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仕事の「気づき」こそコンテンツ! 才流・栗原氏とベイジ・枌谷氏が語るBtoB企業の経営者、マーケターのソーシャルメディア活用術

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4. ソーシャルメディアでどんな情報を発信するか



枌谷:栗原さんのツイートって徹底的にBtoBにフォーカスしているし、コンテンツもどんどん出しているし、まさに「選択と集中」の王道というか理想というか。

僕がもし「SNSの使い方で参考になる人を教えてくれ」って言われたら、絶対に栗原さんか、あとはWACULの垣内さん(@yuikakiuchi)を紹介するんですが、SNS運用に関するあの感覚って前職で身につけられたんですか。

栗原:去年の4月に本格的に活用しようと思って最初は結構雑多に発信していたんです。ビジネス全般とか仕事術的な。そうすると、あまり反響がなくて。

試行錯誤をする中で、日々やっているBtoBマーケティングに関する発信に対する反響は良かったんです。そこでBtoBマーケティングのことしか言わないようにしました。会社のオウンドメディアで出すコンテンツから、日々Twitterで発信する内容から全て「BtoBマーケティング」に揃えたんです。そこからガッと急激に伸びたのを感じました。

幸い、BtoBマーケティングに関するコンテンツをFacebookや業界メディアで発信している人はいたのですが、Twitterで発信している人はいなかったので、「選択と集中」をする決心がつきました。



あと、ちょっとソーシャルの話とは直接関係ないのですけど、才流の経営の方も事業立ち上げの支援とか、BtoCマーケティングの支援とか当時色々やっていて。でもフォーカスしないと、お客さんに成果を返せないなというのを感じたんですよね。BtoBに特化して、ノウハウを蓄積することで、再現性高く成果を出せるのではと。

枌谷:経営方針がBtoBに向いたから、ソーシャル上の活動もそれに合わせていったんですね。



栗原:最近は、少しBtoBマーケティング以外にも広げていきたいなと思っていて。枌谷さんは発信内容が幅広いですが、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。

枌谷:僕はBtoBマーケとデザイン、組織論を中心に発信しています。あと、僕自身が、大企業から中小・零細まで会社員を3社経験し、そのあとフリーランス、起業というように、「働き方全部盛り」みたいなキャリアを歩んでいるので、時々キャリア論なんかもツイートしています。あと趣味系では音楽の話とか、リツイートが多いですけど、動物モノとか。

僕も発信内容については、正解が見えていなくて。やっぱり、SNSを仕事に活かすのなら栗原さんみたいに「集中と選択」がいいと思うんです。特にアカウント立ち上げ初期はそうあるべきだと思います。ツイートしているテーマが多いと、その人のキャラがよく分からなくなりますしね。

でもその一方で、強い関連性を持つ領域を複数持っている方が強いブランドになりやすいのかな、という仮説も自分の中であったりします。

たとえばテイラー・スウィフトは、基本はミュージシャンですが、ファッションアイコンであり、ゴシップスターであり、恋愛の神様であり、フェミニストであり、マーケターであり、ソーシャルの女王であり、愛猫家でもあります。

こうした複数の興味軸と交わるパーソナリティだからこそ強いのではないか、そしてこれはテイラーのような著名人でなくても通用するやり方なのでは、と思って最近は色々なツイートを試しています。

栗原:確かに。最近、そういう発信が増えている印象があります。

5. ソーシャルメディアの発信内容はどう思いつくのか

――肝心の発信内容はいつ、どのように考えついたり準備したりするんですか。

栗原:僕の場合は仕事終わりの電車の中で一日を振り返る形でコンテンツとかツイートを作ります。振り返りの延長線上で、ツイート、スライド、記事ができています。

ブログ記事に関しては、お客さんとの会話のなかで特に反響が良かったテーマについて書くことが多いです。自分と世の中の知識ギャップがあるところを感じ取って、そのギャップを埋めるために記事として作りにいきます。

最近「オウンドメディアとインデックス型コンテンツ」について記事を書きました。お客さんが「オウンドメディアをやりたい」と言っていて、僕から見ると「そんなにしっかりした運営体制を作らなくても、コンバージョンしそうなキーワードでSEOに強い記事を20記事ぐらい書けばいいじゃないか」と思っていたんですね。この「インデックス型コンテンツ」の概念をお客さんが知らないのだなと思い、これを埋めるために情報発信しようと。

なので、日々の仕事の振り返りの中でコンテンツが生まれてくる感じ。

――振り返りながら、お客さんの問題解決になりそうな情報をコンテンツにするんですね。

枌谷:僕はコンテンツ作りには、手間に応じた3つの方法があると思っています。

まずは、ゼロからオリジナルでコンテンツを作る方法。一番手間がかかる方法です。僕の場合、自分のブログやnoteがこれにあたりますが、栗原さん同様、仕事の中で得たヒントや、頭の中で曖昧にあることを整理して外に向けて表明したいと思ったときに作ります。

次は、仕事の中で生まれたコンテンツを流用する方法。たとえばお客さんに見せたスライドや、スライドのある1ページのキャプチャとか。僕の場合は、社員向けに説明したスライドとかもどんどん公開してしまいます。スライド自体はもちろん手間を掛けて作っているんですが、発信のために作ったわけではないので、そういう意味では手間はあまり掛かってないといえます。

そして一番ライトで手間がかかってない方法が、Twitterの140字のコンテンツ。これも栗原さんと一緒で、日々の気づきをまとめている感じです。

実はうちの会社では「Twitter道場」というのをやっていて。道場に入ると「1日10ツイートとしなさい」っていうノルマが課せられるんです。ただ、見てみると2ツイートとか1ツイートしかしてないメンバーもいて、「10ツイートはつらい」という話になります。



僕はこれは「気づき」の問題だと思っているんです。仕事をしながらツイートするためだけにインプットするのは、僕自身も無理だと思っています。

でも、実は大層なインプットなんてしなくても、日々の仕事や生活の中にコンテンツのネタがたくさん転がっています。それに気づく能力を鍛えるための10ツイートなんですよね。コンテンツを生み出すエンジンはこの「気づき」なので、とにかく気づきましょうと。

たとえば、僕はこのインタビューの前、一時間早く来て近くのカフェで仕事をしていました。一時間前に現地に入れば遅刻はしないし、限られた短い時間の中で仕事を行うとすごく集中できます。普段と場所が変わることで脳が活性化する面もありますよね。

こういう風に考えていくと、「打ち合わせ場所には一時間前に入って余った時間は仕事をする」という仕事術も立派なツイートになるわけです。

栗原:すごく分かります! 気づきの言語化ですよね。

日々の業務に繰り返しが多くなったり、興味が薄れたりすると気づきが出ないじゃないですか。日々の仕事がマンネリ化して、脳に刺激がないないと、そこからコンテンツのネタは生まれないんです。

新しい取り組みに挑戦したり、物事がガンガン進んで変化があったりすると、仕事は面白くなっていくので、コンテンツも生まれやすい。そもそも日々の仕事を面白くしにいくのが、重要だと思います。自分の業務を面白い方向にデザインする、とでもいうか。

枌谷:本当そうですね。

6. 企業のソーシャルメディア担当者に向いているスキルや性格



――Twitterやブログといったソーシャルメディアに向いている人、向いていない人の違いは何だと思いますか。

枌谷:まずそもそも、全ての企業がSNSをやるべきだとはまったく思っていません。SNSもやってないしブログも書いていないけれどめちゃくちゃすごい人っていっぱいいるじゃないですか。別にSNSの発信だけが生きる道じゃない。

栗原:そうですね。業績の良い会社さんの話を聞いても、会社単位の「得意・不得意」があると思います。テレアポだけで強い会社もいますし、ソーシャルに強い会社もあれば、広告が強い会社もあります。でもたとえば、ソーシャルメディアに向いている人たちがアウトバウンド施策も得意かと言うと、全然得意じゃないこともあります。自分や自社が得意で、成果につながる手段を選ぶ、という観点は大切だと思います。

――たしかに。その上で、発信が上手い人の特徴は何だと思いますか。

枌谷:端的に言えば文章力がある人、ということになりますが、もう少し具体的に言えば、文章を書き続けた経験があると有利だと思います。文章を生み出す力を身に付ければ、発信する行為を続けること自体はそんなに難しくないのかな、と思います。

僕はこんなに文章を書くようになったのは2010年以降にブログをやるようになってからなのですが、実は90年代末に音楽サイトをやってて、アルバムのレビューを毎週3~4枚分は書いていたんですよね。

音楽のレビューって結論「最高」とか「好き」とかなんです。この曖昧な感情に対して、「なぜ好きと思うのか」の理由を自問自答して捻りだし、最終的に300~500字くらいの文章に仕上げていくわけなんですが、今思えばこの取り組みが文章を書く良い訓練になりましたね。

文章が苦手な人っていうのはある一定期間、ジャンルは何でもいいので、とにかく曖昧な感情を言語化する行為を2年とか3年とか繰り返すと自然と文章力がつく、って仮説が僕のなかにあります。

栗原:ベイジさんのコーポレートサイト内にある「ベイジの日報」を見ました。ベイジさんの社員の方も最初は記事を書けないけれど、だんだん書けるようになるとありましたが、上達可能ということですか。

枌谷:はい。ある一定までは上達可能と思います。ただ、文章の上手・下手と、バズる文章が書ける・書けないはまたちょっと違うかもですね。感覚的な話ですが、奇麗に角を削ぎ落しちゃってコンパクトにまとめた文章を書いちゃう人は、案外バズらない。やっぱり自分をさらけ出すみたいなところが必要な気はします。

栗原:たしかに傾向はありますね。うちのメンバーでも「この人のコンテンツはバズる」というのはあります。バズる人はネットサーフィンしてコンテンツをめちゃめちゃ見ているので、感覚を掴んでいるのかもしれません。文章力と合わせて、コンテンツ好きだと、感覚が上がり、ソーシャルメディアに習熟するかも、と思います。

枌谷:たしかにマーケティング感覚みたいなものがありそうですね。

栗原:はい。コンテンツがソーシャルにフィットしてないといけないですね。それこそ、一般的なコンサルティング会社の情報は「有益だけど、読みづらい」という話をさっきしました。

文章訓練を積みながら、コンテンツに大量に触れると、良質なコンテンツを作れるようになるかもしれないですね。

――スキルや経験とは別に、性格的な特徴はありますか?

枌谷:教えるのが好きな人は向いてるんじゃないですか。この1~2年以内にTwitterを始めて、あっという間に5,000フォロワーとかを超えた方たちを見ていると、教えるのが上手だし、本人も教えることが好きっぽいように思います。「自分の知識を外のみんなに分けてあげたい」ってタイプの人は向いている気がしますね。



栗原:あー、分かりやすいです。僕はどちらかというと教えるための素材になる「教科書作り」が好きです。「教科書をとにかく作りたい」から、日々のコンテンツ発信をすごく楽しんでやっています。

うちのメンバーはコンテンツを作るのが上手い人が多いですが、前職で勝手に社内でブログを書いていたり、後輩に社内研修していたりとか、外部のマーケターとの勉強会を主催していたりする経験のある人が多いです。教えることや学ぶことが素で好きなんだろうなっていう人たちです。

枌谷:栗原さんを見ていると、そんな感じします(笑)。ノウハウ作りが大好きなんだと感じます。

栗原:「メソッド・ノウハウ・ベストプラクティス」。否定もされますけれど、僕は大好きなんです。メソッド化されていることで、より多くの人が少ない努力で、高みに到達できると思うので。これからもソーシャルメディアを通して、メソッドを発信していきたいと思います。

――お二人とも、大変参考になるお話をありがとうございました!

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