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中古マンション探し まず議事録やゴミ置き場を見るべき理由

外からでは見えにくい中古マンションの管理状況

マンションの大規模修繕計画は予定通りに進んでいるか

ゴミ置き場の清掃状況などで組合運営の質が分かる

 これからマンションの購入を考えている人の中には、価格が高騰している新築を早々に諦め、割安な中古物件を探している人も多いだろう。しかし、中古マンションは立地や価格だけでは測れないことが多く、特に管理状態は外からでは見えにくい。そこで、不動産コンサルタントの長嶋修氏が、中古マンションの良し悪しを見極めるノウハウを伝授する。

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 マンション購入層が求める駅からの距離はどんどん短くなっています。都心7区の中古マンションの場合、5年前には駅から1分離れるごとに1平方メートルあたり売却価格がおよそ8000円下がっていました。それが今では1万8000円以上も低下しています。

 たとえば65平方メートルの3LDKのマンションだと、駅から1分離れるごとに約100万円、5分離れれば500万円下がっていくのです。この背景には「自動車の保有率」が低下していることと、「共働き世帯の比率」が高まっていることがあります。

 こうした利便性を追求したうえで、次に必ず確認したいのがマンションの「持続可能性」です。

 おもに1970年代から大量供給が始まったマンションですが、これまでさほど所有者の入れ替えが進まなかったところでは、建物と共に住民も高齢化が進み、定期収入のない年金暮らし世帯も多く、まとまった建物修繕費用をそうやすやすと捻出できないといった課題があります。

 マンションの修繕積立金について、長期的な計画の下に必要な修繕積立金額が準備されているケースは少なく、修繕ができないばかりか建て替えも到底できず、ただ劣化に任せるしかない「廃墟マンション」が今後大量に、しかも都市部を中心に出現することが容易に予想できます。

 そんな状況で中古マンションを探す場合、まずは「総会や管理組合の議事録」や「長期修繕計画」などの閲覧を求めましょう。こうした議事録には、そのマンションで繰り広げられている様々な課題が満載です。

 例えば、どの程度の管理費・修繕積立金滞納があり、それに対してどのような対応をしているか、駐車場や駐輪場、ごみ置き場、廊下、そして外壁など共用部の使い方やコンディションに何か課題があるか、今後の修繕計画はどのようになっているか──など、マンションの様々な事情が記載されているはずです。

 修繕積立金滞納のないマンションはむしろ少数派ですし、多くの人が住んでいる以上、共用部の使い方に課題が全くないマンションもむしろ珍しい部類に入ります。経年によって建物が劣化していくのも当然のことです。要は、こうしたマンションの宿命ともいえる各種の課題について、所有者で構成するマンション管理組合がどのような姿勢で、具体的にどんな取り組みをしているのかを知ることが大事なのです。

 また「長期修繕計画」を見れば、今後の建物修繕予定がわかるのはもちろんのこと、今後の積立金負担の趨勢もわかります。多くのマンションでは、新築時に売り主が策定した長期修繕計画をそのまま変更せずに使用していることが多いのですが、たいていの場合、新築当初から当面の間は修繕積立金を低額に設定し、5年目・10年目・15年目などに一気に数倍になったり、多額の一時金を徴収したりする計画となっています。

 そのうえでわからないことがあれば、不動産仲介会社を通じて管理組合に尋ねるか、判断に迷うことがあれば第三者の専門家に見解を聞くのもいいでしょう。こうしたことを踏まえながら買うか買わないか、いくらで買うかなどの意思決定をするべきでしょう。

 ただしこうした内部書類については、マンション購入者などの第三者に閲覧させることは義務ではないため、あくまで任意で閲覧をお願いすることになります。言い換えると、閲覧に応じるマンションはその情報開示姿勢だけで好感が持てるということです。自らのマンション管理運営に自信があるとか、情報開示の重要性を理解しているといった組合員が多いからこそです。

 では、こうした書類を確認できない場合はどうすればよいのでしょうか。

 中古マンションの管理状態が見えない、見えにくい“レモン市場”(情報が売り手と買い手で非対称的な市場)といった状況の中では、その本質を見定めるのは極めて困難です。しかしそのような中でも、誰にでも一定程度の見極めができる簡単なノウハウはあります。

 まずは「見た目」からです。中古マンションを見学する際には、いきなり室内(共用部)には入らず、まずは「共用部」をじっと見つめてください。例えば「外壁」。昨今のマンションはタイル張りが主流ですが、ざっと見渡してみて、タイルが剥がれているところ、あるいは浮いているようなところはないでしょうか。タイルは落下すればたちまち凶器となり得るうえ、このような状況を放置していれば躯体そのものが長持ちしません。

 もしタイル落下、浮きなどの症状が確認できたら次は、マンション管理組合がその状況を把握しているか、またそれについてなんらか対処を行う予定があるかを確認しましょう。これは、不動産仲介担当を通じて管理組合に確認してもらってもいいですしし、管理人がいれば尋ねてみてもいいでしょう。

 このことは、廊下や階段などの共用部も同じです。経年によって徐々に劣化していくのは建物の宿命ですが、一定の幅や深さがあるひび割れや、一定量以上の白いカルシウム成分が浮き出てくる白華現象、コンクリート内部の鉄筋が水に触れたことで錆び汁がしみだしている現象などを長らく放置しておくと、それは建物内部を傷め、時間の経過ほど修繕コストは膨大になるうえ、着実に寿命を縮めていくことになります。

 エントランスまわりの清掃状態やポストまわりの整理整頓具合はどうでしょうか。こうしたところが雑然としているのは、管理員の仕事が行き届いていないからですが、背後にはそれを容認している管理組合の存在があります。マンション管理についてその程度の無関心さだというわけです。

 駐車場や駐輪場、ごみ置き場などの状態にも同じことが言えます。掲示板に数か月も前の古い情報が貼られている、雑然と貼られている、貼ったものが破れている──なども組合運営の質を推し量れます。

 筆者が創業したさくら事務所では、管理良好マンションが見つかる「BORDER5」 (https://www.border5.com/ )といったサイト運営をスタートしました。

 まだオープンしたばかりで登録数は少ないものの、現在掲載されている「白金タワー」「イニシア千住曙町」「ニューロシティー」「パークシティー武蔵小杉ミッドスカイタワー」「パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス」などはウェブ上で積極的に情報を提供しており、マンション管理の優等生といえます。

●ながしま・おさむ/不動産コンサルタント。株式会社さくら事務所代表取締役会長。1967年生まれ。広告代理店や不動産デベロッパーの支店長などを経て、個人向け不動産コンサルティングを行うさくら事務所を設立。『不動産格差』、『「空き家」が蝕む日本』、『失敗しないマンション選び』、『100年マンション』など著書多数。7月27日に東京・中央区にて長嶋氏による自宅売却セミナー(参加費無料)を開催予定。

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