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【党首討論】「今の政治が目を向けていない皆さんの生活を防衛する。そのための第一歩を示す」枝野代表

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枝野幸男代表は、日本記者クラブ主催の党首討論会に参加、他の6党の党首らと討論に臨みました(写真上は、討論会前に並ぶ各党党首)。


討論会冒頭の各党の主張で枝野代表は「生活防衛」を掲げ、企業収益などは上がっているが、実質賃金が下がっている方、非正規雇用が固定化している方、年金だけでは暮らしていけないという高齢者の方、安心して子どもを産み育てることができない方など、生活の不安を抱えている方がたくさんいると語り、「そうした人たちに、今の政治が目を向けていない。こうした皆さんの生活を防衛する。そのための第一歩を示す選挙にしていきたい」と訴えました。その後、2部構成で討論会は進みました。それぞれの発言の要旨は要旨は以下のとおりです。

第1部:党首同士の討論(枝野代表の質問・回答を抜粋)

【山口代表→枝野代表:教育無償化や子育て支援と、その財源】

山口公明党代表から「教育無償化や子育て支援を各党が公約に掲げているが、財源が明確ではない。責任ある財源論をしっかり示すべきだ」との旨の質問があり、枝野代表は法人所得税と金融所得課税を挙げ、「直接税をしっかりと納めていただくという形で消費税の財源をしっかりと確保したい」と説明しました。これを受け山口代表は「法人に負担を求めるというのは限度がある。金融所得についても、日本の経済力の維持を考えた時に限度がある。多額の子育て支援、教育無償化に要する財源として消費税をどう生かすかというところを明確にする必要がある」と主張しました。

【枝野代表→安倍総裁:老後の安心について】

枝野代表は安倍自民党総裁に「老後の安心」について、現在、貯蓄がない2人以上の所帯は50代で17.4%、60代で22%、70代以上では28.6%、最近の世論調査でも年金制度に不安を感じると答えた人が83%にものぼると説明。こうした不安は報告書をなかったことにしても、財政検証の発表を参院選挙後に先延ばししても解消はしないと指摘、こうした声に目を背けずに正面から取り組んでいくことが政治には求めらるとして、どう解消していくかをただしました。

安倍総裁は、消費税を財源にした給付金や、介護保険料の軽減、医療介護で支払いの上限を設けていることなどを説明しました。これに対し枝野代表は、国民年金だけで貯蓄のない高齢者や持ち家もない方などの多くは生活保護に移行せざるを得ない状況になっていると指摘。さらに今の現役世代で非正規などで国民年金保険料すら払えていないと人が増えていることも挙げ、障がい者福祉なども含めた総合合算制度を提案しました。

【安倍総裁→枝野代表:野党統一候補、自衛隊が合憲か違憲か統一すべき】

安倍総裁は枝野代表に、野党統一候補として一本化する際に自衛隊が合憲か違憲かという点は統一すべきと主張。福井では共産党の候補者が野党統一候補であることを挙げ、福井県民だったら共産党候補者に投票するのかと聞きました。枝野代表は候補者一本化について「有権者の皆さんに今の政治のままの継続でいいのか、それとも軌道修正が必要ではないのかという明確な選択肢を示した」と主張。集団的自衛権の一部行使容認は明確な憲法違反であり、憲法違反の安保法制は廃止するという点で5党派一致しているとして、「その考え方に基づく候補者に当選してもらいたい」と述べました。

【枝野代表→安倍総裁:立憲提出の法案、自民党の見解と審議に応じない理由】

枝野代表は安倍総裁に、立憲民主党などが提出している法案、原発ゼロ基本法案、LGBT差別解消法案、選択的夫婦別姓法案などは与党が審議に応じていないと指摘。例えば、原発ゼロ基本法案は昨年の通常国会で所管の経産委員会で政府の法案がなくなり空いている状況だったにも関わらず審議に応じていないと指摘。また、選択的夫婦別姓については先日のネットの討論で「選択的夫婦別姓は経済成長と関係ないから必要ない」とも受け取れる回答だったとして、これら3つの法案について自民党としての見解と、審議に応じない理由についてただしました。

安倍総裁は、原発ゼロ法案について「責任あるエネルギー政策とは言えない」と発言、その理由として原発が止まっていることによって一般家庭や中小企業で負担が増えていること、CO2の削減をしなければいけない義務を日本は負っていること、エネルギーの自給率の問題を挙げました。選択的夫婦別姓については、マイナンバーカードやパスポート等で旧姓使用が可能になっていること、意識調査で意見がいろいろ分かれているとして国民的なコンセンサスを得ていく必要があるとの見解を示しました。LGBT差別解消法案については言及せず、審議に応じない理由については、総理の立場で国会運営はずっと党に任せていたと発言しました。

【安倍総裁→枝野代表:野党統一候補、社会保障政策について統一すべき】

安倍総裁は、野党統一候補として一本化する際に、共産党はマクロ経済スライドを廃止すると言っており、立憲民主党は維持するという考えだろうとして、社会保障政策について統一すべきだとただしました。枝野代表は、5党派で新党を作っているのではなく考え方の違う別々の党ということを前提に候補者を一人に絞っていると説明。

生活防衛という観点においては完全に一致してるとして、マクロ経済スライドについては前向きに進めていたが、共産党から新しい提案があり、こうしたことも含めて年金のあり方について抜本的・国民的な議論をもう一度しなければならない状況だとして、与党も含めて時間をかけ、そして広範な議論が必要との見解を示しました。

第2部:記者団との質疑応答(枝野代表の回答などを抜粋)

【自民党政権との違い】

Q:参院選挙は、来るべき衆院選挙で政権を奪取するのであれば、極めて重要なステップ。今の自民党政治と違い、こんな国の政治をするということが伝えられていないのではないか

枝野代表 これからの日本の政治のあり方として、#令和デモクラシー というビジョンを掲げた。(1)家計を起点とする経済、ボトムアップ型の経済への転換(2)違いを力にする、多様性を力にする社会への転換(3)お任せ民主主義ではなく、参加型の民主主義への転換、――大きな国家としてのビジョン、社会のあり方のビジョンを示し、そこに向けた第一歩を示す、そんな参院選にしたい。

その上で、もし近い将来、政権を預かることができたら、やらなければならない最優先課題として、原発ゼロ、保育士介護職員の賃上げ、労働法制の強化、そういった具体的なことも同時に示している。遠からず政権を取らせていただくだけではなくて、1度目の期待に応えられなかった反省と教訓を踏まえ、しっかりと期待に応えられる政権運営ができる準備を着々と進めている。

【消費増税】

Q:枝野代表は、旧民主党時代に3党合意に加っていた。その後、選挙のたびに消費税引き上げに反対、今回も増税凍結を主張している。その一方で、家庭への支援ということで、いろいろ政策を出されている。先ほど、財源として法人税、金融所得課税を打ち出していたが、これで本当に十分なのか。消費増税は必要ないのか。あるいは、やるとしたらいつか。

枝野代表 6年前、結果的に判断は間違っていたと思う。一つには、消費不況の中で消費税を上げる。ここまでのところ、それと世界の例から見ても、中期的にみれば消費税の税率が上がることが消費に直接影響を与えないと言われてきたが、8%に上げた悪い影響はその後継続している。状況が全く違う中で、消費不況が続いている間は上げられない、経済的に上げられない。

二つ目は、消費税がちゃんと社会保障に使われているのか。それに対する国民の不安・不満・不信が高まっている状況では国民の理解を得られない。三つめは、直間比率(直接税・間接税の比率)が逆に歪んでしまっている。消費税収が増えていくのに逆比例する形で、法人税収などが下がってきた。これは国民的な理解を得られない。儲けにかける法人税ですから法人税率を上げたとしても、それは日本経済に影響を与えることはない。

【社会保障政策】

Q:負担を伴うような財政、社会保障は与野党を越えて新しい枠組みを作りじっくり話し合う、そういう枠組みを作って一緒にやるということについてはどうか

枝野代表 あるべき論としては、党派を超えて国民的な議論をした上で進めていく必要がある。たぶん自民党から異論があると思うが、われわれの立場からは残念ながら3党合意は遵守されなかったという認識。党派を超えて与野党で一致して進める場合には、どうしたらそれを担保できるのかを先に何らかの形で作っていかなければならない。

もう一つは、中長期的な年金などの安定も大変重要なこと。これは5年10年単位で物事が進んでいく、決めて行く。決まった場合でも、それを実際に変えていくためには時間がかかる問題。一方で今、政治が最優先で取り組まなければならないのは、現に低年金で生活が成り立たないと思ってる高齢者の皆さん、あるいはこのままではそうなってしまうという不安の中にいる皆さん、こうした皆さんに対する手当をどうしていくかの方が、当面、数年の間は優先事項だと思っている。

【日米安保条約】

Q:日本の外交はアメリカに従属してるとの批判もある。政権を取ろうとする野党として、日本は自主的な防衛努力をしなければならないと考えるか、日米安保条約があるから、それに比重をおき日本を守ってもらおうと考えるか、どちらか

枝野代表 立憲民主党は明確に日米安保体制堅持、健全な発展を目指すという立場。そして、安倍さんとも山口さんとも一致をしていますが、日米安全保障条約は双務的な関係。地政学的な場所に安定的な基地を持っていることは、アメリカの国益に大変資する状況である。

これにもっと自信を持つべきであり、専門家だけではなくアメリカ国民などにも伝わるように、日本が一方的に守ってもらってるのではない、アメリカの国益に資するんだということを、日本の政治家、特に政府が明確に発信する必要がある。日本は残念ながら弱腰であるというか、腰が引けているので、一方的に守られてるのではないかと勘違いしてる人が日本の国内にもアメリカにもたくさんいる。これはしっかりとアピールしていく必要があると思っている。

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