- 2019年06月25日 15:15
中の人が暴露"出会い系ビジネス"のウラ側
2/2一人当たりの稼ぎは月100万~300万円位
IPOを目指すベンチャー企業が、出会い系サービスをさくらごと運営して収益源にするなど今では考えられないことだが、当時としては必ずしも珍しいケースではなかった。それだけ荒稼ぎできていたということであり、インターネットバブルが生んだ徒花だったとも言える。そういった運営元の多くは事業を閉じたが、一部は規制を免れるため、海外に拠点を移すなどして生き残りを図っていった。
複数の関係者の証言によると、そういった運営元の多くは現在、東南アジアに拠点を構えているという。
「今は国内に拠点を置いて稼ぐのは難しくなってきましたね。オフィスを借りるハードルも上がりましたし、様々な規制ができたことで、捜査当局のガサも入りやすくなりました。稼げる額も落ちてきているので、リスクに対して全然リターンが見合わなくなってます。関東と関西に大きなグループが残ってますが、それ以外の同業者連中はここ1、2年でどんどん東南アジアのほうに拠点を移すようになっていった。
自分のところは、国内拠点で以前働かせていた優秀なオペレーターを数人そっちの拠点に送って運営させてます。一人当たりの稼ぎはだいたい月100万~300万円位ですが、向こうじゃカネ使うところもないので、3カ月に一度くらい日本に戻ってきて、歌舞伎町あたりで遊んでるみたいですけどね」
いま稼げるのはアプリのみ

高野聖玄・セキュリティ集団スプラウト『フェイクウェブ』(文春新書)
そう語るのは、都内を拠点に出会い系サービスの裏仕事をしている男性だ。やはり2000年代にこの業界に入り、最初の頃はさくらの管理やメール配信を請け負う代理店をやっていたという。現在手掛けているのは、出会い系サービスの偽アプリの運営だ。
「スマートフォンが普及してからは、出会い系で稼げるのはアプリになりました。SNSの実名アカウントと連動した出会い系アプリが出てきたことで、本当に出会えるというイメージが広がったことも大きいですね。実際、外資や大手が運営する出会い系サービスは、女性登録者の割合が昔とは比べ物にならないくらい高くて、『出会い系=さくら』みたいな印象も薄れてきた。
だけど、実際問題として、すぐに性的な関係を求めるような利用者は、実名制のサービスに登録しようとは思わないわけです。下手にトラブルになって、インターネットに実名を晒されたりしたら堪らないですから。既婚者の場合もそうですよね。そういう目的の利用者は匿名のサービスを選ぶようになる。」
GPSを悪用して課金する例も
「逆に自分らの立場からしたら、そういう下心がある相手というのはいいカモです。欲を満たすためなら、ちょっとくらいカネを払ってもいいと思っている。その心理を突いて、少しずつ課金額を上げていけますから。
自分の印象だと、匿名サービスの半分以上は偽アプリですね。一時期流行った、GPS(人工衛星を利用した位置情報計測システム)と連動した出会い系アプリなんかでは、さくらのオペレーターが、グーグルマップやグーグルストリートビューを見ながら、『どこいるの? こっちは、いま○○ってお店の近くにいるんだけど』みたいな感じで相手に現実味を持たせて、どんどんメッセージをやり取りするための課金をさせていくようにしてました」(同)
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高野 聖玄(たかの・せいげん)株式会社スプラウト代表取締役社長
1980年生まれ。フリーのウェブエンジニアとして活動後、ビジネス誌のオンライン事業立ち上げや会員制経済誌の創刊に参画。2012年12月にスプラウトを創業。さまざまなインターネット事業を開発してきた経験と、調査報道で培った情報収集力を活かし、企業や官公庁のサイバーセキュリティ対策をサポート。共著にサイバー闇市場を題材にした『闇(ダーク)ウェブ』(セキュリティ集団スプラウト著、文春新書)がある。新聞・雑誌への寄稿ほか、テレビ・ラジオへの出演、講演多数。
セキュリティ集団スプラウト
サイバーセキュリティの専門企業
正式名称は株式会社スプラウト。主な事業はウェブサイト/ネットワーク/アプリケーション/IoT機器のペネトレーションテスト(侵入テスト)および脆弱性診断、脅威リサーチ、情報漏洩調査、デジタル・フォレンジック、セキュリティ・コンサルティング。ホワイトハッカーと企業をつなぐ報奨金プラットフォーム「BugBounty.jp」も運営。
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(株式会社スプラウト代表取締役社長 高野 聖玄 写真=iStock.com)
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