個人投資家が軽々しく使う「長期投資」という言葉。
しかし実際長期投資ほど難しい投資法はない。
もし上手く嵌ったとしたら、それはたまたま相場が右肩上がりの時に株をやっていたという幸運に恵まれただけと思って間違いない。
幸運に浸る中、自分が幸運に恵まれていることに気が付いている人は株のセンスがある。
目も当てられないのは、単なる幸運を株の実力と勘違いしてしまう人である。
「そんな事初心者が分かる訳ない」という人も多いだろう。
でも実際こういう事は株の経験とは殆ど関係ない。
何故なら、私は株を始める前から「株なんてそんなもんだろう」と確信していたし、実際最初に買った中国A株が馬鹿ほど上がっていた時「こんなもん、単なる運、僥倖に過ぎない」と感じ株を速攻売り払ったりした。その時、私は株に配当がついている事すら知らなかったのだ。
私は本格的に中国株に関わり出した03年頃(金額的にではなく、まめに情報を集め出したという意味)中国株は遅くても07年頃には一時撤退すると公言していた。
それはある意味確信的にバブルのような動きが起きると予測していたこともあるが、その頃までに大きく儲っているならその先には必ずその反動があると頭ではなく体で感じていたからである。
私の持論は「世の中ウマい話はない」であるが、株をやる上でもそれがとことん役立っている。
儲かることもあれば、とんでもない銘柄を掴むこともある。
騰がる時もあれば、暴落することもある。
それが株なのである。
株式市場には、そういうマイナス面を素直に受け入れられないお子様が予想外に多いので、自分なりの大人の考え方を持ち相場に向かえる人が儲かる仕組みになっている。
で、本題。
07年で中国株の第一ステージが終了したとすれば(現実したのだが)、次の黄金期が来るまでにはそれ相応の時間がかかる。
すでに07年から5年が経つが、相場的には07年の高値どころか10年の高値からも30%ほど下がったままである。
私は一昨年辺りから仕事や家庭を持つ身で普通に株をやってても儲からないと感じ、自分なりの長期投資と中国株以外の投資を始めた。
相場が右肩上がりの時は、長期投資を意識したことはない。
あの時代、長期投資を掲げ間違った銘柄に固執していたら、エライ目に遭っていた可能性が高い。
しかし、今は長期投資に耐え得る銘柄を選択する事にしか関心はない。
正直、これは想像以上に困難な作業かも知れない。
例えば最近中国株を始めた人が今10年前にタイムトリップしても、まず大きく騰がった銘柄を買う事はできない。
そこで下のチャートを見て欲しい。
もしかしたらこの先5年指数的には上下するが終わってみれば元のままという動きになる可能性も十分考えられる。
株の事が分かっていない人は、「じゃ、この赤のチャートの谷と山で儲ければいいじゃん」と思うだろう。
確かに02年〜07年のような基本右肩上がりの相場ならそれは簡単だ。
売りに失敗しても、買いに失敗してもそれは致命的な失敗にならない上に何度でもチャンスはやってきたからだ。
私なんかはそんな調子で波と相場全体の上がりを組み合わせ、この期間指数の何倍もの利益をあげた。
しかし、下の赤のチャートの中でそれをやろうとしてもまず上手くいかないことぐらいは、株をやる以前に理解している。それこそパチンコで生計を立てるぐらいの熱意と時間が必要となる。
それぐらいの決意がある人はそれにチャレンジすれば良い。
で、問題の長期投資に適した銘柄であるが、これを選べないとすれば私に長期投資の才能がなかったという事になる。そう思うとやる気がもりもり湧いてくる。
長期投資、長期投資と言っても、殆どの場合現在の業績や株価に左右されて銘柄を選択してしまっているので、結局その銘柄の株価は赤のチャートを描くことになる。
つまり、長期投資失敗だ。
長期投資で狙うべき銘柄はブルーのチャートを描くはずである。
バフェットのコカコーラとまではいかないが、せめて5年先ぐらいまで成長を持続できる銘柄を探していきたい。
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- 2012年05月08日 20:33