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被害者意識を焚き付ける人々

お笑いで学び、投票行こう 18歳投票率下位県、芸人が授業 参院選(朝日新聞)

 参院選で若者の投票率を上げようと、お笑いジャーナリストのたかまつななさん(26)が出張授業に取り組んでいる。18歳、19歳が投票できるようになった3年前も同じ取り組みをしたが、投票率は振るわなかった。ネットで資金を募りながら、投票率の低い県の学校を芸人仲間と回っている。

(中略)

 「僕たちお笑い芸人がお客さんの年代を見てネタを決めるように、政治家も投票者の年代で政策を決めているんです」とぶらっくさむらいさん。

 若者が投票に行かなければ、中高年を優遇する政策が通りやすくなる――それを実感してもらうための試みが、生徒たちと一緒におこなう「逆転投票シミュレーションゲーム」だ。

 選挙が近くなると定期的に、こういうことを言い出す人が出てきますが、いかがなものでしょう。まぁ自分が若年層からの支持が相対的に高い党――例えば自民党の関係者であったなら、若者へ積極的に投票を呼びかけるところかも知れません。一方で支持層が中高年寄りの党の支持者はどう思っているのか、興味深くもあります。

 ただ悪質と言いますか論者の思い込みを押しつけているだけと感じられるのは、「政治家も投票者の年代で政策を決めている」云々の行です。まぁレイシストであれば、毛嫌いしている政党と周辺国との関係を実態以上に深いものとして語り、中国や韓国に便宜を図っているように語るのが常です。この「中国・韓国」を「中高年」に置き換えると、こういう主張に繋がると言えるでしょうか。

 実際のところ、中高年を優遇する政策とやらが通りやすくなっているかは不明です。レイシストの頭の中では在日韓国・朝鮮人が不当な利益をむさぼっていることになっていますが、それと同じようなことが、このお笑いジャーナリストの頭の中では現実のものとして存在しているのかも知れません。でも、何か一つくらいは例が欲しいですね。

 そもそも政党が支持層の方を向くこともあれば、逆もあります。往々にして立場の強い党は内向きになりがち、自身の支持層をつなぎ止めようとする傾向が窺えるところです。一方で党勢の拡大を図りたい時には、「外」を向きます。つまり従来の支持層「ではない」人々に向けた政策が多くなることもあるわけです。今の自民党なら内向き傾向ですが、旧民主党の与党時代は、むしろ外向きであった等々。

 「若者の味方」を装う人は多いですが、その大半は高齢者向けとされる政策――福祉などを現役世代の負担として印象づけたがっている人々だったりします。では高齢者向けの福祉を削減すれば若者の得になるかと言えば、それは高齢の親の面倒を見る立場の現役世代の負担増に繋がったりもするものです。世代は繋がっているだけに、なかなか特定世代の優遇というのは難しいと言えます。

 教育費用の一部無償化を若者のための政策と見ることはできますが、専ら学費を負担するのは親世代ですから、その世代向けの負担軽減策とも考えられます。そして(少なからず日本市場が特殊であるのはさておき)一般的には教育水準の向上は国内労働力の質の向上に繋がりますので、産業界のための政策でもあるわけです。

 出身家庭の経済力次第で子供に与えられる機会は大きく左右されますが、これは子世代に向けた政策によって改善を図ることもできれば、親世代の経済状況を良いものにすることでも改善が期待できます。世代は繋がっているもの、特定世代の優遇と言い切れる政策は必ずしも思いつかないのですけれど、それでも世の中には「○○ばかり優遇されている!」と意気込む人々がいるのですね。まぁ、こういう被害妄想家の声を阻止する意味では、投票に行くのは大事なのかも知れません。

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