- 2019年07月02日 14:34
仏で日本人の子供連れ去り非難
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Ulala(ライター・ブロガー)
【まとめ】
・仏で日本人女性の「子供連れ去り」に批判。父親、子供との面会要求。
・「共同親権」と「単独親権」の違い。法的瑕疵なく責められる日本人女性。
・日本も「共同親権」検討の動き。制度の相違が生む不幸の減少を望む。
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2019年3月21日、フランスで、日本人による「子供連れ去り」のドキュメンタリーが放映された。そこには、日本人女性と国際結婚をしたが、離婚後から子供と会えない状態が続き、日本の家族の家にテレビカメラと共に強引に乗り込んで面会を求め、「子供を連れ去られた」、「誘拐だ」、「外国人だから拒否するのだ」と語り、泣き崩れるフランス人男性たちの姿が映し出されていたのだ。
このドキュメンタリーが放映されたことを受けて、ツイッターなどのSNSでは「フランスに来たら、子供を違法に連れて帰ってはいけないのだと教育をすべきだ」「父親のことを思うと、決して許される行為ではない」などの厳しい言葉が並んでいた。
その後も、フランスに住む日本の著名人たち(例えば、辻仁成さんや中村江里子さんら)が、フランスで「連れ去り」が問題になっていると次々に紹介しており、日本人女性が国境を越えて子どもを不法に日本に連れ去ったという話しであるかのように話題にされていたのだ。
だが、この番組を見た時に何か違和感を感じた。なぜなら、この家族たちは、フランスではなく、はじめから日本に住んでいたと紹介されていたからだ。通常「連れ去り」と聞いて思い浮かべるのは、フランスに住んでいた子供をフランスの法律に反して日本に連れて帰った事例だ。しかしこのドキュメンタリーは、日本で起こったことであり、日本の裁判所からの指示書も持っているなど、日本女性たちは日本の法律に従っており、問題がないように思えたからである。
その後、6月25日付けのフランス紙レゼコーの記事を読み「合法の誘拐」という言葉を見て、ようやく理解した。問題としているのは、多くの人が思っているようなフランスの法に反して、フランスに住んでいる子供を勝手に日本に連れてきた話しではない。日本には「共同親権」がないという話しなのだ。日本で離婚した場合、「単独親権」になることが問題になっているのである。しかもDV(ドメスティックバイオレンス)などの問題が伴うなど、親権者との関係が悪い場合は、その後、子供に会えない状態も発生する。そのことが受け入れられないとしているのである。

日本では、現在は離婚すると、父または母のいずれか一方が子供の親権を持つ。これを「単独親権」という。離婚してしまうと、父親と母親で親権を共同行使ができなくなってしまうのが今の日本の法制度だ。これに対して、離婚後も両親が、共同で親権を行使するような制度を「共同親権」という。欧米では、「共同親権」が制定されている場合がほとんどである。ハーグ条約は、子供が国外に連れて行かれた場合に、国を越えて面会するなどの権利を実現する条約とも言えるが、今回は国境を越えて所在する親と子が面会できない状況ではなく、「単独親権」が法で決められた日本国内の話なのである。そこで、冒頭の「合法の誘拐」という言葉に結びつくのだ。
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