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焦点:トランプ氏の対中姿勢、選対陣営は再選にプラスと自信


[ワシントン 11日 ロイター] - 米中両国による貿易協議が再開する中で、トランプ米大統領の選対陣営は、来年再選を目指すトランプ氏にとって、同氏の中国に対する姿勢がプラスに働くと自信を持っている。これまで同氏はいくつかの譲歩をし、協議の合意は見通せないという状況でも、有権者にアピールできるという見方だ。

トランプ氏と中国の習近平国家主席は6月下旬の大阪での会談で、貿易戦争を一時的に休戦することで意見が一致した。「手打ち」が実現したのは、主としてトランプ氏が中国製品への新たな追加関税導入の見送りや、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)への制裁緩和を約束したからだ。その後5月以降中断していた貿易協議が始まった。

まだいつまでに合意を目指すのかは決まっておらず、協議が長引いて来年、トランプ氏が再選に向けて選挙戦を繰り広げている時期にまでずれ込む可能性が出ている。トランプ氏の元首席戦略補佐官で、対中強硬姿勢を主張してきたスティーブ・バノン氏も「この問題で何らかの決着がつくのは来年になってからだと思う」と認めた。

ただバノン氏は、トランプ氏が新たな関税発動を手控え、ファーウェイにも柔軟な態度を示したことについて、それが協議再開をもたらしたという点で高く評価した。「協議再開は、トランプ氏にとって政治的にプラスになる。なぜならそれが世界の現実というものだからだ」という。

トランプ政権は中国に対して知的財産の保護や技術移転の強要阻止、国有企業への産業補助金政策の是正、為替操作の取りやめなどを要求し、これまでに2500億ドル相当の中国製品に25%の関税を適用するとともに、中国とは構造改革問題を含む取り決めしか受け入れないと表明している。

中国側は対抗する形で昨年、米農産物に関税を課し、2016年の選挙でトランプ氏の票田となった農家が痛手を受けてしまった。一方で前回選挙では、トランプ氏の中国たたきは支持層から拍手喝采されたことから、同氏は来年も関税政策を中国に対する強腰の表れだと強調する公算が大きい。

<隠れた弱点>

野党・民主党も中国には厳しく接するべきとの意見が多数派だ。とはいえ、トランプ氏のやり方には、弱点が隠れているとみなしている。

トランプ氏は、輸入関税は米国の消費者に打撃を与えていないし、農家には多額の補助金を約束したと主張するが、来年になっても米中合意がなく関税が維持されていれば、16年にトランプ氏を支持したアイオワやペンシルベニアといったいわゆる激戦州が、来年民主党候補に乗り換えてもおかしくない。

民主党の大統領候補指名争いをしているバイデン前副大統領の元側近で中国専門家のスコット・マルハウザー氏は「(16年は)激戦州という激戦州で、アイオワの農家や中西部地域にまたがるさまざまな製造業の労働者に至るまで、トランプ氏が中国との貿易戦争に勝利し、雇用を取り戻すと公約したことを理由に同氏の支持に回った。(ところが)トランプ氏は今のところ何も達成していない」と指摘した。

実際、交渉上手とうそぶくことで有名なトランプ氏なのに、中国側が5月にほごにした約束も復活させることができないでいる。

こうした懸念はトランプ氏側からも出ている。

政権外部から経済について助言し、トランプ氏が一時FRB理事への起用を検討したスティーブン・ムーア氏は、早期の合意が選挙に有効だと説く。確かに米中首脳会談で一時休戦を決めたのは好ましいが、それは永遠に続くわけではないからだという。

ムーア氏は「もしトランプ氏に聞かれれば、個人的なアドバイスは、とりあえず今できる取引をまとめ、再選を果たしたのちに中国にずっと強硬的になれということになる」と述べた。

<野党の批判も慎重>

米国において対中強硬姿勢は超党派的な支持を得ているため、トランプ氏の中国政策への民主党の批判は、慎重な形で行われている面もある。

バイデン氏は中国が脅威でないとした過去の発言の撤回を迫られたし、やはり民主党大統領候補指名を目指すバーニー・サンダース上院議員は、中国を為替操作国とみなしている。サンダース氏はトランプ氏と違うやり方なら、中国に対して強腰に出る必要はあると認めている、というのが陣営の説明だ。

それでもトランプ氏の陣営は、今までの同氏の行動が選挙における優位につながり、ひどい内容の合意よりは合意なしの方が、また協議の停滞よりも進展の方がましだと考えている。

トランプ氏選対本部の広報担当者は「トランプ氏は過去何十年と続いてきた中国の貿易面での不適切な行為に立ち向かおうとする米国で初めての大統領だ。強気の立場は、米国の雇用に不安を抱く有権者の心に響くだろう」と主張した。

(Jeff Mason記者)

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