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高度な医療の適応は誰が決める 正直その地域の医療レベル、医療者が決めている?

前に書いた記事、(地域の偏在 専門の偏在 昔から言ってることです 金の切れ目が命の切れ目

アメリカでの骨髄腫の患者さんにおける治療成績に、地域や保険が関連するという分析の記事なのですが、正直いろいろな地域で臨床をやっているとその地域の医療レベルの差を日本でも今まで実感してきました。

もちろん医療の進歩もありますので、なかなか同時に地域の直接の比較は難しいのですが、日本でもその地域の医療レベルで、いや医師の都合で少し高度な医療を行うかどうかが決められているのではと感じています。

まず手術。積極的な地域、病院含めて医療インフラに余裕がある地域では、何歳でも(それこそ90代でも)手術をおこなっていました。もちろん全員が元気に帰れるわけではなく、何人かは手術を本当にした方が良かったのかと今でも悩まれているかたも多いです。

これは私の抗がん剤治療領域も同じです。やはり90を超えた人に抗がん剤治療を行うのか。もちろん本人、家族の希望を第一優先ですが、その地域の医療キャパで一部治療決定が影響されている感じは正直ありました。まあ限界を認識すべきなのですが。

もちろんFIT、UNFIT、FRAILなどで治療量を変えるという医学的な分け方はあるのですが、そもそも欧米では80以上のがん患者は治療しないというグループも存在しますし、どこまで治療をするのかは学問的にはグレーです。

それこそアドバンスケアプランニング(ACP)の領域に入りますが、今の医療において医学的に100%の答えがない領域は、専門性、地域性で医療のやられ方が違うことを感じています。

ただここで大事なことは、どの決定も当時、その地域ではそこまで間違ってはいないということです。そう後だしジャンケンはしてはいけないということ。だから患者、医療者、家族が治療をする前にしっかり病気を共有して欲しいのです。そうでないと答えがない領域に、一部の知識に凝り固まった善意の人間が攻撃してきます。今までの医療トラブルの一番大きな問題点と感じています。

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