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その公約、財源の裏付けはありますか?

 参院選(21日投開票)、与野党が掲げている「選挙公約・政策」を私なりにみていきたい。

 まず、自民党の冊子を見ると、最初が「外交・安全保障」。政権がいちばんアピールしたいのだと思う。私が6年間取り組んだ「経済や財政」はページをめくる、あとに出てくる。

 「アベノミクス6年の実績」というページを読むと、「若者の就職内定率」や「正社員有効求人倍率」に触れているが、1人当たり実質賃金低下や若者の純貯蓄額低下などには触れられていないようだった。

 「GDP(国内総生産)600兆円経済の実現」という目標のために、「成長戦略、生産性革命、人づくり革命など、政策を総動員し…」とあったが、具体的ではなく、「かけ声」に感じてしまう。

 野党各党の「公約・政策」にも意見がある。立憲民主党は「5年以内に最低賃金1300円」と主張し、国民民主党は「18歳まで一律児童手当を1万5000円」と主張していた。共産党は「最低賃金1500円」「低年金者の年金底上げ」「国民健康保険料の引き下げ」などと掲げていた。しかし、韓国では、最低賃金を上げたことで失業者が増え、経済的混乱に陥った。野党各党は「消費税10%引き上げの凍結」も主張している。バラマキするには、実現可能な原資の確保が必要であり、各党とも「経済再生のストーリー」が欠落しており「大衆迎合」感を感じる。

 私は28日で国会議員の任期を終えるが、ニッポン放送のレギュラー番組「渡邉美樹5年後の夢を語ろう!」で、もし私が出馬していたら…と「幻の公約」を問われる企画があった。私は「憲法への財政規律の明記」「歳出20%削減・消費税20%」を提言した。憲法に財政規律がないことは、財政破綻に向かう要因に思えてならない。

 海外をみると、EU(欧州連合)は「単年度財政赤字は(原則として)GDP比3%以下」と定めている。ドイツの基本法にも「国債発行は対GDP比率で0・35%までを上限」との規定がある。日本もこれに準じる形でいいのではないかと思う。

 歳出削減と消費増税は、財政破綻を回避し、持続可能な国の経営に不可欠な真実である。増える社会保障費には、前回の連載でも触れたが、年金については、世代間の不公平感を無くし、現状の「賦課方式」を「積立方式」に改めるべきだ。さらに、GDP上昇は「人口×生産性」であり、「移民を受け入れる」か「少子化から多子社会実現に転換する」の二択に尽きる。

 参院選の各党の「公約・政策」を読んで総じて「かけ声」や「大衆迎合」の印象が強い。世論調査も重要だが、国民やメディアも各党の公約・政策を前回選挙と比べて、「PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)」で、見直すことも重要だ。国を憂い、時に国民に耳の痛い真実と、政策を提言する、そんな政治家に期待したい。私が各党、各候補者に、経営者目線で問いたい質問はたったひとつ。「その公約、財源の裏付けはありますか?」である。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より

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