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ストーカー被害者「警備怠った」都を提訴へ。小金井女子大生刺傷事件

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「東京都小金井市で2016年5月、音楽活動をしていた20歳の女性がファンの男に刺され重傷を負った事件で、女性と母親が警視庁を所管する東京都や加害者の男、所属していた芸能事務所に計7600万円の損害賠償を求め、10日にも提訴することが分かった。」(2019年7月9日朝日新聞DIGITALより)
たまたま、事件現場は何度もお邪魔したことのあるライブハウスで、オーナとも知己があったことから、事件発生直後から情報を得て、警察消防委員会の理事であったことから、ありえない事態につき質してきました。

この度、被害者とご家族が東京都を提訴されたことも、むべなるかなという思いで受け止めております。東京都政の運営を監視する都議会議員として誠に申し訳ない、あってはならない瑕疵ではなかったか…と深く省みる次第です。

【事件当日何がおこったのか】

私は、当選初の2013年第四回定例会一般質問にて、三鷹市女子高生ストーカー殺人事件が発生したばかりであったことから、DV・ストーカー対策の必要性を求めたところ、その当日に設置が発表された経緯があります。その後、2015年3月31日に、副総監通達によって「人身安全関連事案総合対策本部」(←採用サイトしかないὊ6)として正式発足しました。女性であり、母親である地方議員として、DV、ストーカー対策には高い関心を持って取り組んできました。

奇しくも当時は警察消防委員会理事であったことから、委員会や議会で確認した経緯を皆様におしめししたいと思います。

2016年5月8日、この小金井ストーカー事案に関し、被害者は、自宅のある武蔵野警察署へまず相談。加害人物を特定して、ブログ、ツイッターに書き込みをされ、ブロックされ、知人のツイッターに書き込みを始めたので、迷惑がかかるのでやめてほしいと依頼がありました。

5月19日、武蔵野警察署から電話で連絡。21日土曜日にライブハウスに出演することがわかったので、何かあったら本人に110番通報することを伝えたとのことでした。

5月20日、警視庁の提供している犯罪被害防止等即時対応システム(←警視庁のページが見当たらず(-_-メ)静岡県警のリンク先)への登録をするとともに、小金井警察署へ電話で、被害者からの相談の内容、ライブ活動の場所、時間を教示、連絡し、110番入電時の対応を小金井署に依頼。連絡を受けた小金井署では、ライブハウスを管轄する交番、駅前交番に110番入電時の対応について連絡はしていたとのことでした。

5月21日、本事案は、人身安全関連事案総合対策本部の取り扱いとなり、17時5分、被害者から110番通報がありました。発生場所は、ライブハウスのあった小金井市本町6丁目の複合施設前。17時5分に被害者から、1分後の6分に目撃者から入電。110番を受けた小金井署員が12分に現場に到着。犯人を現行犯逮捕。警察よりも先に消防が駆けつけ、数秒を争う状況の中、被害者の命を取りとめることができました。救急救命隊も命がけだったと思います。この点からも警察の初動がいかに大切かと考えさせられる事案です。

加害者は、被害者に対し明確な殺意を持って、所携の刃物で頸部、胸部を複数回突き刺し、全治不明(当初)の傷害を負わせたのでした。幸い、一命はとりとめられましたが心身の傷は癒えられてないのは当然のことで今般の提訴につながったと痛感しております。

【生かされなかった110番緊急対応策】

警察署サイドは、上記の通り、被害者からの相談を受けていたにもかかわらず、鳴り物入りの「人身安全関連事案総合対策本部」に報告がなされず、せっかく携帯電話を110緊急通報登録システムに登録していたにもかかわらず、現場となった小金井市のライブハウスではなく、武蔵野市内の自宅へ出動してしまった等の初動の不手際が発生していることが、事件後明らかにされていきます。
「音楽活動をしていた東京都武蔵野市の女子大学生(20)がファンに襲われ重体となった事件で、事前に相談を受けた警察署が、ライブ会場でトラブルが起きる可能性を知りながら、緊急対応用のシステムに会場の場所を入力していなかったことがわかった。冨田さんの110番通報を受けた担当者は、発生現場ではなく、システムに登録された自宅に警察官を向かわせ、現場への出動が遅れていた。」(2016年5月26日朝日新聞DIGITALより)
被害者の保護者は、加害者の居住地である京都府警に相談をしていました。また、被害者は武蔵野警察署にも相談をしていました。小金井署へも武蔵野署から連絡がいっていたのに、結果的には傷害事案に発展してしまっていたのです。

お姐旧知の当該ライブハウスの店主からも、「警察から一報をいただけていたら駅まで迎えに行った。事前に連絡が欲しかった」という声も届いております。
 
加害者はJR武蔵小金井駅前をライブハウスまでうろついていたわけですから、本部→小金井警察署→武蔵小金井駅前交番に適正に通報がなされていれば、刺傷事件を起こす前に身柄確保ができたに違いありません。対策本部や110番緊通報登録システムを設置していても、現場の運用を誤れば、まさに都民ことに女性の「人身安全」が守られるわけがないのではないでしょうか。

被害者ご家族にとられまして、提訴への大きな動機のきっかけとなったのは、不手際ともとられかねぬ警視庁・警察署の対応であったのではなかったのかと思料しております。

【その後のDV・ストーカー対策は】

そこで、システムに登録しながらなぜそれが機能しなかったのか、人身安全関連事案総合対策本部にこの件がなぜ報告されていなかったのか、当日の武蔵小金井駅前交番はなぜ把握をしておらず職務質問ができなかったのか、再発防止策として何を行ったかご説明を求めました。

生活安全部長(当時)によれば
「犯罪被害防止等即時対応システムに登録されている被害者からの110番が入電した際、通信指令本部の110番受理担当者が、同システムに登録された住所地と携帯電話の位置情報を同時に確認すべきところ、同システムに登録されていた住所地を管轄する警察署に指令し、携帯電話の位置情報を確認していなかったものであります。 本件を踏まえ、2016年6月24日から、同システムに登録された携帯電話からの110番が入電した際には、自動的に通報場所である位置情報が画面表示されるようにシステムを改修し、即時指令。」とし、

「事件当日の武蔵小金井駅前交番の勤務員は、被害者がライブハウスを訪れることを事務引き継ぎで確認しており、被害者からの通報にも備えていたところでありますが、結果として事案の防止には至らなかった」と、痛ましい犠牲があってようやく改修されたものの、事件時のシステムが本来機能を果たせなかったことを認めています。

警視庁では「ストーカー事案に対して、警察署で相談を受理した際に、人身安全関連事案総合対策本部の事態対処チームへ速報し、事案の内容に応じて、各種法令を積極的に適用して被疑者を検挙するとともに、事案の内容から、被害者に危険が及ぶ可能性等を考慮して、被害者を安全な場所へ速やかに避難させるなど、事態対処チームと警察署員が連携の上、被害者等の保護及び支援のために、とり得る手段を駆使して対処している。」と答弁をしています。

しかしながら、私は、全警察署員、殊に地域住民に近い交番勤務の警察官にわたるまで、交番等での相談が人身安全関連事案総合対策本部やこのシステム登録に迅速に結びつけられるそしき体制になっているかも少々懸念を持っております。今、この時も周知徹底を徹底していただきたい!と常にお姐監視センサーを回転してます。

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