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LIXILの姑息な委任状戦略

先日、某社と情報交換していると、LIXILの株主総会を巡って姑息な手段が採用されたと聞いた。株主総会での議決権行使に関して委任状が入っていて、それが偏ったものになっていたとか。

別の1人からも、LIXILの株主総会での決議がどのように行われたのか関心を寄せていると聞いた。僕がLIXILの株主であったら、他の用事を断ってでも総会に出席しただろうと思う。

とすれば、臨時株主総会が開かれるかどうかに注目が集まっていた3月にLIXILの株式を買うべきだったのかもしれない。残念ながら、立場上、興味本位での株式購入が認められたかどうかは怪しいが。機会があれば関係者から直接に状況を聞いてみたいと思う。

とくに第2号議案、株主側(総会前の意味、以下同じ)が提案した2名(鬼丸氏、鈴木氏)の社外取締役候補の扱いと、それに関する議事進行には関心がある。会社側(総会前の意味、以下同じ)が、この2名自身の就任承諾を得ないまま、会社側の候補者として議案にしたからである。

株主総会への委任状だが、個人株主など、議決権行使をしない株主向けに発せられる。きわどい株主総会などでは委任状集めが活発になる。委任状とともに議決権行使書を代理人に手渡すことになる。

今回、会社側が、株主総会への招集通知書類の中に委任状を入れたとのことである。残念ながら、招集通知書類はネットで閲覧できるが、委任状は見られない。会社から株主への書類として位置づけられていないのだろう。ただし、よく見ると招集通知には「別添の『株主様の議決権行使に関するご案内』もあわせてご参照ください」とあり、「別添」というところが何だか怪しい。普通、こういう記述がない。委任状を指示している可能性があるかもしれない。

その委任状だが、会社提案に賛成するように、また瀬戸氏を立てる株主提案には反対するように求め、その上で「当社による勧誘の趣旨に合致しない委任状については、当社としてお取り扱いいたしかねますので、予めご了承ください」とあったらしい(日経ビジネスの記事による)。会社側の提案に反対する株主の代理人にはならないとの主旨である。

さらに、会社側は「議案への賛否を記入していない議決権行使書が届いた場合、会社側の提案に賛成しているものとして取り扱う」としていたとのこと(日経ビジネス)。

以上の委任状について、瀬戸氏は東京地方裁判所に差し止めの仮処分を申し立てたが、却下された(日経ビジネス)。もっとも「議案への賛否を記入していない議決権行使書」の一部については、会社側に有利となる取り扱いはしないと書面で認めたとのことである(日経ビジネス)。

今回の委任状が法的に認められるのかどうかは司法の判断を待たなければならないものの、会社側としていかにも姑息である。そもそも第2号議案(会社側の社外取締役として就任承諾していない者を候補者にすること)も姑息だった。

そういう姑息な手段を講じる会社側の取締役候補者を全面的に認めた指名委員会とは何だったのか。その指名委員会の取締役就任要請を承諾した候補者とは何だったのか。見識が疑わる。

今回のLIXIL事件、やはり会社側が負けるべくして負けたようだ。

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