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参院選最中の対韓輸出規制強化は安倍外交の“トランプ化”? 「不適切な事案」が指すものは


 日本が発動した半導体材料の輸出規制強化に反発する韓国政府は、日本時間10日未明、世界貿易機関(WTO)の理事会で意見表明を行った。

 韓国側は「日本の輸出規制が韓国だけを対象にしていて、政治目的で経済報復措置をとることは不適切である」としたうえで、自由貿易の“ルール違反”として日本の規制撤回を求めた。これに対し日本側は、「安全保障上の輸出管理であり、簡略化した手続きを通常に戻すだけでWTOの合意に一致した措置だ」と反論している。

 安倍総理はテレビ番組で、韓国向け半導体材料の輸出管理を強化した理由について「不適切な事案があった」と説明。それが韓国による北朝鮮への横流しを指すのかについては「個別のことについて申し上げるのは差し控える」と明言はしなかった。

 今回、輸出規制の対象となったのは「フッ化ポリイミド」「レジスト」「フッ化水素」の3品目。これらは「有機ELディスプレー」「高度な半導体」「回路」などに使われるが、さらに軍事転用が可能なものでもある。

 安倍総理の「不適切な事案」は軍事転用を指しているのか。『ニューズウィーク日本版』編集長の長岡義博氏は「2015年に日本企業から韓国企業に輸出された炭素繊維が、中国に横流しされていたという事案があった。この時は日本企業が外為法違反で検挙されたが、今回は日本企業が検挙されていない。日本政府は、何らかの形で韓国企業が何か不適切に横流ししていることを把握しているのでは。文在寅政権になって以降、日本政府と韓国政府の関係がギクシャクし話し合いができないという中で、今回の措置に踏み切ったのであれば一定の妥当性はあると思う」との見方を示す。

 一方で、日本では参院選を控えたタイミングでもあることから、「年明けのレーダー照射から徴用工、慰安婦の問題もずっとくすぶっている。日本側としては積もり積もったものを吐き出したとも見えなくもない。だが、参院選というタイミングを見ると票狙いと思ってしまうのも否定できない」と指摘。こうした強気な日本の姿勢からは安倍外交の“トランプ化”を指摘する声もあるが、長岡氏は「トランプ大統領はルールよりも力、力の強いほうが正義なんだという考え方の持ち主。どうも安倍総理もそれに近い考え方を持っていて、だから2人は馬が合うんじゃないか」と述べた。

 では、今回の輸出規制は日本企業のマイナス要因にならないのか。「恐らく韓国側は他の供給元を探すだろう。日本企業の作ったものが売れなくなるというリスクはある」と長岡氏は懸念を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

【映像】「条例改正案は死んだ」撤回と”言えない”香港政府の本音

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