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年金問題は若者の自民党支持を減らさない

 参議院選挙の公示にあたり、新聞社が政党支持率の調査の結果を公表した。政権支持率は60歳以上では半分以下だが、20代では7割になる、などと報道した。

この現象について様々な角度からの検証をするのは大切だろう。しかし新聞等の論調を見ると、冷戦時代の思い込みを振り回すものが多いのに驚かされる。そして「今の若者は現状維持的だ」といった漠然とした印象論を、堂々と論じていることに驚愕する。

確かに自民党は「保守党」ということになっているが、それは政党分類の便宜的な伝統でそういう言い方なされているだけだ。その場合の「保守党」は、「今の若者は現状維持的だ」というような話の意味での「保守的」とは、同じ「保守」という言葉でも、内容が違う。世界を見渡しても現状変革の度合いが高い急進的政策を掲げる「保守党」はたくさんある。むしろ1980年代のレーガン・サッチャーの「保守革命」以来、それが普通だ。

年金問題を例にとろう。野党は、自民党を攻撃する手段として年金問題を取り上げる。自分たちが政権をとれば年金を充実させると主張する。ところが、それではどうやって年金支給額を上げるのかと言うと、控えめに言って曖昧だ。それでは若者はついてこない。

立憲民主党は、参院選の公約発表時に、政策実現のための財源は、「税制の見直し」「累進性の強化」などで確保すると呟いたが、曖昧に済ませている。共産党は、財源として7.7兆円が必要だと試算したうえで、公共事業や軍事費の削減といった話に持っていくが、そうなると経済政策や外交政策の裏付けに不足感が出てくる。

若者は恐れているのだろう。「若者よ、安倍政権に怒れ、そして高齢者にもっと豊かな生活させろ、現役層は喜んでお金をもっと払う、と叫べ!」、と言われているのではないかと恐れているのだろう。

冷戦時代であれば、大企業から金をとって社会保障を充実させよう、という政策は、階級史観にそって解釈された。したがってそれは「労働者よりの政策」といったことになった。だが現代日本では、そのような発想方法では、冷戦ボケを露呈するだけだ。

「大企業からお金をとって社会保障を充実させよう」、という主張は、現代日本では、「現役世代からお金をとって高齢者の生活を豊かにしよう」、という主張にしか聞こえない。

「年金だけではないよ、おじさんキラーの元アイドルに子ども手当も増やせと言ってもらっています」、と主張しても、「勤労者からお金を取って、高齢者や主婦を優遇しよう」という政策にしか聞こえない。

現代日本の構造的現実から目をそらしたまま、若者が保守党を支持するのは若者が保守的だからだ、といったダジャレのようなお喋りだけを繰り返しても、何の意味もない。そんなことでは、大新聞もろとも若者層からの信頼を失うだけだろう。

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