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本気のパリテ ジェンダー平等を前に前に進める

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――パリテ・ナウは、候補者を集めるだけでなく、その支え手も同時に作り出し、女性候補者を生み出すためのコミュニティーを作りたいという目的があるが、その点は手ごたえはありましたか?

その辺はとても難しいことだと思います。私自身は労組出身で、最初から組織がある環境でしたから、コミュニティーがない状態で政治活動をするという難しさというのは私には分かっていない部分もあります。組合の中には女性部というものがあって、例えば育児休業法の成立を目指したり、産休補助の法律成立を目標にしたり、その中で想いをひとつにして活動をすることができていた。

立憲民主党の女性議員には、自分を支えてくれるコミュニティーを持たずに活動する難しさに直面してきた人がたくさんいると思います。今は、立候補を決意して、自分で仲間を作っていくというのはとても難しいことだから、女性候補者を擁立する上で大きな課題であることは間違いないと思います。

支えてくれる人たちのコミュニティは、そんなに大きなものでなくてもいいと思います。ある女性候補者の集会に行った時、そこには親族や、子ども食堂を一緒にやっている仲間が集まっていました。特定の組織がない人たちでも、そういう地域活動を通したつながりから、4、5人でいいから本当に心を許せる人たちがいると、全然違うと思います。支援者の輪は、選挙活動をしていく中で自然とできることだから、まずはコアに支えてくれる人たちを数人見つけるというのが一番大事なことだと思います。

――ジェンダー平等推進本部の中にWTを設置して、性犯罪関係の刑法改正を検討し、「暴行・脅迫」要件の緩和をとりまとめました。

今の「暴行・脅迫」要件は、「被害者の反抗を著しく困難にする程度の強度の暴行・脅迫」を必要としています。とすると、恐怖のあまりフリーズした場合は、該当しなくなってしまいます。そこに深刻な被害があるのに、処罰されない。WTでは、フリーズ案件も含み得るように「暴行・脅迫」要件の緩和を打ち出しました。

保護法益についても、現行法では、強制性交等罪は社会的法益の章に置かれています。貞操といった古い価値観が表れています。そうではなく、個人の保護法益に条文の位置を移動することも、今回、提案しました。

児童虐待防止法改正案が全会一致で可決・成立(6月19日)

今国会では、立憲民主党など野党の提案により、児童虐待防止法等改正にDV防止法の見直し規定が盛り込まれて成立しました。

見直し規定が置かれたことは大きな意味を持ちます。見直し規定がないと、改正を検討することがいかに難しいかを私たちは身をもって体験しています。DV防止法は、2次改正以降、見直し規定を置かなかったために、改正されずに放置されてきました。目に見える身体的暴力から、目に見えにくい精神的、性的暴力へと暴力の中味が質的に変容しているのに、法の方が、現実に置いて行かれてきた。では、どう動かしていけばよいのか。

DV防止法は参議院の共生社会に関する調査会で検討し、策定された経緯があります。共生社会調査会の課題の中にDVが入っていた。それによりDVの検討ができた。特に参議院のように、解散がなく6年という任期でじっくり検討できる場で、ジェンダー平等委員会のようなものを設置して、そこでは、男性のみで出発した議会運営のあり方をジェンダー平等の視点から見直していく、監視していくべきだと考えます。

身近な問題であれば、なぜ、国会議員を呼ぶときに「君」と呼ぶのか。「君」は目上の人が目下の人を呼ぶ敬称。議会では男ばかりだったため、そこから「君」は男を呼ぶ敬称になったようです。「様」や「さん」に変えていきたい。

ハラスメント防止対策ハンドブック

――立憲民主党では、初めての議員、秘書、党職員対象のハラスメント防止対策研修会を開催しました。反応はいかがでしたか。

何よりも出席率が高かったのがよかったです。欠席議員も補講に集まってくれました。重鎮議員も!立憲民主党っていい政党だなぁとあらためて思いました。参加者は前向きで、感触はよかった。立ち止まって自分をケアする時間、他人を傷つけていないかと自問自答する時間になったのではないでしょうか。

――票ハラがマスコミに取り上げられるようになりました。ジェンダー平等推進本部としても自治体選挙の女性候補者にアンケートを行いました。

結果を重く受け止め、党の外に設置したハラスメント防止対策委員会に対応について検討してもらいました。委員会からは、参議院選挙に間に合わせて「ハラスメント防止対策ハンドブック」を製作して、各候補者事務所に配布するようにとの提言を受けました。今、ハンドブックを製作しているところです。抑止効果を期待しています。

私は教員でしたので、学校の中で、性被害を出さないためにどうするかという話はずっとしてきました。が、その前に、加害者にならないためにどうするかというもう一つの柱が必要だとずっと思ってきました。
 相手を大事にするという価値観が大切だと教えてきました。嫌なものはいや、嫌と言われたら無理強いしないという人と人との基本的な関係性の上にある問題だと思います。だから、刑法の改正だけを行うのではなく、もっと社会全体で意識を変えていく必要があると思います。

――最後に、女性へのメッセージをお願いします。

女性議員はおもしろい仕事です。野党ですから法案成立という達成感というのは難しいですが、そこに向かっていくプロセスの中で、仲間ができていく。それはずごく楽しいことでした。苦しいことのほうが多いけれども、色々な議論をしながら、反対している相手を動かしていくことは、とてもやりがいがありました。

女に生まれたら「女」らしく、と育てられてきましたが、そうではない。私は私だと目覚めたら、人生はとても楽しいし、楽になる。自分らしく生きること、あるがままでいることが個性です。自分に正直に自分らしくいること、自分を好きになることがとても大切なことです、「私なんか」ではなく、「そのままの私」が政治に参加できる社会にしていきましょう!と女性たちに言いたいです。

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