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文在寅政権こそが日韓産業界の”共通の敵”? 半導体材料輸出規制の背景を読み解く

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 韓国に対する半導体材料の輸出規制開始後、初めての日韓事務レベル協議が行われ、規制の撤回を求める韓国側の代表と経産省との間での議論は5時間以上に及んだ。

 日本側が問題視しているのは、韓国の輸出管理体制だ。世耕経済産業大臣が「(日本を含めた各国は)軍用品への転用が可能な機微技術などの輸出について実効性ある管理を行うことが求められている」と指摘したように、軍事転用可能な戦略物資がロシアなど第三国に不正輸出されたことが発覚しており、その数は150件以上に上っているとみられる。中には日本が輸出を規制しているフッ化水素が密輸された事案もあったといい、一部の物資が北朝鮮に渡った可能性を報じる韓国メディアもある。5日には小野寺前防衛相がテレビ番組で「工業製品に使うのは7割くらいで、残りを何に使うのか韓国は返答しなかった」と指摘している。


 これに対し、韓国の産業通商資源省は11日、「軍事転用が可能な戦略物資の"密輸出"を4年間で156件摘発した」と反論。北朝鮮へのフッ化水素横流しの可能性についても「いかなる証拠も発見できない」と否定している。さらにWTO(世界貿易機関)の理事会では「日本の輸出規制は不当な報復措置だ」と主張、康京和外相はアメリカのポンペオ国務長官との電話会談で「アメリカの企業などにも悪影響を与えかねない」と懸念を伝えている。

 今回の輸出規制措置について、早稲田大学教授の長内厚氏は「正直にいうと、あまり大した問題ではないのではないか」と話す。


 「日本政府が言っている通り、今まで特別に認めていたことをやめました、というだけの話だ。水道の蛇口に例えると、開けっ放しだったところに手をかけたという状態であって、閉めたわけでも、今後すぐに閉めるということもないと思う。だから文大統領の言う"前例なき非常事態"という表現も大げさだというのが率直な感想だ。また、"これからは日本に頼らずに内製する"と文大統領は言っているが、もはや両国どちらか一方だけでものづくりをすることはできない。確かに韓国は日本への依存度が高い一方、中国や台湾にも優遇措置なしで輸出しているので、"韓国でなくても"という思いが日本にはあるが、メーカーの人たちも基本的には対立していないし、一見ライバルに見えていても、共通の部材の値段が上がればお互いに困る。

むしろ日韓の間では利害が一致している部分があって、とにかく手を組んでやっていかないとダメだよね、というのが産業界の共通理解だ。個人的な意見だが、来年の総選挙に向けた韓国国内のパフォーマンスではないかという気がしている。だから日本と韓国の産業界、韓国の野党、前保守政権の共通の敵は文政権なのかもしれない」。

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