- 2019年07月11日 22:54
【県民健康調査】誰のための委員会?何のための議論?「事故との因果関係否定」に反対続出も、星座長は早期決着に固執。会見も打ち切り、県民は「任期や時間より徹底した議論を」
2/3「腑に落ちない」「申し分ない」と紛糾
委員会が開かれたホテルの入り口には、危機感を抱いた県民たちが「私たちの声を聞いてください」、「疑問だらけの結論でいいの?」、「甲状腺検査は誰のため?」、「甲状腺ガン 原因あいまいなまま結論だすな」などと書かれたプラカードを掲げていた。この日の会合には重要な議題が出されていたからだ。
6月3日に開かれた「甲状腺検査評価部会」。ここで話し合われた「甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する部会まとめ」は、2014~2015年度に実施された検査で「悪性ないし悪性疑い」と判定された71人について、「現時点において、甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」と結論づけた。
原発事故当時の年齢、二次検査時の年齢が高いほど発見率が上がった点がチェルノブイリ原発事故と異なる事、発見率を単純に4地域(避難区域等13市町村、浜通り、中通り、会津地方)で比較すると差があるように見えるが、検査実施年度や先行検査からの検査間隔など多くの要因が影響している事、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)が推計した甲状腺吸収線量を使った解析では、放射線量の増加に応じて発見率が上昇する一貫した関係が認められなかった事─が根拠とされている。
星座長はこれも、あっさり認める腹積もりだったのだろう。しかし、真っ先に異を唱えたのが成井委員だった。
「まずは4地区で出された結果をしっかりと検討するのが大事」、「UNSCEARの推定線量がどれだけ正しいのか。伊達市を見ても、地域によって全く線量が違う」、「放射線の影響は考えにくいという結論を出してしまうのは早すぎるのではないか。まだ分からない、というところだと思う」
資料を配りながら力説する成井委員に、星座長は「資料を配る場合は私の許可を得てください」、「秩序を保たせてください」と露骨に不快感を示した。しかし、星座長は委員会の冒頭、「活発な議論をお願いしたい」と述べている。時間が足りないのであれば延長し、後日改めて議論すれば良い。
清水一雄委員(金地病院名誉院長)も「『総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくい』とした『中間取りまとめ』よりはっきりした表現になっている。断言してしまうのはあまりにも早すぎると思う」、富田哲委員(福島大学行政政策学類教授)も「どう考えても強引。結論が送球で腑に落ちない。原発事故による可能性がある以上、それを残すような表現をするのが科学的な態度ではないか」と異論を述べた。
稲葉俊哉委員(座長代行、広島大学原爆放射線医科学研究所教授)は「詳細に気を配った素晴らしい報告書。内容的に申し上げるもんぼは何も無い」と絶賛した。春日委員は「非常に限定された帰還についての評価である事を文言として加えたらどうか」などと意見した。
- 鈴木博喜 (「民の声新聞」発行人)
- フリーライター



