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"社員は仲間"を掲げる会社はなぜヤバいか アピールできる経営理念が他にない

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 企業の採用サイトで「みんなで意思決定する」「仲間を大事にする」などの文言を見かけることがある。人事・戦略コンサルタントの松本利明氏は「こういった経営理念を掲げている会社は要注意。行きたい会社の組織文化を知るには、経営理念の『裏取り』を欠かさないことが重要だ」と指摘する――。

※本稿は、松本利明『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/SetsukoN)

優秀な人も評価されなくなる「カルチャー」の怖さ

 転職先でちゃんと貢献できるかという不安はビジネスパーソンにはつきものです。今までの経験から、ある程度仕事はできる自信はあるけど保証はない。営業職から経営企画職に変わるなど、仕事内容が変わる場合、その期待と不安は日増しに大きくなるものです。

 しかし、あなたの新しい会社や仕事(転職でなく社内異動含みます)との相性は、実は事前に8割以上は掴めます。「仕事」と「会社の価値観」とあなたの資質がマッチするかをみればいいのです。

 A社で優秀だった人が、同業のライバル会社のB社に移ったら結果が出ず、評価されず、普通の人になってしまったという話はよく聞くものです。

 仕事と本人の資質はフィットしているはずなのに、なぜこんな事態が起きるのか? それは、その会社のカルチャーと合わないからです。会社のカルチャーは経営者の哲学、ビジネスモデル、歴史などから形成されていくものです。

 カルチャーとは、言わば「空気」。無色透明の壁になります。元からいる社員は、壁を無意識にかわすことに慣れ過ぎて違和感に気づきません。外からくると、その壁にぶち当たるのですが透明で見えないゆえに成果が出せないのです。

会社と個人の関係は“結婚”に近い

 会社のカルチャーは経営理念(ビジョン、ミッション、バリューなど)としてまとめられていますが、ちゃんと掴むにはコツがあります。そもそも、会社のホームページ、会社案内、採用案内、ブログ、メディア実績には「いいところ」しか書いていないことは、あなたもわかっているでしょう。

 会社と個人の関係は結婚に近いものがあります。立場も対等です。結婚期間中はお互い幸せな関係でいるために、努力しましょうというスタンスです。

 ここで質問です。あなたは、これから付き合おうと思う初対面の相手にいきなり自分のダメダメなところをPRしますか? 普通はしないですよね。

 嘘は言わないけど、まず、いいところを見せよう。気に入っていただき、お付き合いが始まったら徐々に本当の姿をみせていくという手順になるはずです。会社の場合、インターンなど、実際に内部で一定期間仕事をしない限り、転職後、配属されてから、本当の姿を知ることになるのですが、ご安心ください。ここを見抜く方法を伝授します。

経営理念がハッキリしているアップル

 会社のカルチャーを知るには経営理念の癖を知りましょう。日本の会社の9割以上の経営理念はA社からB社に変えても全然気づかないくらい曖昧です。

 経営理念には、実は実現できていない理想を書いているケースも多いからです。

 その実態を見抜くためには、経営理念を読むだけでなく、「YES/NO」の判断基準に落とし込んでみましょう。会社の経営理念は、その会社の物事のYES/NOの判断基準をもとにつくられているのが本来の姿だからです。そして、その判断基準を、

 ①自分の資質にあっているか
 ②本当にその判断基準どおりに意思決定をしているか

 この2点から裏を取るのです。こうすれば、その会社の本当のカルチャーがあぶりだされます。

 経営理念がハッキリしている会社は外から見ても判断基準が明確です。アップル社の故スティーブ・ジョブズが出した経営哲学は「Think Simple」です。「シンプル」をYESにすると、反対のNOは「複雑」になります。

 確かにスティーブ・ジョブズ氏の時代のアップルはシンプルでした。iPhoneのデザインもシンプルでボタンの数は最小限。マニュアルもなしで操作可能。iPhoneのラインナップも少数に絞り込み、その世界観や性能、デザインで世界を圧倒する反面、シンプルな分だけ生産ラインも絞り込み、コスト削減や在庫リスクを減らすことにも成功していました。

 これを「複雑」にしてしまうとブランドイメージにブレが生じ、ファン離れに繋がり、生産コストも在庫リスクも高まってしまいます。機能、デザイン、生産、販売までシンプルで一貫することで競合にない価値を生み出していたことはあなたもご存じの通りです。

経営理念を分解する3段手法とは

 このように、会社の経営理念を取り出し、それをYESとするなら、反対のNOは何かを書き出せば、その会社が何を是とし、何を非としているかというカルチャーの背骨がハッキリみえてきます。

 何がYESかNOかがわかれば、それがあなたの資質とフィットするかみえてきます。

 私はわたし。会社は会社で経営理念に沿って判断すればいいと割り切るのもいいですが、自分の資質とフィットした方がストレスは激減します。コツは3段階で分解することです。

 最初は経営理念の項目を書き、YESと置きます。例を出して解説しましょう。

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