んでいない状況と、考えるべきである。

参議院選では、「日本の将来」こそが、問われるべきとの声が34%と最も多い。消費増税の是非」や「安倍政権の評価」がそれぞれ、20.3%、19.3%で続いている。米中対立が深刻化する中での「アジアや世界における日本の立ち位置」は5.7%だった。「日本の将来」が全体の34%を上回った世代は30代以上であり、20代未満や20代は「分からない」がそれぞれ40%、33.6%と最も多い回答となっている。


 言論NPOは、マニフェスト評価を継続的に行っている日本の非営利、独立のシンクタンクであり、米国の外交問題評議会が立ち上げた世界の20カ国のシンクタンク会議に日本から唯一、選出されている。

調査の概要


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