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2019年参議院通常選挙を迎えて【1】(安倍自公政権は実は少数与党)

(1)現在の安倍晋三衆議院議員を内閣総理大臣とする、自民党と公明党の連立政権は、実は、少数与党政権である。

こういうと、「お前は今の衆議院と参議院における両党の議員数を知らないのか。衆議院でも参議院でも両党の議席数は過半数を超えていて、衆議院では3分の2の議席を占めている。」などと冷笑的な反応が返ってくるのかもしれない。

(2)しかし、ここで私の言いたいことは、議員数の視点からではない。
衆参国政選挙における民意である得票率の視点からのものなのだ。

ご存知の方も少なくないと思うが、衆参の各国政選挙、とりわけ民意が正確・公正に反映する比例代表選挙において今の自民党と公明党の両党の得票率の合計は50%を超えたことがないのである。

(3)以下では、自民党がTPP絶対反対と公約し有権者を騙し、両党が政権に復帰した2012年総選挙以降に限定して上記のことを具体的に確認しておこう(その前の選挙でも同じである)。

まず、衆議院総選挙における比例代表選挙での自民党と公明党の得票率とその合計額である。

 年     自民党    公明党    合計
2012年 27・6%  11・8%  39・4%
2014年 33・1%  13・7&  46・8%
2017年 38・3%  12・5%  49・8% 

次に、参議院通常選挙における比例代表選挙での自民党と公明党の得票率とその合計額である。

 年     自民党    公明党    合計
2013年 34・7%  14・2%  48・9%
2016年 35・9%  13・5%  49・4%

つまり、自公両党は、民意を正確・公正に反映する比例代表選挙で現れた民意の点では50%を超えておらず、少数なのである。

(4)衆参の選挙制度は比例代表選挙だけではないとの反論もあるだろうから、まず、衆議院の小選挙区選挙の両党の得票率。

 年     自民党    公明党   合計
2012年 43・0%  1・5%  44・5%
2014年 48・1%  1・5%  49・6%
2017年 47・8%  1・5%  49・3% 

次に、参議院の選挙区選挙の両党の得票率。
 年     自民党   公明党    合計
2013年 42・7%  5・1%  47・8%
2016年 39・9%  7・5%  47・4%

大政党に投票が誘導される衆議院小選挙区選挙・参議院選挙区選挙でも、両党は合計得票率が50%を超えていない。

(5)にもかかわらず、自公両党が衆議院でも参議院でも過半数の議席数を獲得できているのは、民意を歪曲し、自民党に過剰代表という憲法違反の不当特権を付与している、衆議院の小選挙区選挙(1人区制)と参議院の選挙区選挙(「事実上の1人区」が多い)のお陰なのである
(詳細については、上脇博之『「なぜ4割の得票で8割の議席なのか』日本機関紙出版センター・2013年 同『ここまできた小選挙区制の弊害』あけび書房・2018年を参照)。

(6)2009年総選挙で民主党中心の連立政権が誕生したが、基本的には同じだった。

(7)実は、自公両党が政権に復帰する前、直近の2010参議院通常選挙で自民党が民主党よりも議席数で勝利していた。

民主党の当選者 44名
自民党の当選者 51名

しかし、実は、得票数・得票率では民主党の方が多かったのだ。

比例代表選挙の結果
政党名 当選者数 比例得票率
民主党 16名 31・6%
自民党 12名 24・1%

選挙区選挙の結果
政党名 当選者数 得票率
民主党 28名 39・0%
自民党 39名 33・4%

つまり、選挙区選挙が民意を歪曲したので逆転現象が生じたのだ。

この逆転現象は、小選挙区制の母国のイギリスでも起きている。

(8)要するに、
安倍自公連立政権は国政選挙の比例代表選挙における民意の点では少数与党政権なのである。

憲法違反の民意を歪曲し過剰代表を生み出す選挙制度のお陰で議席数の点で過半数を確保できているにすぎないのである。
そして安倍連立政権・与党は衆参の議席数の力で暴走しているのである。

自公両党の議席数に目を奪われて自公政権を恐れる有権者がいるかもしれないが、国政選挙の投票行動を決めるときには、それは間違いだ。恐れる必要はない。
過去の民意に注目すべきだ。

(9)安倍政権の暴走は止めることができる! 政治は変えられる!
そのためには「市民と野党の共闘」しかない!
そして主権者国民が今月21日の参議院通常選挙で自公政権の暴走を阻止し、憲法と民意に基づく政治を可能にする、そういう投票行動をするしかないのだ!

(つづく)

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