- 2019年07月12日 19:22
《徒然に…》海と日本人に関する意識調査
2/2また、海を守ることにつながると意識して、「浜辺でごみを持ち帰るようにしている」(『行きたい派』66%、『行きたくない派』41%)、「生活排水に配慮している」(『行きたい派』44%、『行きたくない派』27%)といった行動では、まだ理解が進んでいるとは言い難い。しかし、海の問題が自分の生活のなかで、どう影響があるのか、具体的に知りたいと答えた人は、『行きたい派』が80%と高く、『行きたくない派』も58%。ここから、何か行動したい、行動しなければとの意向がみてとれる。
具体的に提示されれば実行したいものとしては、「水に溶けるプラスチック袋など環境に優しい商品の利用」(『行きたい派』79%、『行きたくない派』59%)、「使用しやすい場所でのペットボトル回収機の設置」(『行きたい派』79%、『行きたくない派』59%)などがあがった。また、「企業などのエコキャンペーン」、「親子での海の環境問題での学びの場」なども高い比率を示した。
つまり、海をめぐる諸問題、諸課題にはまだ理解は進んでいないものの、関心はあり、『行きたい派』『行きたくない派』を問わず、海を守る活動に参加する気持ちがあるということができよう。
調査では、海への意識も尋ねている。「日本人の食にとって大切な存在」と78%の人が答えた。「魚食大国」日本らしい回答だろう。ほかにも73%が「海の幸を食べることが好きだ」と答えている。こうした魚食文化を推進していくことが、海を身近に感じる方策となるかもしれない。ただ、「世界の約9割以上の魚が限界のぎりぎりか、限界を超えて獲られている」ことを48%が知らなかったと回答している。
日本財団では「海と日本PROJECT」の一環として、自治体や教育機関、民間企業やNPO、NGOなどとともに全国で「海を知る」「海を守る」ための活動として約150事業1500イベントを展開している。海野常務理事は、鳥取の子供たちの取り組みを例示して、海洋ごみへの関心を身近な問題として考え、「生活のなかでごみを出さない」「海でごみを拾う」行動などを通し、日々の生活のなかでの海との結びつき考えていく教育活動の大切さを強調した。そして、今後の日本財団の活動として4つの提案を行った。
①『行きたい派』『行きたくない派』に関わらず、親子でともに海への楽しい学びにつながる機会と体験の提供
②自治体・教育機関や民間企業などのあらゆる機関を通じて誰もが参加できる海洋活動の充実。海洋問題プラットホームの設置と地方メディアとの連携
③海と生活の関係性を理解できる海洋リテラシーの促進とベースになる科学的根拠の充実やツール開発。状況を正しい理解と正確なデータを基にした行動
④海の日の固定化を含む活動の活性化。本来あるべき7月20日への固定化を促すとともに、観光事業の観点から、7月20日を含む週間化も想定
海は誰のものか?
日本国民共有の財産である。その国民の財産を守り、育み、後世に伝えていくことは、我々に課せられた責務、義務といっていい。四方を海に囲まれ、世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を有する日本だからこそ、海を考え、海を理解し、海を守り、海とともに生きていかなければならない。一方で、「海洋ごみ」「温暖化と酸性化」「海流の変化による海洋資源の減少」といった解決すべき国際的な課題があり、2011年に発生した東日本大震災からの復興、とりわけ津波の影響への対応は依然続く大きな問題である。海で何が起きているか、海の問題を身近なものとして考えられるか、課せられた命題は少なくない。
「海と日本人に関する意識調査」は、方策を考えていくための大切な参考データである。



