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国民民主党が進める「家計第一」の経済政策とは何か

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なぜ「家計第一」か

私たち国民民主党は「家計第一の経済政策」を打ち出しました。

児童手当を増やしたり、賃貸住宅の家賃補助を強化したり…個々の政策メニューだけを見ると、バラマキではないの?そう思う方がいるかもしれません。

しかし、これらはあくまで手段に過ぎません。

私たちは「家計第一」を、あくまで経済政策として考えています。なぜなら、今の日本経済には、消費を軸とした好循環を作り出すことが不可欠だと考えるからです。

アベノミクスが豊かにしたのは企業部門だけ

経済は3つの部門で成り立っています。政府部門、企業部門、家計部門の3つです。

アベノミクスは、企業部門は豊かにしました。しかし、残念ながら、その恩恵は家計には届いていません。安倍政権による法人税減税と金融緩和による円安政策が功を奏して、特に輸出関連企業は過去最高益をあげ、企業のいわゆる内部留保も446兆円を超えるほど大きくなりました。

その一方、実質賃金の伸びは過去6年間の平均でマイナス0.6%で、消費も振るわず、最新のGDP統計でもマイナスを記録しています。

近江商人の言葉に「三方よし」というのがあります。「売り手」も「買い手」も「世間」も良くならなくてはならないという思想ですが、今の日本経済は、「企業」ばかり良くて「家計」が割をくっているので、バランスが悪いのです。

日本経済最大の問題 消費不況

よく、失われた20年、30年と言われますが、この長期にわたる経済不況の大きな原因は、一言で言うなら、消費の低迷による需要不足です。これは数字を見ると明らかです。

2016年の消費は292兆円ですが、ここから、持ち家について所有者が家賃を払ったと仮定して計上されるバーチャルな消費である「帰属家賃」の約50兆円を除くと、実際の消費額は242兆円です。また、消費税をはじめとした間接税も28兆円あるので、家計が実際にモノやサービスの対価として実際に支払った消費額は、間接税を除いた214兆円です。

過去20年間で、消費は2兆円減少

日本の名目GDPのピークは1997年で、この時の消費は280兆円ですが、先ほど述べた「帰属家賃」や「消費税などの間接税」を除いた実際のモノやサービスの消費額は216兆円です。

つまり、2016年の214兆円と比較すると、2兆円減っています。統計上は、280兆円から292兆円に12兆円も増えたことになっていますが、これは統計上のマジックに過ぎないのです。実際の消費が低迷したこと、これこそが日本経済の低迷の一番大きな要因です。

家計所得が増えないから消費が伸びない

では、なぜ、消費が低迷したのか。それは家計所得が増えていないからです。

2016年の家計所得は350兆円となっていますが、先ほどの「帰属家賃」が、今度は持ち家の所有者の家賃収入として計上されています。これが約42兆円。(先ほどの50兆円との違いは、修繕費が差し引かれているからです。)

それから、社会保険料の事業主負担分約41兆円は、企業が支払うものですが、国民所得統計上は、これも家計所得として計上されています。これもバーチャルな所得に過ぎません。そこで、これら「帰属家賃」42兆円と「事業主による社会保険料負担」41兆円を差し引くと、実際の所得は268兆円しかありません。

過去20年間で、家計所得は約40兆円減少

GDPのピークである1997年の家計所得は378兆円ですが、上記の「帰属家賃」と「事業主による社会保険料負担」を差し引いた実際の所得は309兆円になります。これを2016年の268兆円と比較すると、41兆円、率にして約13%も減っています。

実際の家計所得がこれほど落ち込んでいるわけですから、消費が伸びるはずもありません。繰り返し言いますが、消費が低迷した最大の要因は、所得水準が大幅に低下したからなのです。

農家の所得も減少

所得の変化をもう少し詳しく見てみると、まず、大きく変化したのが賃金・俸給です。これが245兆円から228兆円に17兆円、約7%減っています。

次に、34兆円から15兆円へと約56%も減っているのが「混合所得」です。

「混合所得」とは自営業者の所得のことで、自営業者としては「農家」が最大です。この農家を含めた自営業者の所得が伸びないことが、特に、地方における消費低迷の原因です。

金利収入も減少

また、「財産所得」が30兆円から24兆円に約6兆円減っていますが、その最大の理由は、超低金利を反映して、金利所得が大きく減ったことです。

このように、「サラリーマンの賃金」も、「農家を含む自営業者の所得」も、そして「金利収入」も、すべてが減ったことで家計所得が低下しているのです。そんな中、消費が微減に留まったのは、所得のうち貯蓄にまわす比率を大きく下げて、消費にまわる比率を上げたからです。だんだん、貯金できる余裕もなくなってきているわけです。

これからは輸出に頼れない

これまでの経済成長は、輸出頼みでしたが、中国経済の成長も曲がり角に来ていますし、米中貿易戦争の長期化を考えると、これからは外需に頼ることはできなくなると思います。

だからこそ内需が重要なのです。そして、内需を拡大するには、GDPの約6割を占める消費を増やすしか方法はありません。消費が増え、企業が売り上げを伸ばし、設備投資も出てくる、そんな消費を軸とした好循環を生み出すしかありません。2020年代の日本経済は、消費主導型にならざるを得ないと考えます。

年金財政安定のためにも賃金上昇率3%が必要

ちなみに、2014年の年金の財政検証の結果によれば、名目成長率2%、名目賃金上昇率3%を実現できれば、年金財政は安定するとされています。逆に言えば、「100年安心の年金制度」を実現するためには、「賃金」と「消費」が安定的に増えていくことが不可欠なのです。

次に、少し大きな視点で、経済の変化を見てみます。

過去20年間で、企業所得は約40兆円増加

2016年の企業所得(銀行など金融機関を除く)は130兆円です。ここに、統計上は家計所得として計上されている「社会保険料の事業主負担分」33兆円を会社の所得として含めると163兆円になります。

1997年の企業所得が125兆円ですから、この間、38兆円、約30%も増えている計算になります。家計所得が41兆円減少していることを考えると、賃金が上がらなかった分だけ企業所得が増えたということになります。

資金の流れのバランスが崩れている

次に、国全体の資金の流れを見てみます。

1991年には、家計部門の資金余剰、つまり貯蓄は約53兆円ありましたが、2016年には約11兆円となり約8割も減少しています。一方、法人部門(金融機関を除く)は、2016年には約25兆円の資金余剰となり、家計の貯蓄11兆円を超えています。

本来なら、企業部門は、投資などを行うため資金不足になるのが正常の姿です。実際、日本でも1997年までは資金不足でしたが、これが今、資金余剰に変わっています。

企業がこれだけ貯蓄超過になるのは異常であり、経済活動を活性化させるためには、企業の超過貯蓄を減らして家計の貯蓄を増やすことが重要です。

こうした現状を改善するためには、家計の可処分所得を上げ、家計の消費を増やす総合的な政策が実施することが必要なのです。それが、私たちの進める「家計第一の経済政策」なのです。

以下、その具体策を述べます。

*上記の諸計数は、中前忠著「家計ファーストの経済学」日本経済新聞社刊を参考にさせていただきました。

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