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ホルムズ海峡は自助努力?日米同盟を破棄すべき?

今日のメリーランドは、朝の一瞬だけにわか雨が降りましたが、スッキリ晴れております。

さて、トランプ大統領の発言について一言。

この24時間ほどで、トランプ大統領から2回も驚きのコメントが出てきております。

まず一つ目はこれですね。

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トランプ氏、ホルムズ海峡の船舶防衛は自国で-日本など名指し

Terrence Dopp 2019年6月25日 1:54 JST

トランプ米大統領は、中東のホルムズ海峡の原油輸送路防衛を米国が担っている状況に疑問を投げかけた。日本や中国の石油タンカーも同海峡を通過しているとして、防衛は自国で行うべきだとの見解を示した。タンカーが攻撃された事件や米無人偵察機の撃墜を受けて、米国とイランとの間で緊張が高まっている。

トランプ氏は24日、「なぜわれわれが代償もなしに他国のために(長年にわたって)輸送路を守っているのか。そうした国々は全て、自国の船を自ら守るべきだ」とツイート。ツイートの中でトランプ氏は、中国が91%、日本は62%の原油をホルムズ海峡経由で輸入していると記した。

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さらにもう一つはこれです。

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トランプ大統領、日米安保破棄の考え側近に漏らしていた-関係者

6/25(火) 11:56配信

(ブルームバーグ): トランプ米大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に漏らしていたことが分かった。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。トランプ大統領は日米安保条約が米国にとって不公平だと考えている。

関係者によれば、トランプ氏は同条約について、日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援することは義務付けられていないことから、あまりにも一方的だと感じている(と述べたという)。

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これに関して、私は以前のエントリーで、トランプのこのような一連の個人的な動きが同盟国間に動揺を起こし、実際にオフショア・バランシングが実行された時に発生すると言われる3つの現象、つまり、

1、三大戦略地域の情勢の不安定化

2、同盟国のバランシング

3、同盟国のバンドワゴニング

が実現する可能性が著しく高まり、まさに本物のオフショア・バランシングにともなう「米軍の撤退」というフィジカルな動きをともなうことなく、まるで実際にオフショア・バランシングの第一段階が実行されたかのような現象、つまり

仮想オフショア・バランシング

が発生していると書きました。

もちろんトランプのこのような感情的な思いつきの発言は、現在の米軍の態勢などをみると実現する可能性はかなり低いわけですが、われわれがここで気をつけておかなければならないことが二つあります。

1つ目は、これがトランプを支持している保守的な一部のアメリカ人の「感情」を代弁しているという点です。

この典型がタッカー・カールソンに代表される右派のハト派たちでありまして、たとえばFOXニュースで番組を持っているカールソンは、2003年当時にイラク侵攻に賛成していたことを反省し、その後に無秩序に中東への介入を勧めたボルトンやブートのようなネオコン派たちを猛批判しております。

私の番組でも述べましたが、このNYタイムズ紙の記事では、トランプが今回のイラン攻撃を思いとどまった大きな原因の一つが、タッカー・カールソンであると指摘されております。

カールソンはもちろんネオコンたちのアドバイスが失敗しまくっていることを批判しているわけですが、その背後には、

「アメリカが無作為に中東に介入して戦線を広げ、世界でムダにアメリカの人命と資金を浪費している」

という、主に中西部などにいる人々の感情(孤立主義)を代弁している点もあるわけです。

そしてもう一つは、アメリカの力が限界に来ている、という点です。

アメリカは冷戦終了後に「世界唯一の超大国」となったわけで、そこから俗に

一極状態の瞬間」(unipolar moment)

と呼ばれる圧倒的な状態を手に入れました。

ところがすでに説明したような「プロービング」という形で、冷戦直後からロシア、中国、イランという三大現状変更国たちからの切り崩し工作を受けており、今回のようにイランという、三大国の中でも最弱の勢力から挑戦を受けてしまったわけです。

これは長期的にみて、やはり国際政治体制(システム)の変化でありまして、おそらく後になってから歴史家たちが2019年の夏を振り返ったときに、

トランプ個人の話じゃなかった

と判断する可能性が高いと私は見ております。

もちろん現在はトランプ個人の不確実性や不安定性が問題ですし、私もここをなんとかしてもらいたいと考えております。

しかし長期的にみれば、アメリカ国内の政治的な分断状況や、アメリカ以外の国の台頭を考えると、どうやら

「もっと大きな国際政治構造の大きな変化」

と捉えるほうが正しいのではないでしょうか。



(ヤードセールの看板)

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