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【読書感想】名画という迷宮

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名画という迷宮 (PHP新書)
作者: 木村泰司
出版社/メーカー: PHP研究所
発売日: 2019/06/15
メディア: 新書
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Kindle版もあります。

名画という迷宮 (PHP新書)
作者: 木村泰司
出版社/メーカー: PHP研究所
発売日: 2019/06/15
メディア: Kindle版
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  内容紹介
カラヴァッジョ、ルーベンス、ベラスケス、プッサン、レンブラント、フェルメール 《6人の巨匠たちの生涯》
★69点の作品をカラーで紹介

これまでルネサンス以降の美術史はあまり知られていないがわかりやすい解説で人気の美術史家・木村泰司先生によるバロック美術の集中講義!

爛熟したルネサンス下で育った若者のなかから革新的な画家が生まれ、後世に大きな影響を与えていることはあまり知られていない。
当時はまだ地位の低い職業だったにもかかわらず気高く挑戦を続け、ときにスキャンダルを起こしたり、トラブルに巻き込まれたりしながら、強烈な作品を作り続けた。

画家自身がどのような人生を送ったかを知ることで、彼らが遺した作品をより深く感じられるのではないか。

本書では、17世紀を通してバロック期に活躍した巨匠たちのドラマチックな人生と美術史に残る大作を紹介する。
『巨匠たちの迷宮』を改題。

 ※著者が2009年に集英社から刊行した『名画の言い分 巨匠たちの迷宮』を改題、再編集したものだそうです。

 僕が絵画に興味を持ち、美術館に足を運ぶようになったのは、21世紀にはいってから、30歳を過ぎてからなのです。

 それまでは、画家といえば、ピカソ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ゴッホくらいの名前は知っていたものの、わざわざ絵を観るために混んでいる美術館に行くのもめんどくさいな、という感じだったんですよね。

 しかしながら、絵画というのは、作品そのものを観るだけでなくて、画家や作品の背景を知ることの面白さもあって、観れば観るほど、より興味がわいてくるのです。

 正直なところ、僕に絵が「わかっている」という自信は全くなくて、半ばオリエンテーリングみたいな気分で世界の名画をみているところもあるのですが。

 この本で著者がとりあげている画家は、カラヴァッジョ、ルーベンス、ベラスケス、プッサン、レンブラント、フェルメール の6人で、17世紀に活躍したバロック美術の画家たちです。

 とはいえ、美術ファン以外にとっては、フェルメールは知っている、レンブラントは教科書で『夜警』は見たことがある、ルーベンスは『フランダースの犬』で主人公の少年が憧れていた絵を描いた人だということは知っている、という感じではないでしょうか。

 僕は子供の頃、『フランダースの犬』を観ながら、「ネロ、そのカーテンをサッとめくって観ちゃえよ、絵!」と思っていたのです。

 今から考えると、感動というより、「なんて世の中は理不尽なんだろう」と、やさぐれた気分になる話ではありました。

 著者は、この本のなかで、6人の作家たちの人生の概略を語り、その代表作をカラー写真で掲載しています。  

 カラヴァッジョの項より。

 ナヴォーナ広場近くにあるサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会は、フランスの守護聖人である聖ルイ(ルイ9世、在位1226~70)を祀っている教会で、カラヴァッジョの時代から、ローマで最も人気のある教会の一つでした。現在も、聖マタイ伝三連作を見るために、多くの観光客が訪れています。

 ところで、当時の宗教画というのは、今、私たちが美術館で芸術として鑑賞するような対象ではありませんでした。そこに描かれた聖書の物語や聖人の姿を見て、信仰心を高めてもらう、いわばコマーシャルみたいなものだったのです。ですから、聖なるものでなければなりませんでした。

 カラヴァッジョは、聖なる物語を世俗的な空間にもってきて、その辺を歩いている普通の人をモデルに描きました。このカラヴァッジョの革新的な表現のしかたは、デル・モンテ枢機卿のように美術に対して審美眼のある人々や、若い画家たちなどからは絶賛されました。レンブラント(1606~69)のような他国の、プロテスタントの画家までもが、後に影響を受けることになるのです。

 しかし、多くの一般信者はあまりにも現実的・世俗的すぎると感じました。市井の人々は、自分たちと同じような人物が描かれた宗教画よりも、美しく理想化された宗教画のほうをありがたがったのです。美術館ではなく、教会で観賞するとなると、まあ、その気持ちもわからないではありませんね。

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