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不登校関係者注目の「確保法見直し」、各党の見解は【参院選2019】


 第25回参議院議員通常選挙(7月21日投開票)に際し、『不登校新聞』では各政党にアンケートを実施。「不登校」に関する現状認識や「教育機会確保法の見直し」などについて、見解をうかがった。

* * *

 与野党あわせて8政党・政治団体に協力を依頼し、「れいわ新選組」をのぞく各党から返答があった。

 現在、不登校関係者を中心に大きな注目を集めているのが「教育機会確保法」の見直しだ。

 17年2月に施行された同法の附則には、「施行後3年以内に施行状況の検討をし、その結果に基づいた見直しを含め、必要な措置を講ずる」とあり、6月21日に文科省で開かれた有識者会議において、施行状況に関する議論のとりまとめが終わったばかりだ。

重視する点は

 「教育機会確保法」の見直しについて、各党は何を重視しているのか。

 自民党が指摘するのは「教育支援センター」の存在だ。「不登校支援において、教育支援センターがもっとも重要な役割をはたしている」としたうえで「全国の自治体に対し、その設置を求めていくこと」を課題にあげている。

 与党でも公明党の見解は異なり、「フリースクール等に通う不登校の子どもたちへの経済的支援の充実」を掲げる。いわば、公的支援に関わる問題だ。

 同様の指摘は野党からもあがっている。国民民主党は「党内の議論はこれから」としつつも「フリースクールへの支援策の拡充」をすると回答した。

 共産党はさらに踏み込み、「フリースクール等をきちんと認め、学校と同等の公的支援」に加え、「親の会への公的支援」についても言及している。

 そのほか、立憲民主党は「不登校の小中学生が14万人、不登校傾向の中学生が33万人いるという現実を踏まえること」、日本維新の会は「不登校の子どもたちの学びをすすめるためには、多様な教育を検討する必要がある」、社民党は「法律の規定は学校復帰を前提としたものであるため、子どもをかえって追いつめることがないようにする」など、「教育機会確保法」の見直しにかかる論点をあげた。

* * *

 不登校の子ども、またフリースクールなどの民間施設に対する公的支援については、公明党、国民民主党、共産党のほか、立憲民主党が挙げている。

 しかし、この点は「教育機会確保法」の成立過程において、国および地方公共団体の努力義務に留まった経緯がある。理由のひとつが憲法89条だ。同条では「公の支配に属さない事業に公金を支出してはならない」と規定されている。

 一方、子ども(またはその保護者)に対する支援としては、クーポン券などを支給する「教育バウチャー制度」というものがある。

 文科省は05年10月に「教育バウチャー研究会」を立ち上げ、制度導入の可能性を検討してきたほか、第1次安倍内閣(06年)で発足した「教育再生会議」でも議論されてきたが、「一部の学校に生徒が集中するなどの教育格差を生みかねない」といった懸念もあり、国としての議論が進んでいるとは言い難い。

 不登校への公的支援と一口に言っても、人に出すのか、場に出すのか。とくに、フリースクールなどに対する公的支援の投入には、不登校関係者のあいだでも賛否が分かれた論点であり、今後の動向が注目される。(東京編集局・小熊広宣)

* * *

【Q4.「教育機会確保法」の見直し】

 不登校に関連する法律として、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下、「教育機会確保法」)が2017年2月に施行されました。
 
 「教育機会確保法」の附則には「施行後3年以内に同法の施行状況の検討をし、その結果に基づいた見直しを含め、必要な措置を講ずる」とあります。

 この間、国の有識者会議などで検討が行なわれていましたが、「教育機会確保法」施行後の状況を踏まえた見直しを行なう際、もっとも重視すべき問題は何だとお考えでしょうか。貴党のお考えを200文字程度でお聞かせください。

【自民】
 「最も重視すべき問題は何か」というお尋ねに対し、現段階において何か個別の取組みを特定することはできませんが、教育支援センターが不登校児童生徒の学習支援や相談窓口となっており、「もっとも重視するべき役割を果たしている」ことは明確に言えます。

 しかしながら、同センターは全国の自治体で約 6 割しか設置されておらず、すべての自治体が設置することが喫緊の課題となっています。そこで、全国の自治体に対し、同センターの設置を求めていくことは課題の一つではないかと考えます。

【公明】
 教育機会確保法において、「政府は、速やかに、教育機会の確保等のために必要な経済的支援のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」とあります。

 公明党は家庭の経済的事情に関わらず、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会をめざし、教育費の負担軽減に取り組んできたことから、教育機会確保法の見直しに際しては、フリースクール等に通う不登校の子どもたちへの経済的支援の充実を推進すべきと考えます。

【立憲】
 文科省調査の不登校の小中学生は14万4000人、不登校傾向にある中学生は33万との数字の実態、子どもたちの現実を踏まえることだと考えます。

【国民】
 党内の議論はこれからですが、フリースクールへの支援策の拡充や、学校復帰を前提とする文部科学省の考え方などについて、議論していきたいと考えています。

【共産】
 「確保法」見直しで重視したいことは、不登校の子どもへの経済的支援です。

 私たちは①フリースクールやフリースペースをきちんと認め、学校と同等な公的支援をめざす②親の会などへの公的支援を行なうことを政策にかかげています。同時に、広く当事者の参加で見直しを進めることがたいへん重要です。

 かつての「個別学習計画と引き換えに経済支援を行なう」という方向は、追いつめる子どもや親をうみます。蒸し返すべきではありません。

【維新】
 日本維新の会は、国民の教育を受ける権利に関し、経済的理由によりその機会を奪われてはならないということを主張し、憲法改正項目の一つにしている。

 法律では当初、学校以外での学びの場も認めることとなっていたが、議論の場で、教育は正規の学校で身に付けさせることが前提で、「学校へ行かないことを助長する」ことから見送られた経緯がある。

 不登校の子どもたちの学びを進めるためには、多様な教育の形態を検討する必要がある。

【社民】
 同法の規定は、一部の子どもの排除につながる可能性を否定できず、また、学校復帰を前提とした政策であるため、子どもをかえって追い詰めることのないよう、見直すことが必要です。

 今回、「れいわ新選組」にも回答をお願いしておりましたが、回答の〆切期日までにお返事をいただくことができませんでした。また、漢字仮名づかいのみ編集部にて校正。(編集部より)

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