記事

《金融庁も重大関心》資産50億円トレーダー・KAZMAX氏の手口を元側近が告発 サロン生を食い物に 「サロン砲五分後に打ちます」で“意識高い系”美容師・木村直人、芸人・かまいたち山内も利益を得ていた - 「週刊文春」編集部

2/2

「サロン砲」の手口 

 KAZMAX氏がサロンに「ロング(買い)」と投稿すると、多くのサロン生が自分の資産をロングにポジションを持つので、一時的に凄まじい勢いでビットコインの価格が上がる。つまり、サロン生が動き出す前に、KAZMAX氏はグループLINEのメンバーと情報を共有し、ひと足早く「ロング」にポジションを持てば、サロン生よりも確実に大きな利益を得ることができる。

 

 さらに悪質なのは、KAZMAX氏自身が含み損を抱えている局面で、「ドテン(逆ポジションに切り替えること)」を利用した“ドテンサロン砲”だ。一度損切りしてから、逆のポジションを持った後に、「損切りしました」とオンラインサロンやTwitterでつぶやく。するとサロン生も真似て損切りをするので、逆張りしているKAZMAX氏が持つポジションの向きに相場が動く。KAZMAX氏は抱えていた損失を軽くできるが、逆にサロン生は損切りによって損失を出すだけ。これも事前にグループLINEで共有されていた。

 サロン砲を操るKAZMAX氏に、LINEグループのメンバーは頭が上がらない。非公開のLINEでは、生々しいやりとりが繰り広げられている。

「KAZMAXが『サロン砲』を打つと、メンバーからは『ありがとうございます!』という声が次々に上がる。完全に主従関係ができあがっているのです」(同前)

KAZMAX氏の行為が現法上で罰せられない理由

 KAZMAX氏のこれらの行為は、現法上で罰されることはない。仮想通貨が金融商品取引法の対象外だからだ。しかし、金融庁の担当者は「暗号資産が金融商品取引法の対象外であることは問題だと考えています」と警鐘を鳴らす。

「同様の行為を株式市場で行った場合には、金融商品取引法違反になります。日本では仮想通貨取引は規制されていないが、諸外国ではすでに規制の対象になっている。2018年4月からは『仮想通貨交換業等に関する研究会』でその問題点について11回に渡る議論を重ねてきました」(同前)

 研究会が発表している平成30年12月21日付けの報告書では、「不公正な事案」として、KAZMAX氏のサロン砲と酷似したケースが報告されている。

《仕手グループが、SNS で特定の仮想通貨について、時間・特定の取引の場を指定の上、当該仮想通貨の購入をフォロワーに促し、価格を吊り上げ、 売り抜けたとされる事案》(金融庁「仮想通貨交換業等に関する研究会」の報告書より)

 2019年6月7日には、資金決済法と金融商品取引法の改正法も公布された。

「施行は2020年からですが、施行されれば、このケースだと10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方が科せられる可能性があります」(同前)

関係者に事実関係を確認すると……

 木村直人氏、かまいたち・山内、AKB48の峯岸に事実関係を確認したところ、それぞれから回答があった。

 峯岸みなみの所属事務所は、KAZMAX氏との関係について「食事会の席に知人が連れてきた方。その時にお会いした方で直接の知り合いではなく、何をされている方かも存じ上げておりませんでした。それ以降もお会いしたことはございません」と回答。

 山内の所属事務所は「プライベートなことですので回答は差し控えます」とした。

 木村氏は、KAZMAX氏のオンラインサロン運営に携わっていたことについて、「アドバイザーとして参画」していたが、「先日、弊社に吉澤氏(※KAZMAX氏の本名)の身辺に関する指摘をされたことから、契約関係を解消しております」とメールで説明。

 サロン砲での利益享受については「『サロン砲』と呼ばれているもので利益を得ていたという事実はございません」と否定。また、「LINEグループに共有されていた内容は、オンラインサロンに発信された後のもの」であり、「前後の文章を見ると問題性が無いことは明白、事実無根であると考えている」とした。

 だが、木村氏の回答は、KAZMAX氏による「サロン砲五分後に打ちます」というグループLINEへの投稿履歴(3ページ目写真)と矛盾する。

「本件に関する行為が違法行為であるという認識もございません」

 KAZMAX氏にも事実確認を求めたが、サロン砲で利益を得ていたことについては、「事実ではございません。サロン生の売買により値動きが生じる場合もございましたが、それを利用して対抗決済するなど、利益相反となる行為はしておりません」と回答。

 LINEグループのメンバーは「『バリュー』というサービスを前提とし、サロン発足の5カ月前から投資手法を議論する場として活用されていたものです。より細かい相場の分析を、私(KAZMAX氏)に質問を交えながら出来るというものでございました」とした。

 オンラインサロンへの配信とグループLINEへの告知のタイミングがずれていることについては、「サロン発足後(2018年8月以降)数回ございました」としながらも、「値動きに乗じて決済するなど、利益相反となる行為を推奨したものではございません。その他100以上のトレードについては極力同時間帯での告知となる様に取り組んでおります。また、本件に関する行為が違法行為であるという認識もございません」。

 現在このLINEグループの活動は終了しているという。

 木村、山内両氏については「グループには属していましたが、楽しく相場の分析を意見交換しているだけで、『サロン砲』なるものを利用したという認識はございません」と答えた。

 現在はパリに滞在しているというKAZMAX氏。前述の「週刊SPA!」では、《僕は自分もそうだし、信じてくれる仲間たちとも一緒に金融市場で勝ちまくっていきたい》と語っていたが、サロン生は“仲間”ではなかったのだろうか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

あわせて読みたい

「投資」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    徴用工で対抗? 河野氏が「誤解」

    河野太郎

  2. 2

    れいわ 3議席以上獲得で政界再編

    田中龍作

  3. 3

    「TV局は株主」吉本の癒着を暴露

    BLOGOS編集部

  4. 4

    若者の投票では変わらぬ日本社会

    西村博之/ひろゆき

  5. 5

    宮迫への無神経質問に非難が殺到

    女性自身

  6. 6

    よしのり氏 山本太郎に投票した

    小林よしのり

  7. 7

    男の愛撫は痛い SOD女性社員訴え

    AbemaTIMES

  8. 8

    韓国の日本大使館突入に抗議せよ

    tenten99

  9. 9

    よしのり氏 京アニ火災に虚しさ

    小林よしのり

  10. 10

    落選後に実感「政治は数が全て」

    山田太郎

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。