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水俣病判断条件の見直し機運止める――大阪高裁、女性の訴え棄却

 大阪高裁(坂本倫城裁判長)は四月一二日、行政上の水俣病認定を熊本県に求める裁判で勝訴した原告女性(大阪府在住)を逆転敗訴とし、一審を覆した。この女性は、二〇〇四年の関西訴訟最高裁判決で、(司法上の)水俣病と認められていたが、熊本県による水俣病認定を求めていた。女性は上告する方針だ。

 争点の一つは一九七七年(昭和五二年)に環境庁環境保健部長が通知した、複数の症状の組み合わせを認定の条件とする「52年判断条件」の妥当性だった。一審では感覚障害だけでも水俣病とする原告女性の訴えを認め、52年判断条件には医学的根拠はないとした。

 ところが今回の大阪高裁判決は52年判断条件を是認した。今年二月には別の訴訟で、感覚障害のみでも水俣病だと認定する福岡高裁判決が出ており、大阪高裁は52年判断条件の見直しを迫るこの間の流れにストップをかけた格好だ。

 判決の内容次第では、水俣病の幕引きを計りたい環境省のもくろみが崩れるおそれがあった。同省は現在、特別措置法による「救済策」の周知に力を入れている。これは、従来からある補償の手厚い行政認定とは別の制度で、訴訟や行政認定申請の取り下げが条件。感覚障害だけでも行政上の水俣病が認められるとなると、特措法による救済よりも行政認定を選ぶ人が増えかねないからだ。

 二〇一〇年五月以来、五万人以上が申請をしている救済策だが、窓口は七月末まで。その後名乗り出る被害者の対応について同省の大坪寛子特殊疾病対策室長は一三日、同省を訪問した原告弁護団らに、行政認定制度があると説明した。

 しかしここ数年の熊本県による認定件数が毎年〇~二人であることから、環境省が52年判断条件に固執する限り、今後も切り捨てられる人が続出することは目に見えている。行政認定に比べ条件のゆるい救済策の申請期限延長を希望する声も上がっているが、環境省に見直しの動きはない。

(奥田みのり・ライター、4月20日号)

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