記事

小川彩佳と有働由美子が”2強”キャスター時代へ 選挙報道と震災対応の対応力を見る

1/2

[画像を元記事で見る]

 元々はテレビ朝日のアナウンサーで同局の『報道ステーション』でサブキャスターだった小川彩佳がフリーになってTBS『NEWS23』のメインキャスターになって1ヶ月あまりが経過した。彼女にとってはメインキャスターとして初めてとなる国政選挙である参議院議員選挙が始まっている。

 そこで小川を中心に、民放の夜ニュースの女性キャスターたちの「キャスターとしての能力」がどうだったのか。この1ヶ月あまりの報道で筆者が注目した点について、ふり返って「キャスターとして成績評価」をしたいと思う。

 注目した点は(1)地震での緊急対応での「さばきぶり」(2)選挙報道での党首討論の「さばきぶり」である。

 報道番組のキャスターとしてはどちらもキャスターとしての「ちから」が試される大事なである。(1)は「ニュース」のキャスターの力は緊急事にこそ測ることができる。一方、(2)「党首討論」では党首たちをどうさばくのか。どんな質問をぶつけるのかは、キャスターとしての「質問力」にも直結するもので、やや大げさに言うならば、その人の「ジャーナリスト」としての資質を露わにしてしまうからだ、

【6月18日(火)】

22時22分頃に新潟県や山形県などを中心に最大震度6強の大きな地震が発生した、気象庁から緊急地震速報が発令され、その後に津波注意報も出されたためにテレビ各局は速報を字幕で伝えた後にそれまで放送していた番組を中断して「緊急特番」を放送した。

●地震速報で前倒しスタートでも落ち着いた「さばきぶり」を見せたTBS『NEWS23』小川彩佳

 ドラマ『わたし、定時で帰ります。』の最終回を放送していたTBSは小川彩佳が画面に出てくるまでの「混乱ぶり」が目についた。TBSも緊急特番の対応を取りながらも報道のスタジオでは「編集長を呼べ!」など「迷走状態でのスタッフ同士の怒号」もそのまま放送された。また地方局の女性アナウンサーはほとんど寝起きでかけつけたのかという「素」の状態で画面に登場して不体裁が続いた。  

 しかし、22時44分過ぎに小川が「こんばんは。『NEWS23』です」と頭を下げてが画面に登場するとTBSの画面は一気に「落ち着き」を取り戻した。『NEWS23』がいつもより少し早く、前倒しでスタートした。

 TBSの報道局には震災に詳しい福島隆史という解説委員がいる。大きな地震のたびに的確なコメントを発する高い専門性を発揮する記者だ。福島が「津波は繰り返し来るので海などに近づかないように」と繰りかえし、小川も落ち着いた声で現在の状況を伝え続けた。地方局からの中継はその後も混乱は続いていたが、小川の落ち着いた声が安心感と信頼感を与えた。

●定時スタートで「さすが有働さん」と言わせた日テレ『news.zero』有働由美子

 緊急特番は他のアナウンサーらに任せて、23時の定時に番組をスタートさせたのが日本テレビ『news.zero』の有働由美子だ。緊急特番の中継画面に有働の声が途中から「合流」するという流れだった。こうした時の有働の対応は「さすがベテラン!」というほかはない。落ち着いた声で必要な情報を的確に伝え続けた。有働が画面に出てきたのは23時30分頃で電話で地震の専門家にインタビューし、「日本海側で地震が発生すると(震源が)陸に近いのでほとんど発生と同時に津波が到達する」などという情報を聞き出していた。

 これに比べて、「お粗末」というか、番組としてののちぐはぐさを目立たせてしまったのが『報道ステーション』だ。

●地震報道でテレ朝『報ステ』徳永有美が口にしたのは「はい…」ばかり。「これではメインキャスターとは言えない」

 小川彩佳にとっては古巣といえるテレビ朝日『報道ステーション』は地震の対応でずっと話し続けていたのは富川悠太キャスターだった。「震災対応するのは俺だ!」と言わんばかりに徳永有美キャスターに口を開かせない。徳永が話したのは何度かにの「はい…」だけだった。こういうときに垣間見えるキャスター同士のコミュニメーションの悪さ。富川も徳永と「張り合っている」感を満々と見せた。こうした大人げない姿勢は番組への信頼感を失わせてしまう。

 視聴者には、徳永有美が「メインキャスター」と番組ホームページに書かれてはいても実態を伴わない存在であることが伝わってしまった。こういうバラバラ感が透けて見えてしまえば、緊急時にテレビ朝日を見ようとは思わなくなってしまう。

【7月3日(水)、4日(木)】

 参議院選挙が公示されたのが7月4日(木)。選挙報道が本格化する中でそれぞれのニュース番組では「党首討論」が行われた。

今回はそれぞれの番組で、回答するごとの党首の持ち時間は「30秒」や「40秒:と制限された。

〇『報ステ』はここでも進行するのは富川悠太キャスター。徳永有美は記者が調べた情報を解説する役割

 『報道ステーション』は7月3日(水)に「党首討論」を実施した。生放送ではなく、その部分だけ当日夕方に収録されたという。

各党首の回答に対して、徳永はフリップで前日に公表された厚労省の調査から「高齢者世帯の所得」が「公的年金・恩給だけ」が51.1%に上り、年金で暮らす人が多いことなどを示して、安倍首相に「年金はちゃんともらえるのか?」と質問した。

 ただ、この後でそれぞれの党首たちに質問していく役割は富川が担った。

「(年金が)安心という意味では100年安心、『マクロ経済スライド』、持続性がある、ということですけれども、その言葉を使い始めたのは坂口力厚生労働大臣(公明党)だったですね?」(と公明党の山口那津男代表へ)などと話の流れに合わせて、仕切っていたのもすべて富川だった。与党側の2人、野党側の5人の党首、キャスターの富川、コメンテーターの後藤謙次、合計で9人の男性がいるなかでただ一人の女性である徳永キャスターは存在感を発揮した、とはお世辞にも言うことはできない。徳永はトランプ大統領の日米安保をめぐる発現もフリップで示したが、こういう役割はサブキャスターで十分な役割である。事実、画面上では富川の”サポート役”という印象だった。これでは「メインキャスター」というのは看板倒れりしか言いようがない「党首討論」でのパフォーマンスだった。

 そもそも多様性の重要性が叫ばれて、「女性活躍」を前面に押し出す政権の中間テストとも言える参議院選挙だ。その党首討論が黒っぽいスーツを着たおじさんだからで女性の徳永は「はい…」という発現に徹している。この構図を『報道ステーション』の番組スタッフは変えるべきだとは思わないのだろうか。話が飛ぶが、財務次官による女性記者へのセクハラ問題での、テレ朝の対応のお粗末さはこういうところにも背景が透けて見える。

あわせて読みたい

「小川彩佳」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「オリンピックは中止すべき」の調査結果は正しくない〜統計はウソをつく

    新井克弥

    05月17日 14:16

  2. 2

    アドバイザリーボード・分科会と感染研は信頼に足るのか?

    青山まさゆき

    05月18日 08:20

  3. 3

    負傷者数半減は嘘?交通事故を物損事故として扱う警察の怠慢

    紙屋高雪

    05月18日 08:42

  4. 4

    「ワクチン大混乱」を招いたのは誰? 河野太郎の“突破力とスタンドプレー”に現場は困惑 - 辰濃 哲郎

    文春オンライン

    05月18日 10:23

  5. 5

    架空情報を使いワクチン接種予約した朝日新聞出版&毎日新聞 岸防衛大臣の抗議は筋違い

    諌山裕

    05月18日 14:25

  6. 6

    『週刊さんまとマツコ』はなぜそっちへ行った?残念な理由

    メディアゴン

    05月18日 08:21

  7. 7

    早くもウーブン・シティ開発に着手 にわかに信じがたい豊田章男氏の経営スピード

    片山 修

    05月18日 08:11

  8. 8

    「『AERA dot.』および毎日新聞の記者の悪質な行為」大規模接種の報道めぐり岸防衛相

    ABEMA TIMES

    05月18日 10:27

  9. 9

    コロナ対策の都道府県別の評価【大阪府 最下位】

    山内康一

    05月17日 15:57

  10. 10

    コロナ禍で取り残される「好きなこと」が無い人 誰かを責める前に行動せよ

    かさこ

    05月18日 09:02

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。