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【読書感想】ベストセラー伝説

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ベストセラー伝説 (新潮新書)
作者: 本橋信宏
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2019/06/14
メディア: 新書
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Kindle版もあります。

ベストセラー伝説(新潮新書)
作者: 本橋信宏
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2019/06/21
メディア: Kindle版
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内容紹介
ウルトラCの企画や奥の手の販売戦略の数々‼

「科学」と「学習」はなぜ校内で販売されていたのか。
「平凡パンチ」で素人を脱がせていたのはどんな人か。
世間を震撼させた「ノストラダムスの大予言」の著者は今何を考えているのか……。
60年代から70年代にかけて、青少年を熱中させた雑誌や書籍には、
前代未聞の企画力や一発逆転の販売アイディアに溢れていた。
その舞台裏を当時の関係者たちから丹念に聞き出した秘話満載のノンフィクション。

 1960年代から70年代によく売れて、社会現象になったり、今でも思い出話に登場してくる本や雑誌について、当時の関係者に取材したものです。

 LGBTに関する杉田水脈さんの論文を掲載したことがきっかけで休刊となった『新潮45』で不定期連載されていたものの書籍化(1章分は新たに書き下ろされたもの)だそうですが、あの論文は受け入れがたいものではあるものの、こういう企画をずっと載せ続けてきた雑誌が無くなるというのは、残念なことにも思われます。

 私が長年抱いていたベストセラーの謎がある。

 犯罪をテーマにしたポプラ社版江戸川乱歩の探偵小説が、なぜ小学校の図書室に置かれていたのか。

 極度のスランプに陥った手塚治虫が完全復活した「ブラック・ジャック」がなぜ「少年チャンピオン」で連載されたのか。

 私が小学1年生になった1963(昭和38)年当時、「少年サンデー」「少年マガジン」「少年キング」といった少年漫画週刊誌でなぜ戦記物が誌面を占領していたのか。

 石油ショックのときに刊行された「ノストラダムスの大予言」の著者・五島勉はいまどうしているのか。

 受験生のバイブル「試験に出る英単語」と「豆単」のライバル争いは結局どうなったのか。

「8マン」「まぼろし探偵」「月光仮面」の桑田次郎(現・二郎)はいまどうしているのか。

 学研の「科学」と「学習」はなぜ校内で直接生徒に販売できたのか。

「科学」「学習」を販売する「学研のおばちゃん」の正体とは。

 僕にとっては、ひと世代上の人たちにとってのベストセラーの話ではあるのですが、「試験に出る英単語」は僕も使っていましたし、『ノストラダムスの大予言』の影響はずっと続いていて、子供心に「僕は30歳にもなれずに死ぬのか……」と絶望していたものです。

 のちに『と学会』の本で、「『ノストラダムスの大予言』の信頼性の低さ」を知ったのは、僕が「メディアリテラシー」について考えるきっかけになりました。

 『ノストラダムスの大予言』は、同世代の人たちが、オウム真理教にハマっていく下地になったり、僕とほぼ同じ年のよゐこの濱口さんが、相方の有野さんを「どうせ俺たちは30歳にもならずに死ぬんだから、好きなことをやろうぜ」とお笑いの道に誘ったり(有野さんは「別にお笑いがやりたいわけじゃなくて、料理人になりたかったのに」と苦笑していましたが)、と多くの人生に影響を与えたのです。

 小学校の渡り廊下を歩き、集金袋を渡すと、「5年の科学」が手渡される。

 今月号の付録はいったいどんなモノなのか、ときめきと同時に幾分かの後ろめたさを感じながら、私は渡り廊下を歩き教室にもどる。

 1967(昭和42)年、埼玉県所沢市の市立小学校5年生だった私は、この年から学研が発行していた「科学」を購読するようになった。「科学」と「学習」が校内で直販されるようになったのだ。代理店が「科学」と「学習」を児童に直接手渡し、集金袋は教師が配ったような気がする。教室では両誌のどちらかを購読する児童と購読しない児童に分れた。興味が無い児童は、渡り廊下の向こうでやりとりされることにまったく関心は無いが、経済的事情で買えない児童にとっては、面白くない時間帯だっただろう。ごく平均的なサラリーマン家庭に育った小学5年生の私は、「科学」を購読する自分に若干のブルジョアジー的後味の悪さを感じながら、教室にもどってきたものだ。

「科学」の付録は11歳の児童を夢中にさせる大いなる魅力があった。鉱物セット、天体望遠鏡、月面模型、紙製造セット……40年以上たったいまでも、忘れずにいる。

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