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高速バスが国内交通の低廉化を促したメリットを守りつつ安全軽視のデメリット改善を!

関越道の高速ツアーバス事故がセンセーショナルに取り上げられていますが、背景には過当競争によるコスト低減で安全軽視があったことは確かだと思います。

同業他社の社長が「明日は我が身」とコメントしていましたが、「オマエの保身」の前にまず「乗客の身」だろと、こんな意識の経営者が何十人を乗せバスで夜中に高速道路を時速100キロで運んで商売しているのも規制緩和の負の面であることも確かだと思う。

この事故の背景は掘り下げられるべきだし、この業界は現状問題が多いことも事実だと思うが、もう少し冷静な報道も必要だと思う。

毎日夜中に高速バスが日本中で走っていれば一定の頻度で大きな事故も起こります。1年間の高速バス利用者における事故率・死亡率は何パーセントで、過当競争によりその率は年々悪化しているのでしょうか?(調べてないので知りませんよ。)

バスでなくても、タクシーでも自分で運転しても事故に遭遇する可能性はあるし、高速道路では被害も大きくなります。1つの事故を以って、規制緩和と過当競争が行き過ぎと断定するのも行き過ぎ。どれだけ安全対策を講じても今回のような事故は起こり得るし、結果論だけで規制を元の方向に戻すのも短絡的である。

消費者に選択肢は与えられていて、安全を重視したいなら高い料金で飛行機・新幹線での移動を選べばよい。安全はカネで買わなきゃいけないのかって質問に、誤解を恐れずに答えれば”Yes”です。

私も格安の高速バスに乗ったことありますが、新幹線の1/4の料金で移動できましたが、安い以外にいいことなんて何もない!(いつでもどこでも寝られるタイプの人には夜中の移動で宿泊費も浮かせられるメリットもあるのですが)

帰りは平日で4人しか客がいなくて、これじゃあ運ちゃんの人件費も賄えないだろうと思っていたら、高速の出口手前でパンクに遭遇。

路肩を出口まで徐行し、そこから最寄駅までのタクシー代と自宅までの交通費はバス会社が持ってくれて対応も良かったですが、これで儲かる訳がない。

今回のような事故があると、磨耗したタイヤをけちって使い続けて起こった人災のパンクだったのかもと疑ってしまいますが、払った料金は人間宅配便みたいなものですから。

快適さや乗り心地には期待しないが、少なくともプロの運転手が運行してくれるのだから、自分で高速を何時間も運転するよりは事故率が低くて安全であることは担保してほしい。

荷物ではなく生身の人間を預かって運ぶ商売をしている社長さんが「明日は我が身」ってほざいている時点で、業界が病んでいることを物語っている訳で。

とある大学教授の先生によれば、今回の事故の真犯人は小泉と竹中だそうですが(!?)、風が吹けば桶屋が儲かる式で言えば決して間違っているとは言えないでしょう。(視野やバランス感覚がちょっとアレだけど・・。)

東京から名古屋まで新幹線で行けば1万円札1枚で収まりません。東京から九州まで飛行機で帰省する往復の交通費より、グアム三泊四日ホテル食事付ツアーの方が安い場合もある。仕送りの減った金のない学生が田舎に帰る際の貴重な移動手段であり、地方でバイト代を貯めた10代の女性が年1回ディズニーランドに遊びに行くのに入場料より交通費を安く抑える唯一の交通手段が高速バスです。

海外との競争に晒される国際の交通に比べて、高止まりの馬鹿高い国内交通コストを低廉化させたのが高速バスの規制緩和だったことは間違いありません。

現に国内初のLCCピーチは高速バス料金を意識して国内航空料金を格安に設定しています。引き摺られて、JRの殿様新幹線料金も下げざるを得なくなれば、国内交通コスト全般の引き下げに繋がり、小泉と竹中の規制緩和の成果となるかも知れません。

以前も指摘しましたが、日本は規制に守られると談合で高料金が消費者に押し付けられるが、一旦緩和されて新規参入が起こると横並び体質の過当競争で劇的に料金が下がり消費者には恩恵もあります。

だからと言って、業者のコスト削減努力に安全まで削られることが許される訳ではなく適切な規制と義務が必要ですが、この競争と対極にあるのが東京電力のコスト意識ゼロの「総括原価方式」で押し付けられる電気料金ですよ。(両極端ではどちらも問題含み!)

現状では高速ツアーバスに問題が多いことは踏まえた上で、ぼったくり国内交通の低廉化をもたらしたメリットを守りつつ、最低限の安全は担保する部分的で適切な規制の導入が検討されるべきでしょう。

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