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【読書感想】フィンランドの教育はなぜ世界一なのか

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フィンランドの教育はなぜ世界一なのか (新潮新書)
作者: 岩竹美加子
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2019/06/14
メディア: 新書
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Kindle版もあります。

フィンランドの教育はなぜ世界一なのか(新潮新書)
作者: 岩竹美加子
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2019/06/21
メディア: Kindle版
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内容(「BOOK」データベースより)
人口約五五〇万人、小国ながらもPISA(一五歳児童の学習到達度国際比較)で、多分野において一位を獲得、近年は幸福度も世界一となったフィンランド。
その教育を我が子に受けさせてみたら、入学式も、運動会も、テストも、制服も、部活も、偏差値もなかった。小学校から大学まで無償、シンプルで合理的な制度、人生観を育む独特の授業…AI時代に対応した理想的な教育の姿を示す。


 1994年にフィンランドで出産し、長男が5歳から8歳までの3年間を除いてフィンランドで生活をしてきた著者による「日本人の親からみたフィンランドの教育」についての本です。

 フィンランドは、人口約550万人、北欧の地味な小国だが、2000年代以降、PISA(15歳児童の学習到達度国際比較)で、読解力や科学的リテラシーなどの多分野において1位を獲得し、世界一の教育と日本でも注目されるようになった。

 私が体験したフィンランドの教育の良さは、何よりもそのシンプルさにある。入学式や始業式、終業式、運動会などの学校行事がない。授業時間は少なく、学力テストも受験も塾も偏差値もない。統一テストは、高校卒業時だけだ。服装や髪型に関する校則も制服もない。部活も教員の長時間労働もない。日本では、「学校、家庭、地域」と言うが、フィンランドには教育に関して地域という考えはなく、さまざまな連絡協議会、青少年育成委員会など、学校を取り巻く煩雑な組織がない。

 そうしたシンプルな教育を支えるのは、徹底した教育無償化と平等、子どもの権利やウェルビーイング、子どもたち自身の教育への参加などの理念である。ウェルビーイングは、日本では福祉と訳されることが多いが、フィンランドでは生きていく上での快適さ、満足感、充足感、安心、自信、健康など、幅広い意味を持つ。

 学校がシンプルであることは、親にとってもストレスが少ない。小学校から大学に至るまで教育費は無償なので、経済的、精神的にとても楽だ。小中学校では、教科書やノート、教材等も無償で支給される。学級費やその他、諸費用はない。給食も、保育園から高校まで無料である。


 この本を読んでいると、日本の学校というのは、イベントの多さや部活が、教員にとっても親にとっても、かなりの負担になっているのだな、と思い知らされます。
 ただ、ずっと日本で教育を受けてきて、子どもも日本の学校に通っている立場とすれば、フィンランドのやりかたは、合理的ではあるけれど、なんだか味気ないな、と思うところもあるのです。

「うえ~ん、お耳が痛い~、お耳が痛い~」
「えっ、また中耳炎!?」
 東京の区立小学校入学式の前夜、息子が急に耳を押さえて泣き始めた。熱もある。小さい時から、何度もかかったていたので、急性中耳炎だとすぐ分かった。翌朝、医者に行ったが、入学式には行けなかった。

 保育園のお友達に会えると楽しみにしていたのに、入学式に行けなくなって、息子はがっかりしていたが、私は少し複雑な気持ちだった。子どもの成長は、もちろん嬉しい。でも、春、桜、ランドセルを背負った1年生、親子の改まった服装、感動する親という日本の入学式のあり方が好きではない。子どもも親もハレの日の服装で出席する。
なぜ、普段着で気楽に行くことができないのだろう。学校に入ることは、何か改まったこと、ありがたいことと思われているからだ。

私は、フィンランドに移り住んで28年、アメリカにも5年住んだことがあるが、どちらの国にも入学式はない。初めて学校に行く日、親も子も普段着である。入学に関わる儀式もない。


 僕も学生時代、小学生のときも中学・高校生のときも、入学式とか卒業式とかめんどくさいなあ、なんで練習までしないといけないんだろう、と思っていたのです。

 しかしながら、いま、親になってみてこの文章を読んでみると、気持ちはわかるが、ああいう儀式がなければないで寂しいのではないか、という気もするのです。
 あれが何かの役に立つ、ということはなさそうだけれども、シンプルで合理的な西欧のやり方が常に正しいとは限らない。少なくとも、いまの日本人にとっては。
 PTAとか学校行事の数々が、自由に有給休暇をとりづらい日本の親たちにとって、かなりのストレスになっていることは間違いないんですけどね。

 これを読むと「フィンランドでは、どのような流れで子どもを教育して大人にしていくのか」というのと「フィンランドの歴史」、そして「自立を尊重する気風」が伝わってくるんですよ。
 そんなフィンランドも、1960年代から70年代くらいまでは、日本と同じような「母親は家庭で子どもを育てる」というのが美徳とされていたそうです。
 そこから、現在のような「多様性を重んじ、国や社会が育児や教育を強力にサポートする社会」になってきたのです。
 

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