記事

中小支援の鍵、最賃引き上げ

2/2

全国加重平均での最賃は18年度に874円にまで上がっている。今年の最賃改訂で地域別最賃最高額である時給985円の東京が初の1000円台に乗るのは確実だ。しかし「率」での引き上げ目標(目安)のため、都道府県最高の東京と最低の鹿児島の761円との差は224円と前年の221円からさらに拡大しているのである。

このため共産党は「最低賃金が低い地方から都市への一極集中が加速している」(志位和夫委員長)とし、全国一律最賃制度への転換を求める。この背景には英国人金融アナリストのデービッド・アトキンソン小西美術工藝社社長の提言がある。

氏は「労働者は最賃が高い都市部に移動。地方が衰退する」と他の先進国同様、全国一律への転換を説く。「賃上げによる生産性向上こそ人口減×高齢化のダメージを打ち消す唯一の方法だ」ともいう。

▲写真 デービッド・アトキンソン小西美術工藝社社長 出典:David Mark Atkinson facebook

一律化には地方の中小企業を会員に抱える日本商工会議所は「中小企業に重大な影響が出る」と反発する。自民党内にも一律化を求める議員連盟が発足したが、党全体では現時点では困難という見解だ。

最賃引き上げを公約に掲げる6党は、いずれも中小企業への支援も盛り込んだ。大企業と中小企業との業績格差が急激に拡大している。その要因の1つが、大企業が受ける円安での「ドル建て輸出の円換算」上昇利益が中小に回ってないことだ。

一方では中小企業の大企業への納品価格は切り下げられた。政府は法人税率を引き下げたが「川上インフレ・川下デフレ」のダブルパンチを受ける中小は法人税を納められず、この恩恵も受けられない。

消費不況から脱するためにも大手と中小の二重構造の解消の取り組むべきである。政府は最賃引き上げとセットで、雇用者の7割を占める中小企業への抜本的な支援策を打ち出すべきなのである。

あわせて読みたい

「最低賃金」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。