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「必要のない支援物資は送らないで」 新潟・山形地震へのボランティアが迷惑になることも

地震で屋根瓦などが被害を受けた山形県鶴岡市の住宅地(共同通信社)

18日夜、山形県沖を震源とし、新潟県村上市で震度6強を記録する地震が発生した。災害が発生した際、「被災地のために何かできないか」とボランティアとして現地に向かったり、支援物資などを送ったりする人もいるが、災害支援に詳しい関係者は「一方的な支援は被災地を混乱させることもある。まずは冷静に情報分析を」と呼びかける。

BLOGOS編集部は災害救護などを行っている日本赤十字社と全国の被災地でボランティアセンター立ち上げに携わる全国社会福祉協議会に取材した。

災害ボランティアに向かう前にまず情報収集を

日本赤十字社・救護福祉部救護課長の山本孝幸さんは「今回のケースに特化した話ではなく一般的な話ですが」と前置きしたうえで、「まずは情報収集をやっていただくことが大事。特に現地でボランティアのニーズがあるのか否か。あるならどこで、どのような受け入れ態勢ができているかをきちんと把握していただくことが必要です」と話す。

「物資に関しては現在のところ、被災者のニーズと送る側の気持ちを的確にマッチングできる仕組みができていないような印象を受けます。インターネットやテレビの報道で足りていないと聞き、その物資を送ったら、タイミングが合わずに不要になってしまうという場合があります。また、テレビのインタビューで数人が『これが足りない』と話すのを見た視聴者が、避難所や被災地全体にその物資が足りていないと受け止め、実際にはあまり必要のない物資が大量に送られてくるという問題もあります」。

必要なのは冷静に情報を見極めることだ。過去の災害現場では、不必要な物資が被災地に過剰に届き「第二の災害」と呼ばれたこともあった。山本さんは「ボランティアにしても支援物資にしても、一方的に自分たちの思い込みで動くのではなく、その分野に応じた情報を幅広く拾い、客観的に分析していただいた上で、動いていただくことが大切になると思います」と話す。

共同通信社

余震が起きる可能性があるタイミングでの現地入りは危険

災害発生時にボランティアの拠点運営などを行なっている全国社会福祉協議会の全国ボランティア・市民活動振興センター長、高橋良太さんも「現地の正しい情報をウェブなどで確実に入手することがまず大事」と強調する。

同会は19日午後6時現在、揺れの強かった新潟県村上市と山形県鶴岡市のどちらにも災害ボランティアセンターを立ち上げていない。高橋さんは「現在、現地のニーズを収集し、立ち上げるかどうかの判断をしているところです。ボランティアを志望する方は、センターが立ち上がっているかどうかを把握していただいて、必要な時に行っていただくのが第一です」と話す。

センターの立ち上げに関わらず、余震が起きる可能性がある場合、安全確保のために現地入りを止めることも必要だ。

「今回の場合、現段階で大量に人手を必要としているわけではありません。センターを立ち上げても県外までボランティアを求めるかどうかはわかりません。受け入れ人数を制限する場合もあるので、そういう情報もきちんと掴むことが大事ですね」。

「すべて自分で準備を」 センターが宿泊場所の斡旋を頼まれ困るケースも

ボランティアに行くと決めた際、必要なのは十分な事前準備だ。

高橋さんは「基本的に、災害ボランティアはすべて自分で準備をしてもらいます。行き帰りの交通手段や宿泊場所も自前で確保していただく。たまに現地の災害ボランティアセンターに宿泊場所の斡旋を求める人もいますが、現地としては余裕がない場合もあります。揺れの心配がない場所に、ご自身で宿泊場所を取っていただくことをお願いしています」と話す。

車で現地に行く時は、駐車場の確認をすることも重要になる。センターに駐車する余裕がないケースもあるためだ。公共交通機関で移動しようとする場合、地震の影響で止まっていることもあり得るので、交通状況を事前に確認することも必要となる。

安全第一を心がけて 服装の準備と保険加入が必須

地震被害の建物で屋根瓦を撤去する作業員、新潟県村上市(共同通信社)

さらに災害ボランティアに必須なのが、安全な装備だ。「場合によっては家屋が壊れている場合もあるので、長袖長ズボンが基本です。釘の踏み抜きや、ガラスを踏んで怪我をされる方も多いので、底の厚い靴か、踏み抜き防止仕様の中敷を準備していただきたいですね。手袋については一般的な軍手も必要ですが、ガラスなどを扱う場合は、ゴム手袋を推奨しています」。

また、高橋さんは「ボランティア保険には必ず入ってください。」と呼びかける。「活動中に熱中症で倒れたり、怪我をしたりということもあります。地震の場合は、通常の保険だと余震時の怪我が保障されない可能性が高いので、『天災タイプ』の保険に入っていただくことが必要です」。

現時点で支援物資は必要ない 行政の呼びかけを待って

今回の地震について、高橋さんは「現時点で物流は止まっていないと認識しているので、支援物資は必要ではないと考えている」と話す。

大量の家屋が倒壊したわけではないため、今すぐ何かが必要という状況ではないという。

「支援物資が被災地で必要な場合は、市町村などの行政機関が呼びかけることが基本です。今回は必要となる可能性は高くありませんが、支援を考える場合は行政のホームページなどをご確認いただけるといいと思います」。

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