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「年金には関心がない」と言い切った麻生氏の金銭感覚のズレ

「福岡の炭鉱王」の御曹司として育った(AFP=時事)

「政治家は清貧たれ」とはいわない。たとえ資産家の政治家でも、庶民の生活実感、年金不足への危機感を感じ取ることができるなら、国民は政治に期待を託すことができる。

 だが、住居費も交通費も税金で賄われ、飲み代は政治資金、金銭感覚が完全に麻痺した政治家たちに、国民の痛みは分かるまい。

「とてつもない金持ちに生まれた人間の苦しみなんて、普通の人には分からんだろうな」──かつてそう語ったとされる麻生太郎氏(78)。「福岡の炭鉱王」の御曹司として育ち、祖父は吉田茂・元首相。若い頃からカネに不自由したことはなく、学習院大学時代にはクレー射撃で当時の大卒初任給の4年分にあたる100万円を年間の弾丸代で使っていたと自慢げに語っている。

 国会でも、「ホテルのバーは安くて安全」「(カップ麺は)最初に出たとき、えらく安かったと思うが、いまは400円ぐらいします?」など、世間とはズレた数々の言葉を残している。

 総理時代に学生との居酒屋懇談で出た料理を「ホッケの煮つけとか、そんなもんでした」と言って青森選出の大島理森・現衆院議長に「ホッケに煮付けはない。焼くしかないんです」と突っ込まれたこともあった。

 その麻生氏は今回の老後資金2000万円不足問題で、こう言ってのけた。

「年金がいくらとか自分の生活では心配したことありません」

 まぁ、そうなのだろう。だが、政府が年金改革を始めるというときに、副総理が“オレは年金なんていらねーよ”といえば、国民は「こんな政治家に任せていいのか」と不安になる。経済ジャーナリスト・荻原博子氏が語る。

「いま庶民にとって一番の関心事は年金がもらえるかどうかです。年金だけでは老後資金が2000万円足りないと聞かされて、一層日々の生活を切り詰め、節約に節約を重ねている。

 お金持ちの麻生さんの金銭感覚が庶民と違っているのはかまわないが、政治家に必要なのは国民が何を求めているかを感じ取る力。それが政治家に求められる『金銭感覚』だと思う。しかし、“オレは年金には関心がない”と言い切ったことで庶民の実情を汲み取る感受性が全くないことがわかった」

※週刊ポスト2019年7月5日号

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