アフリカのスーダンでも死刑宣告を再開、2018年5月にはノウラ・フセインという若い女性に死刑宣告が言い渡された。彼女は16歳の時、自分の意志に反して、アブドゥルラーマン・モハメド・ハマドという男性との結婚を強要された。婚姻成立を拒むと、その男にレイプされた。男が再び彼女をレイプしようとしたとき、自分の身を守ろうとした彼女ともみ合いになり、男はナイフで刺され死亡した。
正当防衛の証拠があるにもかかわらず、女性は有罪となり、死刑宣告を言い渡されたのだ。この一件は国際的な抗議にまで発展した(編集部注:「Justice for Noura」という運動に発展、100万人以上の署名を集めた)。
フセインはアムネスティ・インターナショナルに次のように語った。
「裁判官に死刑宣告を言い渡され、呆然となりました。死刑になるほどの罪を犯したとは思っていません。こんな不当な処置がなされるなんて...女性だからなおさらなのです」
「家族からはこの件に関わりたくないと縁を切られてしまったので、一人でこのショックに向き合わねばなりませんでした。本当に辛かったです」
その後、(国際的な反発を受け)死刑宣告は取り消され、代わりに懲役5年と8,400ドル(約90万円)の罰金が課せられた。 しかし、検察官らはいまだに再審で死刑を求刑している。
死刑廃止をめぐる世界的な戦いはまだまだ終わりが見えないと、ナイドゥは言う。
「死刑廃止に向けた世界的な合意が、ゆっくりながら着実に形成されつつあります。ブルキナファソから米国まで、具体的な取り組みも始まっています。こうした前例に倣うかどうかは、その他各国に問われています」
「安全な社会に暮らしたいとは誰もが望むことですが、死刑は決してその解決策ではありません。 世界中の人々の継続的なサポートをもってすれば、死刑に完全な終止符を打つことができる、私たちはそう信じています」
By Tharanga Yakupitiyage
Courtesy of Inter Press Service / INSP.ngo
・Amnesty ・International : Death Penalty(英語)
・死刑廃止 : アムネスティ日本 AMNESTY - アムネスティ・インターナショナル
記事
- 2019年07月05日 06:00
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