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子育て中に正社員を辞めた女性の5割が感じている「職場内対話無力感」

 日本企業では女性が管理職として活躍する機会は多くないが、パーソル総合研究所の調査によると、管理者として働きたいと考える女性の割合は子どもの年齢とともに回復することが明らかになった。

 パーソル総合研究所は、正社員のワーキングマザーが活躍できるようにするために企業が何をすべきか、データをもとに解決策を提示することを目的に、ワーキングマザー調査を実施。その調査結果を「離職編」に続いて「活躍編」として公開した。

ⒸAdobe Stock/Monet



 管理職として働きたい人の割合は出産前で19.6%だが、3歳未満の子どもがいるときで7.7%に低下する。しかし、その後、3歳以上の未就学児の子どもがいるときで10.0%、小学生の子どもがいるときには17.3%と上昇していく。

管理職として働きたい人の割合
ベース:*1 小学生以下の子どもがいる正社員女性(n=900) 
下記*2~4の女性が出産前を振り返ったときの回答を合計
*2 末子が3歳未満正社員女性(n=300)、*3 末子が3歳以上未就学児の正社員女性(n=300)、
*4 末子が小学生の正社員女性(n=300)


 続いて、現在「小学生の子どもを持つ正社員女性」に対して、子どもがもっと成長した将来の段階について考えてもらったところ、管理職として働きたいと希望した人は、5年後の段階(子どもが中学生~高校生のとき)で20.0%、10年後の段階(子どもが高校生~大学生のとき)で23.7%だった。

管理職として働きたい人の割合(「小学生の子どもを持つ正社員女性」の将来の希望含む)
ベース:*1 小学生以下の子どもがいる正社員女性(n=900) 
下記*2~4の女性が出産前を振り返ったときの回答を合計
*2 末子が3歳未満正社員女性(n=300)、*3 末子が3歳以上未就学児の正社員女性(n=300)
*4 末子が小学生の正社員女性(n=300)


 ワーキングマザーの中には、簡易的・補佐的な職務しか与えられず昇進・昇格から遠ざかる「マミートラック」にのせられるケースもみられる。

 企業としては、ワーキングマザーが管理職として働きたい気持ちは一時的に封印されているだけであることを踏まえて、育児期においてもその人の能力やスキルにふさわしい職務と適切な評価を与え、管理職候補として育成する姿勢が求められるとパーソル総合研究所は提言する。

■育休中にやって良かったことは?

 同調査では、育休中の過ごし方で復職後に役立ったことをランキングにまとめている。ベスト5は、1位=復職後の分担について夫婦の話し合い、2位=働く意義の明確化、3位=会社の人との交流、4位=キャリアの棚卸し、5位=ママ友づくりとなった。

復職後に役立つ育休中の過ごし方ランキング
※設問で用意した項目について複数回答の結果をランキング化。
ただし、6位の大学・大学院通学、8位のボランティアは実施者が少なく(n<30)、参考値扱い。


 子どもが3歳になるまでは、家族・親族の家事育児サポートが不十分であることによる離職が多い(【離職編】参照)。1位の夫婦の話し合いは、復職後に夫に家事育児に参画してもらう協力体制を作っておくことで、ワーキングマザーが仕事と子育てを両立しやすくなるため、最も役立ったと感じたのだと考えられる。

 企業の施策としては、産休・育休に入る女性に対して、これらランキング上位の過ごし方を推奨することが考えられる。また、育休中でも職場の人と交流できる機会を設けたり、女性社員の夫の協力が復職後に得られるように配偶者同伴セミナーを開催するなどの啓蒙も有効な施策となりうる。

■「職場が変わらない」と思う無力感

 今回の調査では、自分が声をあげても職場は変わらないと思う「職場内対話無力感」を抱えているワーキングマザーは約4割に達している。正社員を辞めた女性の場合、離職した会社で「職場内対話無力感」を抱えていた割合は5割を超える。

「自分が声をあげても職場は変わらない」と思う割合
「自分が声をあげても職場は変わらない」という設問に対して、
5件法(そう思う/ややそう思う/どちらともいえない/あまりそう思わない/そう思わない)
で聴取。棒グラフの割合は「そう思う/ややそう思う」の回答の合計。


 企業としては、ワーキングマザーに活躍してもらうために、「経営に社員の意見を反映させる」「上司が個々のスキル・能力を活かせるような仕事を与える」など、無力感を醸成しない職場づくりを心掛けるべきだが、ワーキングマザー自身による「職場で個人的な願望を伝えるのはよくない」「子どもがいたらやりたい仕事をするのは無理だと思う」などの固定観念も、この無力感に影響を与えている。

 以下は、声をあげても変わらないと思う「職場内対話無力感」に影響する要因を、「職場要因」「本人の固定概念」に分けて図示したもの。

声をあげて変わらないと思う「職場内対話無力感」に影響する要因

 企業側はワーキングマザーが思い込みで諦めてしまわないように、社員1人ひとりと対話しながら組織に貢献できる働き方や仕事内容を考えるという柔軟な姿勢を明確に示し、まず相談することを促していくことが重要になる。

 ワーキングマザーの活躍にとって、職責・職務に応じた期待をかけること、能力・スキルが発揮できていること、時間あたりのアウトプットで評価されていることが重要であるが、いずれも十分に実現されていない。これはワーキングマザーに限らず、男性も同様にそのようなマネジメントはなされていないとパーソル総合研究所は指摘する。

 以下のグラフにあるように、時間あたりのアウトプットで評価されている人は、時短を取得しているワーキングマザーで24.4%、時短を取得していないワーキングマザーで15.4%にとどまっている。

どのようにマネジメントされて働いているか

【調査概要】
調査手法 調査モニターを用いたインターネット定量調査
調査時期 2019年1月9日~1月17日
調査対象
■子あり・正社員女性
第1子が小学生以下である20~59歳正社員女性。第1子妊娠中に正社員であり産後に復帰した人。
■子あり・正社員を辞めた女性
第1子が小学生以下である20~59歳の元正社員女性。第1子妊娠中に正社員であり産後復帰したが正社員を辞めた人。
■子あり・正社員女性の配偶者(子あり・正社員男性)
第1子が小学生以下である20 ~59歳正社員男性。妻が第1子妊娠中に正社員であり産後復帰して現在も正社員である人。
■子あり・正社員を辞めた女性の配偶者(子あり・正社員男性)
第1子が小学生以下である20~59歳正社員男性。妻が第1子妊娠中に正社員であり産後復帰したが正社員を辞めた人。
■上司
係長・主任相当以上で、自分がマネジメントをしている正社員女性部下に小学生以下の子どもがいる20~59歳正社員。
■同僚
所属している部署の小学生以下の子どもがいる正社員女性と業務上のかかわりがある20~59歳一般社員(正社員)。

有効回収数 2100名
実施主体 株式会社パーソル総合研究所
回収サンプルの内訳(合計2100名)

回収サンプルの内訳


MONEYzine編集部[著]

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