記事

世帯年収1000万円では豊かな生活は実現できない


厚生労働省の調査によれば、世帯年収が1000万円を超える世帯は全体の10%ほどになっているようです。年収1000万円というと富裕層の入口として、当面の目標にしている人も多いと思います。しかし、年収1000万円は果たして豊かな生活を実現してくれるのでしょうか(図表は厚生労働省の「平成29年 国民生活基礎調査の概況」より)。

まず考えなければいけないのは、手取りの収入がいくらになるかです。年収1000万円といっても、額面金額であればそこから所得税や住民税が差し引かれ、実際の使えるお金は減少してしまいます。

また、家族構成によっても豊かさは変わってきます。同じ年収でも独身者と子供がいる家族では、1人当たりの可処分所得は変わってきます。厚生労働省の調査でも、子供のいる世帯の生活感が厳しいという傾向が出ています。

精神的な豊かさは考慮せず、ここでは物質的な豊かさだけを考えてみます。例えば、東京での理想のライフスタイルを考えた時、どのくらいの世帯年収が必要なのでしょうか。

東京で生活する場合、賃貸物件に住んでいればまず家賃がかかります。都心の物件はワンルームでも10万円近い家賃になっています。ファミリーで東京23区のそれなりの場所に住むためには最低でも20万円くらいの家賃が必要になります。人気エリアになれば30万円近い家賃も珍しくありません。

また、趣味やエンターテインメントにかかる費用の中で大きいのが、車の所有や外食、そして海外旅行などになると思います。どれもピンキリですが、もし理想を言うなら、車は500万円くらい、外食も一回一人当たり1万円くらいはかかります。

そして海外旅行もビジネスクラスで出かけ、現地でそれなりのホテルに宿泊すれば、1人50万円くらいはかかるのではないでしょうか(ニューヨークやロンドン、パリならもっと高いかもしれません)。

「年金2000万円問題」と同様、平均値で語ると誤解を生じやすいことには注意が必要ですが、理想のライフスタイルを想定してみると、実感として東京に住んで年収1000万円で豊かな生活を実現するのは、単身者であってもかなり難しいというのが現実です。

過去の経験からの肌感覚では、給与所得者であれば、世帯年収3000万円あれば、東京で家族と一緒に豊かな生活を実現できると思います。しかし、こんな率直な意見を書くと、また炎上してしまうのでしょうか?

■ 毎週金曜日夕方に配信している無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」。メールアドレスとお名前を登録するだけで、お金の不安を解消するための具体的な方法をご紹介します。

■ 「初めての人のための99%成功する不動産投資」、シリーズ累計22万部を超えた「初めての人のための資産運用ガイド」など、今までに出版された書籍の一覧はこちらから。

※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

※このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月21日の記事から転載したものです。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

あわせて読みたい

「年収」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    文在寅氏に白旗を勧める韓国紙

    団藤保晴

  2. 2

    石破氏が固執する奇異な憲法解釈

    篠田 英朗

  3. 3

    文氏「日本の指摘は重大な挑戦」

    ロイター

  4. 4

    米国に泣きつく韓国の告げ口外交

    WEDGE Infinity

  5. 5

    自民議員「韓国は北朝鮮笑えぬ」

    城内実

  6. 6

    ドトールがスタバに勝る食品の質

    内藤忍

  7. 7

    徴用工 三菱重工の資産現金化へ

    AbemaTIMES

  8. 8

    政策の違い比較したイラスト話題

    BLOGOS しらべる部

  9. 9

    よしのり氏「立民に裏切られた」

    小林よしのり

  10. 10

    利用者混乱させる日本の電子決済

    PRESIDENT Online

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。