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日本の輸出規制「望ましくない」、韓国外相が米国務長官に見解


[ソウル 11日 ロイター] - 韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は、ポンペオ米国務長官に対し、日本の対韓輸出規制強化は日米韓3カ国の協力関係にとって「望ましくない」との見解を示した。韓国外務省が11日、明らかにした。

日本政府は今月1日、韓国向け半導体材料の輸出規制を強化すると発表。元徴用工訴訟に関する対抗措置ではないとする一方、同訴訟をめぐって日韓の信頼関係が崩れたことが背景にあると説明した。

規制強化は、米アップル<AAPL.O>などにチップを供給しているサムスン電子<005930.KS>やSKハイニックス<000660.KS>といった半導体大手に影響を及ぼす見通しで、韓国は日韓双方の同盟国である米国に介入を求める外交手段に出ている。

外務省によると、康外相は10日夜のポンペオ長官との電話会談で、日本の輸出規制は韓国企業だけでなく、世界的なサプライチェーンに影響を及ぼし、米企業に打撃を与える可能性があると指摘。

「日韓および日米韓3カ国の友好的な関係にとって望ましくないとの懸念を表明した」という。

同省は日本が規制を解除して状況がこれ以上悪化しないことを期待するとしている。

同省によると、ポンペオ長官は「理解を示し」、同長官と康外相は協力を継続し、3カ国間のコミュニケーションを強化することで一致した。

米国務省は電話会談について、両者が北朝鮮の最終的で完全に検証された非核化や、米日韓3カ国協力の重要性に対するコミットメントを再確認したと説明。米韓関係は「引き続き、朝鮮半島と地域の平和と安全保障の要」と指摘した。

<米、仲介役引き受ける公算小>

アナリストらは米国が日韓対立に不満を抱きつつ、仲介役を買って出る公算は小さいとみる。

藤崎一郎・中曽根平和研究所理事長(元駐米大使)は10日、ロイターの取材に対し、米仲介の必要性に疑問を投げ掛けた。「日本が米メキシコ関係や米カナダ関係を仲介しないのと同様、米介入の必要があるとは考えられない。この問題は日韓間で解決すべきだ」と語った。

<韓国、輸出規制受け補正予算>

S&Pグローバル・レーティングのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、ショーン・ローチェ氏は11日、日韓の対立が韓国の経済成長に悪影響を及ぼすとの見方を示した。

同氏は、日韓の対立について、米中貿易戦争と同じくらい予測がつかないとの認識を示した。

韓国の与党「共に民主党」は、日本による半導体材料の輸出規制強化に対応するため、補正予算で最大3000億ウォン(2億5480万ドル)を確保する方針を明らかにした。

規制対象の半導体材料の国内の技術開発と商業化を支援するために使われるという。

<米韓当局者動く>

韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安全保障室第2次長は10日、ワシントンを電撃訪問。記者団に対し、ホワイトハウス当局者や議員らと会談すると明らかにした。日本の輸出規制についても協議するという。

米国務省は、東アジア・太平洋担当の国務次官補に就任したデービッド・スティルウェル氏が7月21日までアジアを歴訪し、日本や韓国を訪問すると発表した。インド太平洋地域に関する共通のビジョンに取り組むとしている。日韓の問題が協議されるかは明らかにしていない。

米シンクタンク外交問題評議会の日本研究シニアフェロー、シーラ・スミス氏は、スティルウェル氏が米国の介入余地を探るのは時期尚早との見方を示し、「じっくり耳を傾けることから始める可能性が高い」と述べた。

*内容を追加しました。

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