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声の大きい衰退業界について

 直接私には何の関係もないんですけれども、ネットミーティングをしておりましたら著作権法改正議論や、今回のケンコーコムの薬品ネット販売の関連で、時代の流れとともに売上が他の業態にシフトし、売上の改善が見込めない業界が政府や政党、役所に働きかけて、国内で最低限のイノベーションも起こせないという不思議な事態が続発しております。

tsuda氏、 ダウンロード刑罰化に大激怒!音楽業界を見限ると
http://togetter.com/li/287668
ネット販売推進議連、上告断念要請も届かず-緊急会見中に「上告」の連絡
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120509-00000008-cbn-soci

 音楽業界に関しては、例によってエイベックスの岸博幸氏の発言が象徴的なんですが:

[引用]岸博幸氏「今朝のキーワード『手段を目的とした議論』東電もそうだが著作権の件。『違法コンテンツのダウンロードに罰則する』のに反対する政治家、弁護士が多い。ネットはメディア・手段にすぎない。手段のために文化が犠牲になる」

 議論としては、音楽業界に対してプロフェッショナルに支払われる売上が減ると質が低くなる、したがってコピーが蔓延して文化的事業は損害を蒙る、というお話であります。一理ないとは言いませんが、音楽業界の大手の役員であるお前が言うなということと、音楽の質の高低とコピー品の普及は別問題で、質が低ければ聴き手にとって価値がなくコピーすらされないのでは、と思うわけです。

 したがって、常識的に考えればダウンロードすること自体を刑罰の対象とするのは産業の保護という観点から見ても効果がもっとも薄いもので、単純にあさっての方向へ砲撃しているに過ぎません。これに気づいていない人は少ないと思うのですけれども、どうなんでしょうか。

 次いで、医薬品のネット販売訴訟で厚労省が上告した件では、そもそもどういう判断や働きかけで厚生労働省が今回の措置に踏み切ったのかが謎で、正直誰の得があって揉めているのか外部からは良く分かりません。薬品を対面ではなくネットで販売するのは危険とする考え方は理解できなくもありませんが、それ以上に日本で認可されていない薬品の並行輸入の問題や、地方の医師不足・薬剤師問題、さらには遠隔医療の是非といった、そもそも診療や薬品の入手のインターネット依存が進んでいく現状で一般薬品の販売のところだけ止めてどうするんだろうという風に思います。

 他にも、タクシーだ床屋だとさまざまありますが、いわゆる業法に関してもう少し合理性を考えて改正していく方法についてきちんと考えなければ駄目なんだろうと思います。ましてや、議員連盟が出来て、与党の議員が60人から集まって改正を働きかけても厚労省が上告しちゃって話が止まるとか、ちょっとあり得ないと思うんですよね。もし、厚労省がケンコーコムや、当初問題となった楽天そのものに問題を感じて、こいつらに好きにやらせたくないんだという話であるならば、業界全体をストップさせるのではなくて個別企業を刺しに逝く方法でなければならないはずです。

 最近では、ネット選挙の解禁もようやく議論が進むかどうか、といったところなので、なんつーか我が国の行政の合理化についてはやはりきちんと向き合って考えなければならない問題なんじゃないの、と思います。

( なお、本稿は津田大介氏を援護射撃するものではありません。前に出た津田さんの背中ごと無反動砲を撃ち込む勢いです。)



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